父と本当に仲良かった母。
最愛の連れ合いを失って一人になってしまったことは、子供としてはやはり心配だ。
それは弟も同じだった。
彼らはマンションの買い替え計画を以前から進めており、生前父も、新しいマンションに遊びに行くのを楽しみにしていた。
それを棒に振ってまで、今回の事を決行することになったのは、
母のことが心配という精神的なことだけでなく、家族全員のお財布事情や将来を鑑みても、
今回この土地に、世帯を別にしてみんなが一緒に住む、というのが最良の結果を生むのではないか
という結論に達したからだった。
また、土地を持っていることによって、家族間での相続の問題にも関連してくる。
相続の話はデリケートだ。 
これらの問題を全て気持ちよくクリアするまで、納得のいくまで家族で話し合い、出した結果だった。

具体的に言うと、今回の家は3世帯になる。
正確に言えば、今までも3世帯の作りだった。
ただし「世帯」という定義が、親族に限定されるなら語弊があるかもしれないが。。 
うちの家族の住む母屋、隣接して1階に祖母の家、その上の部屋は人に貸していた。
祖母がいなくなってからは、祖母の家とその上の家2世帯を人に貸していた。
小さな、昔ながらの畳ばり、一人暮らし用の部屋で、学生さんや、イケメンミュージシャンの卵君など、
みんな居心地よいと言ってくれて、長く住んでもらっていた。
格安で貸していたので、みんな出て行きたがらなかった。
今風な作りじゃなかったけど、何より真東南に位置するので、日当たりに関しては最高だった。
 
で、今回もこの形を踏襲することになる。
 
母屋は弟家族、隣接して1階に母の家、その上に今のところ私の家(何れ私が出ていったら人に
貸す目論見)。
外見は一つの家だが、中はそれぞれが生活できる、独立した3世帯の家となる。
 
私と母の家は合わせると100平米だが、1階と2階で独立した家となるので、
それぞれの持ち場が50平米弱の小さな家。
もちろん玄関も別、水周りもキッチンも全て別。 リビングも寝室も別。
が、私が2階に住んでいる限りは、とりあえず玄関を仕切る壁をつけないので、
1階の母の家とは玄関の土間を通じて、普通に行き来できる作りとなる。
 
家を創るにあたり、それぞれの持ち場は、当たり前だがそれぞれが担当する。
かくして、具体的に事が進んでいくことになる。