ルネサンスから20世紀の時代を彩った、西洋画の巨匠たちの、たくさんの名画が、全国の美術館で見られる事は余り知られていない。
名画の企画展が来れば、皆に遅れじと、殺到するが、以外と近くの美術館に、名画があっても行かない人が多いのは何故か。
人混みにもまれ、人の頭越しに絵を鑑賞しても感動は生まれない、余裕を持って鑑賞し、その名画と一人向き合ってみよう。これまでにない感動が生まれること間違いない。
さあ!出かけよう!時代を創った巨匠たちの待つ美術館へ。
今回は前回やった印象派を除いた、ルネサンスから20世紀の巨匠たちの名画を時代と共に追ってみよう。
先ず人間復興、つまり古典文化の「再生」芸術運動と言われた【ルネサンス時代】
ドメ二コ・ギルランダイオ『ジョヴァンナ・トルナブォー二』(東京富士美術館)金髪の質感や柔らかい肉付きの描き方は秀逸。
ねじれた人体や明暗の強い対比【マニエリスム
エル・グレコ『受胎告知』(大原美術館)ねじれた人体曲線を活用した複雑な構図、明暗の対比マニアリスムの典型的な絵画。
華やかな装飾的絵画【ロココ】
ブーシェ『ヴィーナスの誕生と勝利』(東京富士美術館)繊細優美な風俗画。
歪んだ真珠、光と影を演出したダイナミックなタッチが特徴の【バロック】
ルーベンス『眠る二人の子ども』(国立西洋美術館)二人の寝息まで伝わってきそうな写実感あふれる作品。
レンブランド『広つば帽を被った男』(川村記念美術館)見るものに何かを語りかけてくるような作品。
劇的な事件を表現する【ロマン主義】
ドラクロワ『聖母の教育』(国立西洋美術館)ドラクロワには珍しい平穏な絵。
ターナー『インヴェラレイ城の見えるファイン湾』(山梨県立美術館)透明感の在る優雅な水彩表現の作品。
古代への回帰【新古典主義】
ダヴィット『サンーベルナール峠を越えるボナバルト』(東京富士美術館)彫刻のような作品。現実からかけ離れた作品。
アングル『若い女の頭部』(ブリジストン美術館)若々しさにあふれた女性像は秀逸
黄金様式の時代【世紀末】
クリムト『オイゲ二ア・プリマフェージの肖像』(豊田市美術館)鮮やかな色使いと大胆な筆致が、クリムトの特徴。
ロートレック『ムーラン・ド・ラガレット似て』(ポーラ美術館)歓楽街の多様な人間模様を描く
現実からかけ離れた色彩【フォビズム】
マティス『ラ、フランス』(広島美術館)赤、白、青で描いた、つまりフランスの国旗。
多視点から描く【キュビズム】
ピカソ『ドラ・マールの肖像』(徳島県立近代美術館)ピカソの恋人ドラを描いた作品
見えないものを描く【表現主義】
ムンク『嫉妬』(出光美術館)孤独を表現した作品。
夢や無意識の世界を描く【シュルレアリスム】
マグリット『真実の井戸』(富山県立近代美術館)マグリットの作品は、作品名と絵が全く一致しないものが多く、題名が独立している。
パリのエコールドで集まって描いた画家【エ・コールド・パリの住人たち】
モディリアーニ『おさげ髪の少女』(名古屋市美術館)まっすぐにこちらに向けられた目が観る者を惹きつける。
シャガール『枝』(三重県立美術館)植物の枝のように新しい生命育む成長のイメージ。線や色などの造形要素で表現する。
ユトリロ『アングーレームのサン・ピエール大聖堂』(ひろしま美術館)建物も雲も、人も制止して見えるこれがユトリロの特徴。
マリーローランサン『婦人像』(北海道立近代美術館)明るい色調で知られているローランサンとは違った哀しい様な暗い雰囲気の作品。
キスリング『オランダ娘』(大阪市立近代美術館)民族衣装を着た肖像画が当時の流行。
アメリカ中心に、ポスター、マンガ写真などをイメージし、それを素材とした前衛美術【ポップアート】
リキテンスタイン『フレーム』(原美術館)少し離れて見ると立体感が出てくる作品。
アンディ・ウォーホル『撃たれた大統領』(原美術館)ダラスで起こったケネディ暗殺事件をテーマにした作品で、実際の写真を基に作られたシルクスクリーンシリーズ。
以上駆け足で日本にある名画を追ってみたが、ここに挙げたのはまさに氷山の一角。
全国の美術館、博物館、個人所蔵、企業所蔵を含めると相当な数の名画が日本にあるのは間違いない。
いつか機会があったら、また名画を追いかけて観たいものである。
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