短期派遣原則禁止は働きたい人の就業機会を減らす? | 募集採用と労務の専門家☆愛知県一宮市の社会保険労務士 下島健一

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おはようございます。
募集採用と労務の専門家 下島です。
 
 短期派遣原則禁止は働きたい人の就業機会を減らす?
 
社会保障と税の一体改革は、衆議院は通過したものの、政治家の駆け引きが続いているため、参議院を通過してから論じたいと思います。
 
民主党内のごたごたに自民・公明が反発して、参議院で否決なんてことがあるかもしれませんので...(その確率は低いと思いますが)
 
仮に参議院で否決されたりすると、衆議院解散総選挙ってことになるんですかね?
 
選挙になると、消費税法案に反対した政党(議員)はともかく、民主・自民・公明は何を争点に選挙活動をするんでしょうか?
 
となると、橋本大阪市長率いる維新の会に追い風が吹くのかな?
 
前置きが長くなってしまいましたが、今回は短期派遣原則禁止の例外についてお伝えします。
 
短期派遣原則禁止の例外については、以前こちらでお伝えしたのですが、その後労働政策審議会で要件が少し変わりました(まだ決定ではありませんが)
 
労働政策審議会が言うところの30日以内の短期派遣原則禁止の例外規定の案を再掲します。
 
 短期派遣禁止の例外(提案) (1)高齢者(60歳以上)
(2)昼間学生
(3)副業として従事する者
(4)主たる生計者でない者

高齢者と昼間学生は分かりやすいですし、納得もするのですが、副業と主たる生計者でない者が分かりづらい。
 
そこで、労働政策審議会は、世帯収入を基準に副業と主たる生計者でない者を規定すべく案を出しました。
 
当初案は、世帯収入600万円でしたが、ここへきて、世帯収入500万円という案に変わりました。
 
要は、「世帯収入が500万円以上ある主たる生計者でない者(主に主婦?)は例外的に短期派遣で働いてもいいよ!」ってことです。
 
その心は「世帯収入が500万円以上なら、家計が安定しているから、超不安定な短期派遣で働いても問題ないでしょ?」ということのようです。
 
家計が安定している人が、「やった~、私は短期派遣で働けるわ!」って喜ぶでしょうか?
 
裏を返せば、以下の方たちは短期派遣NGです。
 
<1>失業中の主たる生計者(世帯主など)
<2>世帯収入500万円未満の主たる生計者でない者(主に主婦?)

そのうえで、厚労省は<1><2>のような方は、「安定的な働き方である直接雇用にしなさい!」と言っているわけです。
 
で、短期契約の場合でも「直接雇用の形をとる日々紹介ならOKよ~!」と言っているのです。
 
日々紹介と短期派遣の差は、雇用主の違いだけで、実態は何も変わらないと思います。
 
短期派遣 = 不安定な働き方
日々紹介 = 直接雇用だから安定的

こんな図式は成り立たないのです。
 
世帯収入500万円要件は、現場のことを全く知らない人(官僚? 有識者?)が出した案としか思えません。
 
<1>や<2>の方たちは、自分ができる仕事で就業条件に満足すれば、あまり契約形態にはこだわらない方たちです(僕の実感です)
 
正直なところ、日々紹介の方が分かりづらく(経験もないでしょうし)、面倒な契約だと感じると思います。
 
ですから、今回の世帯収入要件は、間違いなく<1><2>の方たちの就業機会を減らすものになるでしょう。
 
僕は、過去に<1><2>に該当する方たちと数多く短期契約を結びました。
 
「本当は長期契約がいい」という本音はあったでしょうが、「仕事が見つからなかったので、短期でも助かりました。」という言葉をたくさんもらいました。
 
派遣業界には、年越し派遣村、ネットカフェ難民など影の部分がありましたし、モラルに欠ける派遣会社もありました。
 
でも、派遣切りについては、派遣会社だけではなく、受け入れ先である企業(特に大手企業)の責任も重かったと認識しています。
 
厚労省が、本当に労働者のことを考えるなら、「正規雇用・直接雇用」と言うだけでなく発想の転換をする必要があるでしょうね。
 
一方で厚労省は社会保険を司る省庁でもあるので、保険料の徴収額を増やすには「正規雇用・直接雇用」と言わざるを得ないのだと思いますが...
 
次回は、短期派遣原則禁止の例外規定を現場の目でシミュレーションしてみたいと思います。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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