会社でお世話になっている税理士さんとたまたまランチをご一緒させていただくことになりました。
聞いてはいませんが、30代後半独身といったところでしょうか。
間違ってたら申し訳ないですが。(笑)
最初は当たり障りない世間話をしていました。
しかし、頼んだ鴨せいろそばが一向に来ないので、白昼堂々ノンアルコール状態にもかかわらず、仕事についてなかなか熱く語らう運びとなりました。
私:仕事楽しいですか?
税理士さん:めちゃくちゃ楽しいです。
私:どんな時に楽しいと感じますか?
税理士さん:自分でコントロールして、公私共に充実しているときです
その方はもともと大手監査法人に三年半勤めた後、コンサル会社や税理士事務所を経て、独立したそうです。
素っ裸同然で独立して、コネもなく、順風満帆とは程遠い、しばらくは仕事がまったくない状態が続いたのだそうです。
ふと、今自分に足りないものは何かを立ち止まって考え、辿り着いた結論が「信用」だったとのこと。
そりゃ誰だって、何処の馬の骨とも知れない輩に、会社のお財布を預けたりしたくないでしょう。と、笑ってらっしゃいましたが、すかさず「だから」と話を続けました。
「信用がないから、まずは信用を勝ち取ることを目標に掲げたんです。
飛び込みもテレアポもことごとく玉砕でした。
だから僕は本を書きました。
一心不乱に会計に関する本を1ヶ月半かけて書きました。もちろん自費出版です。(笑)
それをひっさげ、配り歩けば宣伝になるし、そう思えば痛くない投資でした。
最終章を書き終えた日は、僕にとって忘れられない一日になりました。
やっと書き終わったという開放感と共に、携帯の着信が鳴ったのです。
大学の先輩でした。
彼の勤め先である某東証一部上場会社のスポットの仕事の紹介でした。
その日はそれから立て続けに2件の依頼が舞い込んできました。
普段はこんなこと思ったりしない性分なんですが、その時ばかりは神様は見てるんだと思ったのが印象深いです。
それからは少しずつ経験を重ね、事務所も軌道にのってきました。
でも、税理士事務所を構えることにそんなに執着はないんですよ。
実は、つい最近まったく新しいビジネスモデルのアイディアが浮かんだのです。
僕はぜひ実現したいと思っていて、成功イメージも描けています。
今までの経験も無駄にならないだろうという自負もあります。
だから、そのことを考えるとワクワクしてすごく楽しいです。」
息つく間もなく話を続け、目を輝かせていらっしゃいました。
私は漸く来た鴨せいろを食べ終え、お茶を啜りながら、明らかに異なる種類のプラスマインドを咀嚼してみて思いました。
雇われるひとと、雇うひとは、根本的に違う、と。
心の噴き出しからこぼれた私の言葉をひろってか、税理士さんが言いました。
「全然違いますよ。僕も独立当初はこの考え方の変換にかなり手こずりまして。今まで感じたことの無い種類の孤独でしたしね。」
ふむふむ。
自分の置かれている環境。
自分の四方を塞ぐ高い高い壁。
そこから小さい空を仰いで、今ここにある閉塞感に、嘆いたり、溜息したり。
実に雇われる側の世界観だなと。
誰かが狭い世界から助け出してくれるのではないかというイメージ。
場所を変えれば劇的に物事が好転するのではないかという安易な発想。
立ち止まっているのはヒロインだけで、塀の外を見ようとしない自分には気がつかない。
それが悪いことでは決してなくて。
そう思うと、改めて自分がどうすべきか、また立ち止まってみたくなりました。
この場所をもう少し楽しむ?
それとも。。。???
ふふふ。
春だなぁ。(^ω^)