福祉・介護を考える集いを開催

松田久子

 12月9日「認知症の人と家族の会」の大阪府支部代表の木寺喜義さんをお迎えして「福祉・介護を考える集い」を開催しました。40名を超える参加でした。
 オープニングは「親子エイサー」の沖縄舞踊があり、明るい雰囲気で始まりました。 

 冒頭、国の介護保険制度のたび重なる改悪で、要支援者の訪問介護や通所介護のサービスが介護保険の給付からはずされたことを報告しました。
 更に、今後は要介護1・2の方にまでサービス廃止が拡大されようとしており、「自立支援・重度化防止」を目指す為「リハビリの強要」や「訪問介護の回数制限」などが行われる問題点を提起しました。
 木寺さんは介護保険料が値上がりしていることに加え、サービスの利用料負担が一律1割から2割、3割負担が導入され、サービスを利用する人が減っていることを指摘し、サービス抑制を狙った制度改悪であると指摘されました。

<参加された介護事業所からの声>
・小規模デイサービスの方からは、度重なる介護保険制度の改変で経営が圧迫され続けている。「要支援」の方よりも介護報酬の高い「要介護」の方を優先的に受け入れざるをえないと、要支援の方が排除されている現実が報告されました。
・リハビリ型デイサービスの方は、「地域総合事業」が導入され、その結果要支援の方の来所が減った。利用者確保のため、職員の負担は増えるが入浴サービスの導入を検討せざるを得ないとの報告。
小規模事業所は、介護報酬の引き下げで経営が悪化しているが、「地域支援総合事業」の導入で更に厳しい状況に置かれていますとの訴えがありました。
・また父親の介護のために退職した女性は、細やかな支援ができるデイサービスの職員や、認知症で怒りっぽい父親を笑顔にしてくれた介護ヘルパーさんなど、その仕事に高い専門性を感じたといいます
それをきっかけに介護の仕事を始めたが、仕事にみあった社会的評価と賃金が支払われるべきだと待遇改善の必要性を訴えられました。

 改めて、一人一人の利用者に対応する小規模事業所の苦悩や介護職員の切実な思いを、国や市に強く働きかけていく必要性と責任を感じました。
 最後に木寺さんは、村議会議員をしていた時の体験を話され、自身も母が認知症になるまでは介護の事は殆ど知らず、村議会でも介護の問題は軽視されてきたと振り返ります。そして「介護の現場を知っている議員を議会に出すことは大事」「市政を変える。市には、国にもの申す姿勢が必要」と強調されました。
 集会を通して、介護される人、介護する人、そして介護職員の切実な声や思いを、枚方で33年間福祉・介護現場で働いてきた経験を生かして、市政に反映させ、市政を変えていく思いが更に強くなりました。




【「すずらんだより」第17号(2019年1月15日発行)より】