地域総合事業の開始で

介護の現場は?

―第5回学習会開催―

7月2日(日)枚方市民会館会議室で第5回「すずらんの集い」学習会を開催しました。今回は地域包括支援センター(高齢者サポートセンター)の方に来てもらいお話を聞きました。

 日常的な仕事の中味をわかりやすく話していただき初めて参加された方でも「よくわかった。勉強になった。」との感想がありました。介護について困ったとき、どこに相談してよいかわからない時は、まずは地域包括支援センターに相談して欲しいとのことでした。そして、この4月から始まった「介護予防・日常生活支援総合事業」(以下、地域総合事業)についても説明していただきました。

新たな越境介護問題

 後半のフリートークでは、地域総合事業を巡って行政書士さんからは仕事柄、介護事業者とのかかわりが多いが事業者の混乱ぶりの話がありました。他市に住んでいる利用者が

市デサービスを利用している

場合、これまでであれば、枚方市だけで手続きすればよかったものが、地域ごとの事業になったため利用者の住んでいる自治体に手続きしなければならなくなった。事業所の設置基準内容に変更があるたび、また処遇改善加算等は毎年申請が必要であり、事業所の事務負担が大変なことなどが報告されました。それが影響して他市からの受け入れを拒否する事業者が出てくることが危惧されます。

  介護認定に忖度?

 また介護事業所の方からは、「利用者の介護認定が軽くなっているのではないか」「『こんな重い状態なのに要支援?』っていう利用者がいる。」と話があり認定を公平にして欲しい。」など今の現状に批判でました。

政府が来年度から実施する『介護度が軽減されたら事業者や自治体に加算や交付金を増やす

制度』と連動しないか。また、「自立」を強調するあまり形だけの「自立」になりはしないか。私たちは今後、気を付けて見ていかなければなりません。

  尊厳ということ

 重度の認知症の家族を介護している方からは、「認知症になったら何もわからないと思われがちだが、ちゃんとわかっている。だからこそ少しでもより良い介護をめざしたいが今の制度では十分な介護ができていない。少しでも使える制度やサービスがあれば知りたいし、活用したい。」と話されました。
 また事業者の立場もわかるがまずは利用者の立場に立つことが大事との意見など様々な立場から話が出来ました

すずらんの使命は?
 「すずらんの集い」としても、今回の学習会を踏まえ、現場で起きている問題をつかみ、行政に伝え、市民にわかる説明をもとめていく必要性を感じています。行政として、その姿勢や責任が求められるし、利用者や事業者に限らず市民の疑問に答える市役所であって欲しいと思います