運びのお濃茶が始まったばかりなのに、釣釜なので五徳の蓋置を使ってしまう。
五徳の蓋置は、風炉や炉で五徳がないときに使うのが面白いとされる。
利休さんの好んだ七種の蓋置の一番忘れやすいものなのである。
いつも皆さんは六つは言えるがこの一つが出ない。
しょうがない、あまり使わないからだ。
そのほか、蟹、栄螺、三つ葉、三閑人、一閑人、火屋である。
火屋も台子用であり普段は使わない。
私は正式な後炭ではなく、お湯が冷めたので炭を直す略炭をしている。
生徒さんが次にお濃茶を練るのに湯が温く、最後の方なので胴炭を真ん中で割り残った炭で湯を沸かす。
半分は割れたがあとは無理。
私でも炉のなかは熱くて、長くは手を入れられない。
これを女性にさせようというのは無理だと思う。
後炭には輪胴止といい、このように残った半分以下の胴炭を割らなくてはいけない場合があるのである。
なかなか後所望に今年も入れないが、やはり火がないお稽古のやり方で現代はやるしかない。
私のような皮膚を鍛えたものは、熱さは感じない。
それでも後炭所望には長い火箸を使い、熱さをよける。
炭は炉の後炭所望が究極の炭といわれる。
その所作は実際炭を使う時の始末には大事なことなのである。
昔から茶人は火事を出しいたことがない。
炭だけでなく最後は熱い灰まで除いていく。
灰の中には、まだ熱い灰に八つ手の葉を裏表においてさらに用心する。
胴炭を割って全体の分量を量り、どのぐらいの時間使うかも考えて炭を立てていくのである。
お湯は10分ぐらいで熱くなった。
無事濃茶が練れる。
まだ経験が浅い人ほど本来の姿でしてあげないと炉の濃茶は理解できない。
無事濃茶が練れてホッとした。
明後日の夜に外国の方々が見学に来る。
茶の湯を知りたいというドイツの男性たち、
昔から女性も男性も茶道に興味をもたれる。
やはり炭で湯を沸かして、お茶を差し上げようと考え直した。
せっかくの釣釜、今ヨーロッパでは火をおこした炭は使えないという。
日本の伝統文化。
今度の大雪でも大震災でも東北では炭が灰が活躍したという。
その工夫は滅びさせてはいけないと思う。
炭はまだまだその火の勢いで、いろいろなものに使われている。
寒い時は火のそばが暖かいし、心休み、和むのである。








