康安寺シリーズ、異次元カウンセラーシリーズと、この大山鷹一郎の不思議捜査シリーズが僕のシリーズものです。
地方のいち警察である川北署に勤務する大山鷹一郎、羽間賢信の前に、通常の捜査では解決しえない不思議な事件が起こります。
大山は源頼朝の転生であり、羽間は頼朝に仕えた佐々木盛綱の転生です。
そして大山の恋路と白水かおるは、北条政子の転生という設定にしています。
つまりこのシリーズは、過去にあった無念などの浄化でもあり、伝説の妖怪を紐解くという形になっています。
今回は九尾の狐に関するミステリーです。
九州の地方都市である川北市で連続殺人事件が発生。
天原剛助と堀田精一が斬殺遺体で各県される。
県警部長刑事の大山は事件を追うが、奇妙な現実に戸惑う。
この事件は九尾の狐が全ての鍵になっていた。
平家の落武者の村には九尾の狐絵や玉藻前、黄金の狐像などが祀られており、村人は自分たちは九尾の狐の子孫だと信じて疑わない。
大山はこの子九村出身が堀田と緑川太郎であり、若い頃これらを盗んで現金に替えたことを知る。
しかしそこには中国青幣も関わっており、複雑化していく。
やがて事件は収束に向かうが、その終点は意外すぎるものだった。
南総里見八犬伝で玉藻前を攻めた須藤定信、三浦義明、千葉常胤、上総広常は、それぞれ緑川、川原、天原、堀田の祖だった。
このことを知った大山は、被害者だと思われていた緑川小百合がこの事件の本質かもしれないと考え、再度調べていく。
九尾の狐、玉藻前、鳥羽上皇、崇徳上皇、北条政子、源の義経、源頼朝、平清盛らも登場します。
平安の世から鎌倉武家時代へ移行する際の怨念が現代まで継続していく、という物語です。