今日は私の準備が間に合わなくて、生徒さんに軸をお願いした。
ちょうど先週に軸の扱いのお稽古をしたので良いタイミングである。
軸はお雛様からの桜の絵から一行ものに代わった。
お軸の扱いの復習にもなったが、実際床の間に上がって軸の上げ下ろしをする機会はなかなかないものである。
弥生の次は、春来りておのずから生ずという東京女子医大学学長久慈先生に書いていただいたお軸である。
この軸は先生は、卒業生に書いてあげていた。
学生時代に頂き、この軸で毎日お茶のお稽古をしたものである。
コツコツ毎日学んで、稽古していけばその結果は自然に花開くという蘇東坡の教えである。
中国の偉い学者。
学長さんの想いも同じ、学んだことは必ず役に立つという卒業のはなむけ。
花は茶花、生徒さんが大事に育てたもの。
春は爛漫。
飯田橋も、桜がもう満開に近いものもあるので驚いた。
外堀通りの桜は見事に咲いていた。
まだ、千鳥ヶ淵まで行ってないが、この分では週末は満開だろう!
上級の方のお稽古は、釣釜で寒雲卓の後炭である。
輪胴止めと普通の場合と後炭は難しい、両方知らないと実際の時に役に立たない。
炭も奥が深い。
奥伝からというが、それでは遅すぎるように思う。
早くする方がよいのである。
昔からうちでは、濃茶に入ると炭が始まる。
炭は、灰型までお稽古する。
皆さん、もうすぐ春の伝授だが、余裕の方もいる。
初級中級の方は、向う切に入る。
置き炉は簡単に移動出来て便利である。
男性は、予定の生徒さんが赤ちゃんが生まれる事になり急きょ初釜の濃茶をかわりにすることになり、今から重ね茶碗をお稽古してくれている。
早すぎると思うだろうが、風炉ではあまりお稽古できない。
この二か月が最高のお稽古の出来る月。
毎年春は、来年に向けても動きだすのである。
なんでも、春はよい。
新しいお稽古もたくさん覚えられる。
今年は、釣り釜の後炭、軸荘、台目切、向切と重点をおき春の茶の湯を野点趣向で楽しみながら覚えよう。
あと2週間で、上級の生徒さんの奥秘、奥伝の伝授が始まる。
今日は生徒さんと坂上までお菓子や記念品を見に行った。
消耗品は教室にある新品のものという事に、
忙しい春の引継ぎが始まるが、嬉しい瞬間、若い人たちが巣立っていくのは素晴しい。
何時の間にこんなに上達したのと、教える私が驚くのである。
種を蒔けばいつかは、芽がでるという私の哲学。
小さくともそれは、正しい種なら大きく見事な実になる。
そう、春は種まきの季節、実りの秋まで頑張ろう。
引継ぎ茶会はもうすぐである!
今年も6名の方が行台子で師範、真台子で先生になります。
古典を学ぶことは、自分のお点前のルーツを知ること教養と歴史も分かり、自信が湧くものです。
引継ぎ茶会は、先生に確かに伝授されたという証明に、先輩方のまえで師に伝えられたものをもう一度披露します。
伝授は個人教授ですが、披露茶会は皆さんたくさんおります。
それもよい勉強です、春の毎年の行事。
嬉しい、楽しい私には学びです。