古事記に登場して、イザナミを火傷させたとする日の神「カグツチ」に関するお話です。

この物語は、九州の県警川北署の刑事・大山鷹一郎と私立探偵・白水かおるを中心に、連続猟奇殺人事件の捜査と、彼らが巻き込まれる神秘体験を描いています。

 

事件の発端は、ツアーガイド会社代表の山田都志春の自殺(他殺疑惑)であり、彼の家族や関係者を巡る複雑な人間関係、国際的な犯罪組織、そして古代神話「カグツチ」にまつわる謎が絡み合います。

かおるは夢の中で祖父から「文吉」という名前を告げられ、母との会話や家系図の調査を通じて、ハワイにルーツを持つ親族の存在を知ります。

かおるは運命に導かれるようにハワイへ渡り、現地で日系人のロバート・ハラシマやヒーラーの広沢紫音と出会い、魂談(スピリチュアルな対話)を通じて「マナ」の力と火の神ペレの力を得ます。

一方、日本では大山と羽間刑事が、山田都志春の死の真相や、熊代商事という企業の闇、国際的なメタンハイドレート違法採掘事件、そして「カグツチ」と呼ばれる謎の組織の存在を追います。

調査の過程で、熊代商事の所長・ヘンリー隆一が複数の国籍・顔を持ち、整形を繰り返していることが判明。彼の正体は台湾人留学生・洪志明であり、過去の恋人の死をきっかけに復讐心を抱き、国際犯罪に手を染めていたことが明らかになります。

物語のクライマックスでは、洪志明=カグツチが熊代商事で超常的な力を発揮し、火災と爆発を引き起こします。

かおる(ペレの力を得た毘沙門天の転生者)と大山(源頼朝の転生者)は、魂と力を結集して洪=カグツチと対峙し、最終的に洪は恋人の魂に導かれて成仏します。

 

本作は、現代の刑事事件と古代神話、転生、家族の因縁、国際的な犯罪、スピリチュアルな力が複雑に絡み合うサスペンス・ファンタジーです。

主人公たちは運命に導かれながら、個人の使命と愛、そして過去からの因縁に向き合い、事件の真相と自らの役割を見出していきます。

戦後日本における混乱期を描いてみたかったこともありますが、ある意味実体験でもあります。

僕の父親は自動車販売を行っていましたが、その際の色んな要素を転換して書いています。

この狭い地域でなぜこんなに奇妙な事件が頻発していくのかは、頼朝転生である大山の目覚めと大きく関わっています。