七夕の葉蓋の後は、名水点になる。
皆さんに手伝ってもらい準備した。
名水点は、夏には釣瓶の水指がふさわしい。
実は、ここ3年この水指は修理中であった。
水が漏るので、完全に時間をかけて乾燥させ、歯を直す時に使うセメントを貰い、四隅を固めた。
今日は、初使い。
漏れなかった。
私の時間を掛けた修理がよかったのだろうか?
でもまだ、一日今週いっぱい漏らないとよいのだが。
プロに頼んだら、買った方がよいと言われたが、10年以上使ったので皆さんとの愛着がある。
それが直せたのだろう。
釣瓶とは利休さんが井戸水をくみ上げる、この釣るがついた木の器を水指にしたというのが始まりである。
昔、利休さん愛用の本物の釣瓶を見た、感動した。
左の板を両手で手前に引く。
中は名水が入っている。
夏は冷やしておいた方がよい。
名水とは、味の良い、抹茶に適した最高の水をいう。
一番は、湧水。
二番は、泉水。小川の源水もはいるか?
三番に、有名な井戸である。
そして、昔から茶人はこの水を汲むのに丑寅の時刻、真夜中の二時半ごろである。
たった一人で、汲みに行くのが習わしだった。
身を清めて、神聖な気持ちで行くのである。
私は、若いときはかなりいい加減で、車で日光の麝香の滝やうらみの滝に行をしながら汲みに行く。
やはり、山奥の水を汲んで来て、するお点前は新鮮でよかった。
今は、その点楽であるが、ちょっとつまらない。
名水は、やはり自分で探して味を覚えて使うのがよい。
毎日飲んでいる水とどう違うか、分かれば茶人として一人前と昔から言う。
名水は最初に茶碗に適量入れて、皆さんで味を見るのである。
水の回し飲み、夏だけにする名水点である。
床の間に、芙蓉の軸を掛けた。
軸の下には、先週からの茶花がある。
本来花の絵には花は置かない。
水を見ると限界。
急いで、花の茎を洗い、花生けを洗い、新しい水に入れ替えた。
いつもなら、家内が来る時間だが来ない。
止む無く、全部の花の水を新しくする。
元気のないものは、水切りをしてたっぷり霧吹きで水をかける。
さあ!困った。
なかなか、家内のように活けられない。
一旦外した花は、もとの形にするのは至難の技。
最後のこのアレンジは、3回も落としてしまい、元に戻せない。
小さな蕾や花の命も大切にする家内の宝物。
竹を忘れて居た。
竹も今年は、壺に活けてある。
根元は砕いて、ミョウバンに漬け、火にあぶる。
もう、四日。
やはり、水を代えようと思う。
いや、これは一人では大変だった。
竹だけなら良いが、沢山の七夕のお願い。
一つも落とさないように、持ち上げて、新しい水を入れ替えた。
これで、竹も何とか週末までもってくれるか?
日曜は、七夕、神社に今年も納めに行くのである。