久しぶりで、学生時代のカレーライスが出来た。
11種類の具が入る。
コンソメは、セロリに月桂樹の葉が入り本格的。
学生時代は仲間とカレーショップを経営、高田の馬場にあったドイツ料理の店で修業する。
最初はルーも手作り、材料は河岸で仕入れた。
兎に角300人分を一度に作るから、2日は徹夜。
月に一度30円カレーのサービスデーを作ると行列ができた。
普段でも、90円である。
そこにジャガイモスープやサラダを付けた。
当時大学はどこも、ストライキや学費闘争、ベトナム戦争反対でロックアウト、授業はなく、勉強できる環境ではなかった。
私達は仲間に、栄養ある、美味しいカレーを提供して、辛い学生時代に対抗した。
毎日味も中身も違うカレーに仲間たちは楽しみに通う。
時には美人のダンス部の女性たちがお手伝い、店には花がさいたようだった。
成人式もこの延長で、仲間と自主的に、銀座の帝国劇場のレストランを借り切って、数十の大学の仲間で飲み放題、食べ放題、踊り放題、生バンドも学生。
会費も800円。
足らない分はカレーで儲けた分を使う。
あくまで、卒業後はやらないとの両親との約束。
就職はちゃんとするから、
勉強も最後の1年ですべてした。
朝8時前から大学に行き、夜10時まで缶詰で、何とか卒業も出来、就職も決まり、卒業式には結納も終わった。
だが、就職したら、学生時代より少ない月給。
これで生活するの?
今日は、人参、ジャガイモ、セロリ、茄子、ピーマン、茗荷、長ねぎ、フナシメジと2種類のキノコ。
肉と玉ねぎとピーマンを炒めて最後にコンソメに加える。
よく煮込んで、味を見る。
苦味がない、良しとカレーのルーを入れて、1時間煮込んで、1日置いたら味がよくなるのである。
残った野菜で昔のように、卵サラダを作った。
カレーを作っていると、青春時代に帰ってしまう。
明日は母も喜んでくれるだろう。