タクシーにまつわるファンタジー







☆ ☆ ☆ ☆







食事をした帰り、タクシーを拾う。

二人で乗り、先に私のマンションへと送ってくれる事になった。









夜の街をタクシーが滑らかに走って行く。こんな時は少しでも渋滞して欲しい。



二人の時間の砂時計が減って行く気がした。









私の携帯が鳴った。

着信は仕事の取引先。ほんとは出たくないけど、と思いながら頭を切り替え電話に出る。









相手と話しているといきなり、右手に手が重なって来た。











あなたを見ると手を繋いだまま素知らぬふりで窓の外を眺めている。











電話を続けていても手は離れない。今度は指を絡めてくる。











運転手を見ると気付いているのかいないのか、わからない。







あなたの指はまだ私の指をもてあそぶ。

体は窓際に足を組んだまま、笑いをこらえて。







顔があつくなる。







なんとか平静を装い電話を済ませたら私のマンションの近くまで来ていた。









タクシーが止まる。









ここでいいです!









無理矢理あなたごとタクシーから下りた。









「あ!タクシーいっちゃったじゃん。」



と言うあなたに言った。









さっき驚かせた罰よ。

今日は私とずっと付き合ってもらうんだから!









少し間を置いてあなたは言った。









「いいよ。じゃあとことん付き合ってやろうじゃん。」









見つめたあなたが私の手を取る。

さっきと違い、強く手を握って。そのまま、エントランスへと進み、エレベーターに乗り込む。私の部屋の階にすぐに着いた。









部屋を開けるなり、あなたがすぐに言った。







「じゃあ、どうすればいい?」





少し微笑みながら言うあなたに腹が立つ、でも、完全にあなたのペース。

こうなるともう、何も言えなくなる。











うつむいた私に、大きな手で髪を優しく撫でてくる。









抱き寄せられたら力が抜けてく。









罰ゲームはまだ始まったばかりだ。