今日は4月付定期異動の発表日だった。

周りは数名動きがあるけども、私自身は異動を回避した。

そう、“回避”。

昨年あたりから確実に射程圏内に入っているので、覚悟はしていた。

けれども、今回の異動に際して、実はひとつ自分に賭けをしていた。

もし異動になったら。

業務内容がまるで違う部署に配属されるので、余裕もなく、気づけば一年などすぐに過ぎてしまうだろう。

新しい仕事を覚えるのは素晴らしいことだし、幅を広げるチャンスでもあるのだけど、今の私にはなぜかそれは“リセット”とか“イチから出直し”という表現を伴ってしまう気がする。

でも、異動になればまず、それはそれで受け入れてゆくしかないし、私はそういうもんなんだろう。

そして、もし異動ではなかったら。

じっくり考えたいこと、たとえばこの先の自分のことについて、集中して考えるチャンスなのではないか。

いやむしろ、もう今考えなければチャンスを逃すかもしれない。

…この一週間は、なんだかずっとそんなことを感じていた。

そして今日、蓋が開いてみると、現部署残留だった。

自然と“異動を回避した”と言う言葉を使っていた。

そうか、私は異動したくなかったんだ。

よし、とことんじっくり、自分と向き合おう。

異動するよりもっとずっと大変だったりするかもしれないけど。



この言葉を使って許されるなら、“お年頃”ですから。