K1 MAX決勝T観戦記
はてさて、普通の日記ネタはもうmixiに任せてこっちはとことん格闘技で行きましょうか。
昨日行われたK1MAXの感想をば
魔裟斗対小比類巻 80点
一勝一敗因縁の対決、ってことですがマサトが負けたのはデビュー直後。
日本人唯一のK1世界王者マサトと日本GPを危うく制したコヒ、ライバルと言うには差が開きすぎてますね。
でもまぁ日本人同士の試合らしい感情がぶつかるような試合になって良かったのではないでしょうか。
1,2Rはマサトがパンチで勝負したいのをコヒが前蹴りで距離を取ってローを狙う展開。
前蹴りは良かったけど印象としてはマサトかなぁ、と思ってたら3Rマサトがボディーを効かせたところにパンチを集めてダウンを奪って快勝。ダウン取らなくてもマサトなんだけだろうけどマサト微差での判定勝ちもなんだかなぁって感じなのでこれはこれで良し。
サワー対カラコダ 82点
サワーの高いガードをいかにカラコダがパンチで破るかの展開。
大した団体じゃないとはいえさすが元ボクシング世界王者やっぱりパンチは上手いですね、
タイミング良くパンチが入って1Rにダウンを奪えたのでかなり面白い展開でした。
結局サワーがローを効かせたところにカウンターパンチで一閃、その後鬼のようにパンチを浴びせてKO勝ち、本当コンビネーションが上手い、サワーの戦い方はすごく洗練されていて美しいです。
クラウス対ドラゴ 75点
ドラゴっていう選手はとにかく体の力が強いんでしょうね、打ち方は独特で大振りなんだけど早くて重そう。最後まで独特なリズムに翻弄されたクラウスが判定負け。
ブアカーオ対佐藤 82点
ムエタイの試合さながらのローとミドルの打ち合いでポイントを稼ぎあう展開を期待していたのですがブアカーオが付き合わずパンチで勝負、これは佐藤も意外だったんじゃないでしょうか。
おそらくダメージが残らない勝負方法を選んだんでしょう。ブアカーオの決定打は佐藤のミドルを掴んでバランス崩してからの左フック、キックボクシングの試合としては褒められた行為では無いけれど元ムエタイチャンピオンを語るぐらいなら言い訳は出来ないでしょう。
魔裟斗対サワー 85点
とにかく二人とも早かった。序盤はマサトがサワーの連打を許さずパンチを上手く打って若干有利かと思ったのですが3Rスタミナが切れ始めたマサトにサワーが変則的なジャンピングハイを軽く当てて効かせたところに圧力をかけてとりあえず倒した、パンチが効いたってわけはないと思うけどダウン取られても仕方ないでしょう。
ブアカーオ対ドラコ
この試合もブアカーオはパンチ主体みたいだった、編集されまくりだったのでよくわかりませんが。やっぱりブアは目が良いんでしょうね、大振りのパンチ、キックはことごとくかわしているようでした。ブアカーオが相手をあざ笑うかのように放ったバックスピンハイがちょっと下手で可愛かった。
サワー対ブアカーオ 85点
ふと気づけば去年と同じ組み合わせ、やはりこの二人今MAXでは少し抜けて強いんでしょう。この試合もパンチ主体で戦うブアカーオ。体の力で勝るブアカーオが押し気味の展開、サワーはパンチ大きいのは全部避けられて苦戦気味、クリンチ気味に懐にもぐりこんだブアから一瞬目を切ったサワーの死角からブアが放ったオーバーハンド気味のフックがクリーンヒット。
可哀相っちゃ可哀相なんだけどレフリーがストップかけたわけでもないのに集中力を切らしたサワーらしくないミスでしたね。
考察 とにかくブアカーオのクリーンヒットを食わない目の良さ、大振りのパンチを確実に当ててくる当て勘の良さ、相手を押し返す体の強さが目立ったGPでした。
確かにブアカーオは強くなりました、以前はほぼ使わなかったパンチを多用して、すべてのダウンをパンチで奪いました。マサトやサワーのようにコンビネーションが上手いわけでも、ボディを上手く打てるわけではないのですが、その目の良さを生かして力強いパンチをカウンターで的確に当てていました。
が、昨日のブアカーオを見ていて自分はなんとも悲しくなってしまいました、ブアカーオのミドルがほぼ見れなかったのです。
あの日本人にも、ヨーロッパ人にも、ましてやヘビー級の選手では決して打てないムエタイ独特のミドルキックの早さ、美しさ。あれが無いと中量級の魅力は半減では無いでしょうか。
いや、分かることは分かるんです、K1とムエタイは似て非なるものです。
3RしかないK1のトーナメントではある程度キックの試合に慣れた相手にローやミドルを効かせてKO勝ちすることはほとんどありません、当然ムエタイの試合のようにミドルを相手の腕が上がらなくなるまで蹴り続けるような時間もありません。1dayトーナメントという勝ってもケガをしたらおしまいの中でケガのしやすいキックを多用するのが得策で無いのも存じております。
ケガしにくく、ポイントも稼ぎやすく、一発入ればKOを奪えるパンチ主体で戦うのがこの舞台では有効なのは分かっています。
自分が危惧するのは、この先にあるのは選手の無個性化ではないか、という事です。
K1のヘビー級が最も楽しかったのは90年代前半の空手家とキックボクサーがそれぞれの個性を生かした戦いを繰り広げていた頃です。シカティックの鉄の拳と、空手家アンディフグのかかと落しに代表される多彩な足技と、ピーターアーツの全てをなぎ倒すようなハイキックが交錯した時代です。
今のヘビー級の選手はハイキックもかかと落しも全体重を乗せたようなストレートもほとんど放ちません。
総合格闘技が最も輝いていたのは2000年ごろまでの寝技と立ち技がそれぞれの領域で戦おうとしていた頃です。
今どんな格闘技の一流選手であったとしてもある程度はレスリング・ボクシング両方の技術を磨かないと良い成績は得られません。
どちらもK1にあるいは総合格闘技のルールに特化した戦い方が確立され、洗練された結果であることは重々承知です。
それでもこれらがもたらしたのは選手の均一化でありマンネリであったのではないかと思うわけです。
昨日のブアカーオの戦い方はムエタイのそれではなくK1選手のそれでした。
このまま全ての選手がK1にのみ特化した選手になってしまわないことを切に望みます。