今日は個人レッスンが早く終わり、ギャラリーの搬入なので手伝いに行く。


手伝いながら、聞くと染から自分たちでするのだという。


その糸を木製の機で造り、デザインを決め、縫うのも自分という。


それで年一回の個展が開けるそうだ。


驚いた!


これは大変な工程だ。


なんだか手伝うつもりが、いろいろ教わる。


お茶でも切地が難しい。


なかなかこれも正倉院の名物裂になると時代を超える。


今奈良に研究で行っている夫婦の方がいる。


裂の復元だそうだ。


触れば崩れてしまいそうな古代切れ、


古く由緒のある裂は、もてない。


すべて紐を持って扱うのがある。


若い時に業躰さんの初釜で正客をした。


茶入れの袋があまりにもボロボロ。


何かいわれがあるのだろうと尋ねた。


なんと江戸時代初期の京都の有名な吉野太夫の打掛の切地だという。


それは、当然だがその古さもよくなった。


宮本武蔵にも登場する吉野太夫は、学生時代光悦寺の近くのお墓にお参りもした。


武蔵の命を救うために、大事な琵琶を手斧で割り、その心を開いた。


武蔵は唖然として、太夫の点てる牡丹の炭の湯のお茶を味わう。


茶の湯は知らないが、その心を太夫から知らされ、無駄な戦は避けるのである。


木曜から来週の火曜まで、ギャラリーで展示する。


その方は、現代の吉野太夫のような気品で、


何しろ作品が手作り、その器用さに驚きである。


神楽坂下のゲームセンターの横を入るとすぐ。


11時から7時まで入場無料、作品を見てほしいとのことである。