今月は上級の方は、秋春と7人の方が真台子の伝授をうける。
真台子は奥秘であり、古典中の古典である。
基礎からコツコツ学んで十年は修行が必要。
なぜならば、真台子を伝授されるという事は師の後継者なのである。
これは利休さんの時代から変わらない、古今伝授の伝統である。
現在は家元制度が取られて多くの方が滴々相伝で学べるようになった。
だが、長いお点前でその難しさは前後に絶する。
私もいつも悩むのである。
考えた末、今年から月と御所籠のお点前を夏にしてもらう。
9月からは大一歩、長板の総荘のお薄とお濃茶をスタートのして、真台子のお稽古の入る。
難しいことをいかに解かりやすく覚えてもらうかが、私の勝負である。
いよいよ、半年先の伝授に向けて走り出した。
9月は、お花も名残の秋の七草を生ける。
これは茶花でもあるが、一番力量が問われる。
真台子を伝授される生徒さんには、理想ではさらさらと投げ入れてほしい。
秋に残る草花を最後に、もう一度息を吹き込んで、床の間に再生したらそれが侘びさびという。
その時期、名残りの茶は鉄の欠け風炉、古い備前すり鉢を見立てで風炉にするのも面白い。
灰は掻き上げか藁灰も歳を取ったら許される。
中置で、水差しは備前の種壺なら最高!
10月の末は、最後の風炉の抹茶が無くなり、淋しい季節なのである。