辞職の意思を伝えても、わたしの気持ちは揺らいでいた。


「不妊治療、仕事」でネット検索すると、退職した人・ワークダウンした人が多いような気がする。

わたしの病院は、産休・育休後のパートのみ認めていたので、退職した人がいることを知って安心した。



でも、仕事をしながら治療をしている人も多くいる。

仕事をしながら治療をしている人がいることを知ると、自分が「弱い」と言われている気がして悲しくなる。



わたしのお母さんは、乳がんで乳房の全摘出手術をしても正社員で仕事をずっと続けた人。


「仕事をしていた方が病気を忘れるし、気は楽。やってできないことはない」

と言っていた。


お母さんが治療していたのは、わたしが中学生だった。

そのときは思わなかったけど、本当にすごい人。

仕事も家事もして、お弁当も作ってくれてたし、愚痴は言わない。

家族で出かければ一番はしゃぐし。

7年抗がん剤やらなんやら治療して、ほぼ完治させた。

いまになって、本当にすごい人だと思う。




わたしはお母さんの子供だけど…。

それでも、わたしは仕事を辞めて専念することに決めた。

決めたからには、ひとりで家にいる時間を楽しく過ごせるようにしようと考えた。


何かを作るのは好きだから、お裁縫をやることにした。

ミシンを実家から持ってきた。

片麻痺の患者さんと一緒にやったクロスステッチは楽しかった。

これもやろうと決めた。

友達にお料理教室に誘ってもらって行くことにした。

高校まで部活でやってたトランペット、また始めてみようと思った。



たくさん妄想しているうちに、自分の決めたことは間違ってないように思えてきた。

迷ったら患者さんに「家族って大切?」「お孫さん、かわいい?」って聞いた。

必ず、「家族は大切だ」って言ってくれる。

ついでに「まだ子供がおらんのか~」と言われるけど、慣れたもんだ(^^)v




旦那は趣味のゴルフをたくさんしながら、休日が合えば一緒にカフェに行ってくれた。

仲のいい友達は、悩んでいた時にはたくさん話を聞いてくれた。


そういうことをありがたいって思える余裕が出てきた。



よかった。

旦那との喧嘩は減ったし、うじうじして疲れることも減った。


節約することも楽しくなった。

大好きな旅行やカフェの時間は減らさずに節約した。

「今日のごはんは2人で300円だよ!」というと

旦那は「おお~!」という。

月末に旦那の給料だけで過ごせたことを確認するのが嬉しい。