幸福理論を持っていた。
誰かから言われたのか、誰かを見て自分が思ったのか、テレビで言ってたのかは覚えてない。
どこかから手に入れたその理論を頭の真ん中に置いて生きてきたような気がする。
頑張ったら良い事がある。苦しいことの先に嬉しいことがある。絶望の後に幸福がある。
全部同じような意味だけど、私はずっとこの幸福理論を抱えて生きてきたと思う。
この幸福理論には悲しい事実が隠されている。
頑張ってもないのに良い事があったら、悪いことがある。幸せは不幸の前兆。幸福な時、その先に絶望が見える。長い幸福は、長い不幸を呼んで来る。
きっと誰でも幸福の後の絶望は嫌だと思う。私もそれだけは嫌だと思っていた。
だから苦しい方を選んできた。好きよりも嫌いを選んできた。楽しいよりも苦しいを選んできた。
幸福理論が正解なら、その選択の先には幸せがあるから。
でも今は分かる。この幸福理論は使わない方が良い。
皆当たり前に、この幸福理論を持っていると思っていた。けど、そんな事無かった。
幸せそうに見える人は、きっと誰かが作った理論なんかに縛られずに生きている。
頭からっぽで、馬鹿になって、軽く生きたい。
今まで覚えた全部、でたらめだったら~みたいな歌あったよな。あの気持ちが初めて分かった気がする。