遠山という風炉の灰の型で初炭が終ったところである。
これからはなかなか難しい炭である。
だがいざという時には、ガスも電気もいらない炭が重宝なのである。
胴炭がほとんど燃えたので崩して割って小さくして真ん中にまとめて、
輪胴、後炭の胴炭をおく位置を作るのである。
赤く燃えた火は熱いから離して間を置くと良い。
後炭は全部入れない、残った火の具合でファジイなのである。
一生に一回のつもりでみなさんに頑張ってもらい。
私も歳をとり炭を切ったり、灰型を造る灰匙がなかなか難しくなる。
その為に藁灰をしいて灰型を省略する鉄風炉の作法があるが、
私はまた新しいが古典の時代の灰型に帰る。
生徒さんの炭もこの遠山一区切り。
時代だ、新しい何かを掘り起こしていくしかない。
最後は古典のもどることで難なく鱗灰の謎を解いた。
灰は難しく考えないでいかに合理的に炭を入れ、
いざという時にはすぐ消せるようにという事なのである。
丸灰は中華のお玉が似合う。
一かいぐるっと巴を書けば出来上がり。
あんなに苦労していたのが嘘のようである。