iPhoneを5sに載せ替えて、色々なオプションサービスが契約時に加わりました。
その中の一つにUULAという動画配信サイトがあって、一週間は無料だと聞き、要るか要らないかを判断すべく、たまたま選んだ作品が「ツレが鬱になりまして」でした。
不覚にも込み上げるものがありました。
携帯を握りしめ、じーん。。。
ある日突然、鬱病になった旦那さん(堺雅人さん)のために、宮崎あおいさん演じる妻が発した言葉の数々は、鬱病と関わらない方でも思わず唸ってしまう多くの気づきをもたらしてくれました。
鬱病という言葉は最近では然程珍しくはありませんが、だからこそ病気として受け入れがたいものを、病気だと受け入れること。
それには何より環境や人々の理解が必要だということ。
ツレの妻として、彼女が選択した数々の道には、本当に考えさせられました。
まず、自分の旦那さんは病気になったということを早い段階で受け入れました。
受け入れた上で
がんばらないということ。
がんばらせないということ。
彼が鬱病になった原因を追求するのではなく、意味を考えたい。
彼女が突如直面した鬱病という心の風邪に向き合うために決めたことがなかなか素敵でした。
"会社を辞めないと離婚する "。
そう脅して半ば強引に始めた、彼との家の中だけで送る夫婦生活。
退職することが決まり、出勤最終日に、妻は夫と一緒に通勤ラッシュのぎゅうぎゅうの電車の中にに乗り込みます。
こんなツライ中でずーっと耐えてくれていたんだね。でも、もう明日からは乗らなくていいんだからね。
今までどうもありがとう。
思わずタガが外れたように肩を震わす夫の背中をポンポンとたたきながら。
会社を辞めた。
めでたし、めでたし。
ではあるはずもなく。
日常は朝から夜まで私たちを待ってはくれない。
ずーっと家の中で二人きりでいるということ自体、夫婦生活を知らない私でさえ並々ならないことだと思うのですが。
一貫して妻は夫を責めません。
かくして夫はこの病気とうまく付き合っていく秘訣を見出してゆくのです。
"あとで"というモットーを掲げて。
あ。
焦らない。焦らせない。
と。
特別扱いしない。
で。
できることとできないことを見分ける。
夫婦とはこうあるべきだ。
と、決して思ったわけではありません。
ただ十組十色であろう夫婦の中で、彼らは真摯に毎日を生き、素敵だなと思いました。
病めるときも。
健やかなるときも。
個人的には、同じ病で失った従姉のことが過ぎらなかったわけではありません。
しかし、これはこれ。
彼女は彼女。
まったくの別なものだと思いました。
ある日突然この世から消えてしまった従姉。
彼女に置いてけぼりにされた人々はそれぞれが自分を責めました。
だけど生きている限り、生きている人々は前に進むしかなく、少しずつ傷を癒していったのです。
決してあの時こうしていたら、などともう口にする者はいません。
決して従姉の周囲にも理解が足りなかったとは思っておりません。
ただ、この病名と付き合うということは、本人と周囲の人々も含め、並大抵のことではないということを改めて知りました。
知るということは、トンネルの入り口とは違う出口に出ることに似ているような気がします。
作品を通して、抜けた出口には、より日々を愛しく思える私がいました。