■雨降りの朝、次の目的地は富良野に決定! 札幌 ~滝川

 

 

札幌駅に到着したのはいいものの、

実はこの時点でここからどこに行くかは決まってなかった。

 

というのも、この日は雨。

しかもやや荒れそうな予報になっていたので、

あまり人里離れたようなところに行くと交通機関に影響が出た場合に

厳しくなるかなと考えており、先程迄の急行列車の中でも実は

どうすべきか決めかねていたわけで。

 

とはいえ、行き当たりばったりといっても夏のハイシーズンの北海道の旅。

今後の宿泊先は既に確保していて、今日の宿泊地は札幌にしていたので、

今日中に札幌に帰ってこられる場所が大前提となる。

 

とりあえず、駅の行先表示板を見ながら思案する。

早朝の札幌駅。選択肢はかなり多いが、

この時点で、自分の中では行先候補は3つ。

 

①札幌至近、小樽、余市方面に行ってのんびり散歩

②上川方面に行って富良野、旭川をぐるり

③札沼線に乗って新十津川往復のローカル線の旅

 

①あたりは雨の日用のプランとして検討していたが、

やはり、ここはせっかくここまで来たわけだし、

なんとなく途中で晴れ間が出てくれば大丈夫かなと思って、

結局一番距離を移動する必要があるが、

北海道の真ん中を満喫できそうな

 

「②上川方面に行って富良野、旭川をぐるり」

 

に決定。

 

行先を当日の朝に決めて、

気分に身を任せて出かけていくのもまた楽しい。

 

上記写真の石狩当別行の札沼線に乗れば、

当時1日3便しか走っていない新十津川往復も可能だったが、

函館本線滝川行の電車に乗り込む。

 

 

車両形式については詳しくないのだけど、

これは北海道にしかない車両なのでは?

 

と思えるような年季の入った車両で、なんとも味のある雰囲気。

 

札幌の屋根付きターミナルを出てまた窓をたたいてくるのは雨の音。

 

江別市の地球一周を促す面白い看板。

偶然写真撮れた。

 

 

岩見沢駅ホームにある幌馬車。

 

 

 

岩見沢を過ぎると札幌の近郊区間外となるのか人家もだんだんまばらに。

北海道らしい風景になると同時に、行く先に見える黒い雲が不安を更にかき立てる。

 

上川地方に行く決断はしたものの、滝川にたどり着くまで、

車窓に流れる風景を見ていると、むしろ雨は強まるばかりという感じだった。

 

■滝川駅ホームでの混雑に驚き! 滝川 ~富良野

 

 

 

 

なんだかんだで札幌から約1時間半で滝川に到着。

ここで約1時間の街合わせで根室本線の釧路行きに乗り換え。

 

この釧路行き、確か当時

「日本で一番長い時間走る普通列車」として

有名だったと思う。

滝川を9:37に出発して、釧路に着くのが夕方の18時頃。

さっき乗ってきた急行はまなすよりも長い時間を

朝から夕まで時間かけて走っていく。

 

もう全線乗っているだけで一日が終わってしまう・・・。

今思い返すとなかなか1日乗り継ぎもなく乗りっぱなしって

凄いことだなと。(乗務員さんは途中で交代するんでしょうけど。)

 

昔は北海道だけでなくそういう長距離列車が

もっとたくさん走っていたんだろうなと。

 

ホームに打ち付ける土砂降りの雨の音を聞きながら

列車の待ち時間に色々思いを馳せてみたり。

 

そうしてしばしぼーっとしていたら、

発車15分くらい前の列車の入線に合わせて、

駅舎内から想像以上の人がどっと押し寄せてきてびっくりした。

 

そのかなりの大人数の都合に合わせることなく、

ホームに入ってきたのは、たった1両きりのディーゼルカー。

 

自分は、乗車口の処に早い時間から立っており、

この混雑に対して最初から乗車口付近でいいポジションを

獲っていたのは思いもよらぬ幸運だった。

 

とてものどかなローカル線とは思えない人混みのにぎやかな車内に。

ホームの混雑ぶりや、車内の様子を写真で伝えられないのがちょっと残念。

 

今振り返ってもこの時がこの旅一番の乗車率だったと思う。

 

ボックス席の窓際を難なくゲットでき、

通路でスーツケースに寄りかかっていたりする人たち、

特に地元の利用者の皆さんにはかえって申し訳ない気分にもなったが、

昨日から乗りっぱなし&ほぼ徹夜の寝不足の身体で

ここから1時間強立ちっぱなしになっていたらと思うと、

ここで座れたのは本当に助かった。

 

1両編成のディーゼルカーは函館本線を分かれて、根室本線へ。

本線といっても単線なのでローカル線の雰囲気たっぷりだった。

 

 

赤平駅は思っていたより大きくて立派な駅舎。

 

 

 

途中で長いトンネルに入ったと思ったら、一気に窓ガラスが曇ったのには驚いた。

窓の隙間からはキンキンに冷えた空気が入ってきて、夏なのに寒さを感じたくらい。

 

トンネルの中と外気は相当に温度差があるみたい。

これも北海道のローカル線ならではの光景かもしれない。

 

 

そして、長いトンネルを抜けると・・・

 

なんとさっきまでの雨が嘘のように雲間から青空が見えた!

 

 

 

滝川から約1時間、10時半過ぎに富良野に到着。

 

富良野も雨はあがっていて、日差しもあったが、

まだ周囲の山の向こうには雨雲が見えるので、

油断はできないが、少しくらいは散歩も楽しめそうだ。

 

ここで滝川から乗車の多くの乗客も下車。

 

 

そして、ここからの釧路行きは1両から2両編成に。

 

滝川から乗ってきた人たちにとっては

このお盆時期の移動者が多くなる時期くらいは

最初からつけていてほしかっただろうなと思う。

 

 

 

 

 

富良野では、短いが1時間程度の滞在とした。

 

というのも今日はドラマ「北の国から」でも有名な富良野線に乗って

美瑛にも寄ってみたかったからだ。

 

少し駅周辺をぶらり散歩。やはり車での観光客が多いようだった。

 

そして、この短時間で立ち寄ってみたのは以前から一度行ってみたかった

駅から歩いていける「北の国から」資料館。

 

残念ながらこの記事を書いている現在、既に閉館してしまったが、

ドラマのファンでなくても展示されている内容には心動かされるものもあったように思う。

 

自分も本格的にこのドラマを見たのは'87の初恋以降になるのだけど、

ドラマの雰囲気そのままに中に展示されているものは本当にメッセージ性が強くて、

写真や道具と共に印象的なセリフが添えられているのだけど、

本当にこの作品の持っている熱量のすごさを物語っていたと思う。

 

個人的にも昔からのファンであるさだまさしさん作曲の

あの有名な「歌詞の無いテーマソング」の直筆の楽譜があったりもして、

もっと時間をとって来ればよかったと思った。

(※結局、その後嫁と再訪してその時はさらにじっくり見ることができた。)

 

館内は珍しく写真撮影OKとなっていたので、色々とカメラに収めてはきたけど、

運営側のご厚意でそういった形にしてもらっていると解釈したので、

自分だけの記憶としてここで感じたことをしっかりと自分の中に留めていきたいと思う。

 

発車時刻が迫ってきたので富良野駅に戻ることにする。