桜が咲いた


母が逝く


今年は悲しみが沢山


心配していた椿も満開


白鷺もお濠に戻る


亀も親子で日向ぼっこ


内堀から外堀と続く、お濠の水は流れを止めない


お江戸の七つの大地から出る湧水が流れ込んでいる


川の流れはひばりちゃんの唄を思いだす


ひばりちゃんは我が家の前で黒塗りのオースチンから降りると階段をポンポン上がって行った


私も子供であったからいつも追っかけては怒られていた。


もう桜が咲きだし、神楽坂は桜まつり


お祭りサンバで私も踊ろう


人は本当に悲しい時には踊り狂うのかもしれない


狂わずにはいられない自分があった


狂茶子と自分は思う


桜の下に春しなむ と歌った西行が好きだがいまだに難しい。


母は人のいないところで西行を読む


和裁をしている母が子供のころから好きだった


母はおばあさんに宝塚に入れられそうになり


神楽坂に逃げてきたという


10代


学校は護国寺のそばの女学校


まだ父は戦場から帰らない


毎日4時間の長刀の稽古


終われば勤労奉仕


鍛え方が違う


ここまで頑張れたのも鍛えた自分があったから


母に感謝である


ありがとう、生命