桜にまつわるファンタジー







☆ ☆ ☆ ☆







葉桜、そよそよ風が吹いて花びらが舞い降りていく。









木の前に立って、その様子を微笑みながら見ているあなた。









大きなパーカーから長い腕をかざして。









この時期は、あっという間に過ぎて行くね。



はかないね。











あなたは言った。

「満開の時よりも、花びらが風で落ちて行くの見てる方がキレイだなって思うな。」









もっと見たかったわ。









「見に行く?」









どこに行くの?









「北に向かえば桜を追いかけれるよ。」









素敵ね。でも今は時間が・・・。と言ってしまった自分に後悔して、言葉をのんだ。

今を二人で過ごしてるのも時間なのに。









「じゃあ、来年は絶対見に行こうな。」







優しい声。







あなたを見ると太陽で眩しくて、笑顔の輪郭だけがぼぉっと見えた。









差し出された手を掴むと冬の頃より温かだった。



二人で並木道を歩く。





日差しも変わり、季節は待ったなしでどんどん進んで来ている。









その時、大きな風がふいた。



ぶわっと花吹雪が舞う。大きな笑顔を隣で眺める。





頭に付いた花びらをお互いに取り合った、微笑みながら。