今日は初級の方の個人レッスンの日。


皆さん初めて棚のお点前に入る。


それも吉野棚。


ちょっとしゃれた吉野大夫好みである。


棚の説明で、吉野大夫のことから本阿弥光悦、よせばよいのに宮本武蔵まで出してしまう。


太夫のお墓はお参りしたことがある。


光悦寺のそばであった。


光悦は好きな茶人でお話が長くなってしまう。




初めてだが湯返しは覚えてくれた。


腕とひしゃくのラインが良い。


なかなか数か月でできるものではないとその熱心さに感心する。




今年の炉のスタートは長緒の結びと茶壺の結びを関連ずけて覚えようと思う。


それで新品の大海と新品の茶壺を出す。


瀬戸の定一さんの作品である。


使いやすい。


三回の胴拭きも意味が重んじられる。


初めてなのに一回で生徒さんは会得した。


こんな場合唐物扱いの応用なのである。











茶筅通しもその両眼はしっかり穂先を一本一本追っている。


これは見てて分かる。


いい加減な人のは飲むのが怖いといわれる。


今上級の生徒さんが慣れで茶筅が良くないので困る。


しならなければ濃茶は練れない。


生徒さんは一瞬の濃茶を練ることにすべてを投げ打っている。


その心構えが茶の湯である。


雅な吉野太夫の棚は、五行棚から続く、寒雲棚の一貫性がある意味では勉強なのだ。


私も高みを望みすぎるのか。


今年もあと一か月。