火加減はすごく弱火と強火。
単純だがかなり練習がいる。
我が家の形見分けもやっと山を越した。
姉 父 母と悲しみで触れなかったものも、
今回は整理したり風通しをしたり、磨いたりした。
父の家では、昔の茶室の下座床の使い方、由来を学んだ。
保存していてよかったと思う。
東京でもこんな舟形の木造の家はないだろう。
大事なところには黒檀が使われて、関東大震災以上の揺れが来ても大丈夫と父はニコニコしていた。
父の部屋で三代のしゃんじゃくを見つけた。
祖父からそれぞれの好みである。
いまどきの生徒さんにも言葉が通じない。
だが便利くるくると回して結べばよい。
本来は略式でお茶の会ではつけないのだ。
だが私は最近手先に痛みがあり角帯が絞められないので、
やむなく母の祖父のしゃんじゃくを使ってしまう。
真似はしないでほしい。
私の師はいつも角帯を浪人結びにしてお稽古をしてくれた。
普段の姿に決まりはない。
今は男性も女性も気に入ったものを着れればよいと思う。
和服は日本だけの文化で、四季を上手く乗り越えるための知恵でもあったと思う。
今年の秋は生徒さんの娘さんがアメリカで活躍しているけど、日本での結婚式は十二単でするという。
まさに着物のルーツである。
私も若い時の袴は三代目の仙台平であった。
あの当時自分では新調の袴は無理。
お茶でも引退した師の袴か、
親の袴をはく。
袴を脱いだら、着流しはいけないと十徳を着たのである。