お茶会は何が起こるかわからないと思ってきた。


初めての方も多く、昔はいろいろ言えないような失敗もしたが、


今回は私自身。


なんと自宅のマンションの停電なのである。


朝七時からお昼までという。


当然エレベーターは動かない。


何回も降りるお稽古はした。


だが急に昨日からめまいがひどくて、左右に揺れる。


五段も降りられない。


まあ、着物でなければ何とかと思い、とにかく寝てしまった。


朝は5時に目が覚めた。


家内が教室から朝帰り。


そうだ、今なら着物でエレベーターで降りられると、跳ね起きた。


急いで紋付を出し、食事もいつもの流動食を作る。


いつも一時間かけるのを今日は10分。


雨が降った様子で急いで教室へ。


ベランダの板が思っていた通り、水がたまる。


雑巾で着物のまま拭き取ったら、きものが汚れた。


お天気はお昼には晴天になった。


中立にはベランダが乾いてくれた。


今年はベランダの路地に凝った。


お茶事そのものも勉強である。


ひな祭りの茶会にもできた。










20代に高取宗家の襲名披露に箱書きを書いていただいた。


八山さんは清山さんの跡を継ぎ十代を襲名された。



待合である。


みなさんが最初に来て、待ち合わせる場所である。


昔は袴付け所とも言った。


煙草盆は広間のものを用意する。


瓶かけも火入れも灰は生徒さんがしてくれた。







何とか皆さんの協力でベランダに蹲ができたのである。



何時もならあり得ない。


前日にはすべての抹茶が濾されたのに、私が忘れてしまう。


やったつもり、冷蔵庫を開けて唖然!


早く来た生徒さんが手伝ってくれて、何とか間に合う。


何しろ今年は、私も特別なのである。


お爺さんになったようである。








真塗りの炉縁に、灰型が決まる。


やはりまだまだ、灰は負けられない。












末客の方が、待合の後片付け。


すべて元に戻して、茶室に入る。













初炭、実際真ん中の三つの炭が赤々と燃えているのだが、カメラに映らない。




昔からこの紅鉢と灰型には苦労した。








正客の杯を借りて、全員でお祝いのお酒をいただく。


これを千鳥の杯という。










後半を後座という。前を前席、独特である。


ここから、いよいよ濃茶、後炭、薄茶となり、茶事が終わる。


長い二刻と昔はいう。


時刻が4時間で、光の問題で時間の観念ではないと教わる。


これが分かるまで30年はかかったか?


兎に角 茶事は奥が深い。


簡単には説明できないし、誤解も招く。


今回は記念なので、思い切ってたくさんの写真を載せて雰囲気だけでも味わっていただこうというわけである。