鎌倉には思い出がたくさんある。

 

先生が八幡様の世話役をしていたからか、

 

お祭りに、この安土桃山時代の国宝を担ぐことができる友達がいないかという。

 

当時はまだお神輿がブームでなく担ぎ手を集めるのも大変。

 

学校の仲間をなんとか三人集めて鎌倉に行く。

 

神田で神輿は慣れた友だが、驚いた、何しろ鎌倉時代の装束を着て、神輿には足をつけづ、少ない人数であの大銀杏のあった石段を下り、二の鳥居まで整然と担ぐのだという。

 

さすが鎌倉である。

 

前後に武者姿で馬に乗ったお侍が行く。

 

みんな最後にもうだめと、一気にワッショイ!ワッショイと神田神輿の掛け声を出してしまった。

 

先生は笑っていた。

 

だが馬たちは驚いて行列を乱してしまう。

 

あの親友も一人は中学から大学まで、

 

あの時代、親友たちはみな学友だった。

 

あの石段を神輿担いで下りると聞いても誰も逃げないで手伝ってくれた、

 

もちろん私も担いだのだ。

 

私の神輿は神楽坂で、あんなおおきな神輿ははじめてだった。

 

足を踏み外したら、神輿ごと落ちて、仲間にも迷惑をかける。

 

先生は神輿こそ、いろんな担ぎ手がいて成り立ち、世間というもののありようと同じだよと仰っていた。

 

 

終わって石段で、いただいたお弁当を開けた。

 

神社からのお礼があり、驚いた。

 

みんなでお弁当を開けたが何もおかずはない、玄米だけ。

 

そう、玄米におかずはいらないがそのころはみんな知らなかった。

 

学生時代のこんな思い出だが、今の私には宝物。

 

青春は思い出つくりだ。