社会保険適用拡大法案が成立すると?(その2) | 募集採用と労務の専門家☆愛知県一宮市の社会保険労務士 下島健一

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おはようございます。
募集採用と労務の専門家 下島です。
 
 社会保険適用拡大法案が成立すると?(その2)
 
前々回、前回の2回にわたり、社会保険適用拡大の基準とパート労働者の置かれた立場の違いによってどうなるかを予測しました。
 
【タイプ1】扶養の範囲内が希望のためパート労働
【タイプ2】正規雇用希望だが、やむなくパート労働
 
ここまで書いておいて、今更な感じですが、社会保険適用拡大法案のコンセプトを書いてみますね。以下の2つです。
 
被用者でありながら被用者保険の恩恵を受けられない非正規労働者に社会保険を適用し、セーフティネットを強化することで、社会保険における「格差」を是正
 
社会保険制度における、働かない方が有利になるような「壁」を除去することで、特に女性の就業意欲を促進して、今後の人口減少社会に備える
 
(短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会の説明資料より引用)
 
これを読むと、僕は「なるほど! 素晴らしい!」と思います。
 
ただ、いかんせん今回の社会保険適用拡大基準では、このコンセプトが実現するとは思えません。
 
 パート労働者等への社会保険適用拡大の要件  (1)週20時間以上労働
 (2)年収94万円以上
 (3)雇用期間1年以上
 (4)企業の従業員数501名以上

適用基準が中途半端なんですね。
 
おそらく財界に配慮して、この案に落としどころが決まったのだと思います。
 
一見すると、多くのパート・アルバイトを雇用している業種(例えば、ファミレスチェーンやファーストフードチェーンなど)が、社会保険適用拡大の影響を受けそうに思えます。
 
しかし、前々回お伝えしたように、扶養の範囲内で働きたい人の多くは、社会保険が適用されない働き方を目指すことになるでしょう。
 
そして、それは社会保険料のコスト負担を避けたい会社と利害が一致するのです。
 
『法改正で社会保険料負担が大きくなりましたので、商品価格を上げさせていただきます。』
 
これが消費者に受け入れられるか? これで他社との競合に勝てるか? という話ですもんね。
 
社会保険適用拡大のコンセプトを本当に実現しようとするなら、商品やサービスへの価格転嫁は避けられないと思います。
 
さらに、消費税アップとなった日には...
 
ですから、会社と労働者が法の適用を避ける部分で利害一致するのではなく、「高い価値を生み出す」ために労使が一体となれるような社会にする必要があるのでしょうね。
 
そのためには、もちろん「法整備」も非常に重要ですね。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
 
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