おおかみこどもの雨と雪
ずっと観たかった細田守監督の新作です。
赤い輪郭、貞本義行さんらしい細身のキャラクターデザイン。冒頭から流れるように始まって、瞬く間に世界観に入り込んでいき、あぁ、そうだった。これこれ。という感じ。しかし今回は時空は越えず、世界滅亡の危機にさらされることもありません。
一言で言えば、おおかみ男と恋に落ちた女子大生の子育て奮闘記。おおかみ男という点だけ除けば、びっくりするくらいに子育て奮闘記。でした。
なぜここにきてこのテーマだったのかはわかりませんが、しきりと重なるのは自分の母親のことで、たとえ自分の子供がおおかみ男とのハーフでなかったとしても、母親が背負う苦労というのは、いつでも未知の領域なのだろうと思うのでした。
子どもの親になったことのある人とそうでない人ではまったく見え方は違うでしょう。私は結婚も出産も経験のない、相変わらずの甘ったれなので、母親の苦労など爪先にも及ばないくらいしかわかっていません。だから、おおかみこどもの母親の本音に到達するのは、きっともっと後になることでしょう。彼女はどんな苦境に立たされようとも、気丈に振る舞い、きゅっと口角をあげて笑おうとします。私は何かそこにとてもとても母性を感じました。母親になってからまた観たいと思いました。