煙管盆は、お薄の時に、寛いでください、お疲れれ方は一服召し上がれと正客の前に出された。
今の時代、茶室で煙草は流石に吸う人はいない。
濃茶では、当然タバコは出ない。
禁煙どころか、おしゃべりもいけない。
厳粛である。
その疲れをお薄でとるというのが、茶道の茶会の流れであった。
懐石では、お酒も出す。
家康の時代は、禁煙、禁酒法があり、贅沢はいけないとされたし、家康はその酒もたばこも毒性を感じて止めさせたのだ。
なんでも、ほどほど。
名僧、の言葉に生かそうと殺そうと匙加減というのがあるが、肝に命じる。
家内が、禁煙も半年以上になり、隠していたパイプタバコを出してくれた。
吸うためではない、父の形見。
サンフランシスコの特別なパイプタバコ。
日本では売ってない。
香りも飛んでなく、吸えるもの。
だが、私はもう吸わない。
香りは、父の想い出。
ときどき、味わおう。
船で、デッキで吸う、マドロスパイプもあるがそれは父の宝物。