自然妊娠は出来ない。
周りは当たり前のように妊娠・出産するけれど、私たちは普通の夫婦生活で子供が出来ない。
頭の中でぐるぐる同じセリフが回り巡る。

2度目のムンテラもひとりで聞いた。
先生は精液検査の結果と今後の方向性を話してくれた。


「精子濃度の低さから人工授精でも受精が難しい。
体外受精でも顕微受精をした方がいいと思います」


この時 いろいろ意味が分からなかったけど、出来ないことが多いことだけは分かった。
覚悟はしていたのに、この日は泣くのを必死で堪えて聞いただけ。



旦那には、精子濃度が低いという結果が確実だと分かってから伝えた。
子供が欲しい気持ちは私より強いから落ち込むと思ったから。



私はというと
実は1年前に比べると気持ちは楽だった。
無排卵月経のせいで出来ないと思っていた頃に比べると。

自分のせいで妊娠できないと思っていたストレスから解放されたから?
子供が出来ない可能性が高めなことは想定していたし、諦めがあったから?



旦那は子供を強く欲しがっていた。
精子濃度が低いこと、自然妊娠ができないことを話したら
泣いてしまった。


原因を探してそれを治そうと
必死にパソコンと向き合って調べていたし、
婦人科の先生にも話を聞きに行った。
その姿は隣で見ていて切なかった。


「泌尿器科の疾患があるとこういう結果になる事もある」といわれ、泌尿器科にも掛かった。
でも泌尿器科の問題はなかった。


「若いからもう少し希望をもってみてもいい。回り道してもいい」ともいわれた。
少し期待をした発言が増えるようになった。


でも、病院に勤務していた私はこの点では冷静だったのかもしれない。
混乱する旦那の様子を見て、冷静な判断をしなければと思ったのかもしれない。

<希望>をもって回り道しても、可能性は極めて低くて結果、答えは一緒。
年齢を重ねれば、体外受精をしたって妊娠しにくくなるということは分かっている。
患者側に選択させているけど、先生の中での最良の道は決まっている。


“現実を早く受け入れて、治療を開始するのが一番!!”
そう思った。


食事管理を中心とした気休め程度の対策をしながら、
仕事は?
お金は?
とたくさんたくさん考えた。
混乱する旦那を隣に、私は焦っていたんだと思う。


その後も毎日パソコンに向かう旦那を見るとイライラした。
仕事のことを話すと「好きにしていい」という旦那にイライラした。
お金について話すと「親に借金したって子供が欲しい」という旦那にイライラした。


ぜんぶ馬鹿じゃないの?!って思ったし、
気を抜くと涙が溢れた。


子供が欲しいなら里子もいいって本気で思ったし、
不妊治療を巡って離婚問題に発展する夫婦も多いって話に関心を持った。


ストレスフルで毎日が辛かった。

そんな中、体外受精について病院の勉強会に参加することになる。