今回は言葉遊び的なお話。
人と人との関係って、意識下として、関係あるかないか、の排他的な2択しかないと思うんです。
その中でも、関係ある人と人には、
それぞれ「依存」であったり「利害」であったり「感情」であったり、さまざまなベクトルが存在してますよね。
もちろん、ベクトルなんで、単方向のものから双方向のものまで、色々あると思います。
ベクトルですから、大きさや太さもあるでしょうね。
この方向やら大きさが、両者バランスよく向かい合っていれば、均衡がとれた状態。
いわゆる、「良い関係」「さしさわりない関係」といえるのかもしれません。
均衡がなければ、「悪い関係」「しこりの残る関係」となるのかもしれないですね。
「不満」という感情でバランスをとろうとしてしまうのでしょうか。
さて、前置きが長くなりましたが、今回は「ギブアンドテイク」という関係と「ウィンウィン」という関係について、少しばかり考察をしたいと思います。
「ギブアンドテイク」
意訳すれば「お互い様」といったところでしょうか。
誰かに何かしてあげたら、その誰かから何かしてもらう。何か、の価値観が見合うもので。
これは対等な関係の象徴ですよね。
「ウィンウィン」
ビジネスのシーンではよく聞く言葉です。
取引について、どちらも利益が得られて満足である、状態のことです。
どちらも勝利者、ということですね。
この状態って誰が聴いても素晴らしいですよね。両者が満足しているわけですから。
本来、自由な商売取引とは、すべての取引でこういう状態なはずなんですよね。
少し話がそれますが、
まぁ、日本人の悪い習性といいますか、
このやりとりの中に、義理や人情など、感情を入れてしまうんですね。
合理的に考えれば、両者が損する取引も実在するという意味不明な状態ですね。
まぁ、両者の関係がその取引のみで完結するものではない、という「取引の外の環境」にも関わってくる話なんですけどね。
本題に戻ります。
「ウィンウィン」って「ギブアンドテイク」の中のとても良い状態を指しているのかもしれませんね。
(※筆者は実はそう思っていませんが、それはまた別の話w;)
でもこう思うんです。
「ウィンウィン」は「世代」を隔てた関係では存在しないのではないだろうか。
ふむ。
「社会」という大きな組織があります。
これには色んな考え方がありますが、
「社会」という単位の組織を「後世に残す」という意識や役割があるものだ、と言えると思います。
その中で「後世に残す」、これはつまり世代間での関係・取引ということですね。
国際社会、日本社会という大きな枠組でなくてもいいです。
学校の部活や、ブレクロでは兵団、ドラネスではギルドでしょうか。
ここでの関係には
「先輩から後輩へ残す」という取引のベクトルがあります。
これはおもしろい感覚ですよね。
最初に議論していた、通常の間柄を図にすると↓
10→
Aさん Bさん
←10
※数値は利益の大きさをイメージしています。
とバランスがとれた状態なのですが、
後世へ残す、という間柄は↓
Zさん 10→ Aさん 10→ Bさん
と、バランスをとっている状態なんですね。
どちらの図も 10出て行って、10入ってくるので、バランスとれてるでしょう?
ふむ。
社会人になったら、良い先輩からこういわれることも多いと聞きます。
「先輩の俺達がおごってやるよ。なぁに、気にするな。そのかわり、
俺達がお前たちにしてやったことは、お前たちの後輩にしてやるんだぞ。」
ふむ。
親から受けた恩は、自分の子に返せ。
ふむ。
それぞれ、別の形の間柄ですよね。
それぞれでちゃんとバランスがとれているわけです。
ただ、後世へ残すパターンには、互いにやりとりするパターンとは違って、大きな落とし穴があります。
量が不透明、ということです。
上の図でいうと、「Zさん → Aさん」の大きさが10であることは、Bさんにはわからない、というところですね。
人間関係が悪くなる原因の1つに、この辺りが関係してそうですね。
この観点から、まとめましょうか。
・間柄に対するベクトルの大きさが不均衡だと不満になる
・そもそも間柄の大きさに対する価値観は、人それぞれ違う
・間柄には「当事者のみのパターン」と「後世へ残すパターン」があり、
現実には、しばしば混同される
人間関係のほんの一部分ですが、
こういう「関係」の「方向」と「大きさ」について、少しでも頭の片隅にあれば、
関係が悪くなる前に、何らかの対処がしやすくなるかもしれませんね。
後世へ残すパターンでも、ウィンウィンの関係を実現できるといいですよね。
すべてのギブアンドテイクをウィンウィンにしましょうよ。
ーおわりー