鎌倉の夏の思い出は、師に頼まれた鎌倉八幡の御神輿であった。
その当時は担ぎ手が足りなかった。
八幡宮の世話役だった師に頼まれて、東京から友人たちを連れていく。
みんな神田神輿で鍛えたの肩はずだった。
だがご覧の神輿は安土桃山時代の国宝、
それをそのまま補助の棒がない。
我々は面食らう。
この神輿を八幡様の急な階段を下す。
装束も烏帽子、白い衣。
なんか命がけであった。
鳥居のところまで担ぐが、
前を行く馬に乗った武者がいるので、
わっしょいはいけないし、恐れ多いいので練れない。
ただじっと整然と行く。
これはつらかった。
もうだめというとこで、
仲間で大声でワッショイワッショイと気合を入れたら、馬が驚いて一回転。
沿道にいた先生たちは喜んでいた。
神輿の担ぎ方は世の中そのもの。
腰を入れてしっかり担ぐもの、ぶら下がっているだけのもの、面白い。
昔は海まで行きそこで清めたが今は手前までで助かった。
終わって師の茶室が安国論寺にできたのでご苦労様とご招待。
地元のお弟子さんに鎌倉のお菓子でお茶をご馳走になる。
設計から作るのまで先生と住職でなされたという。
神社からご褒美に玄米をいただき食べたがこれは堅い、お礼としてお金までいただいた。
私は仲間たちを集めて連れて行ったかいがあった。
あれは高校の最後の夏。
神輿は重かった!