ドアを開けるとほんとにあなたが立っていた。
肩で息を切らして立っていた。
私は何が何だかわからずに玄関で一瞬沈黙した。
中に上がって貰おうと思った次の瞬間、突然抱き寄せられた。
折れるかと思う位、きつく抱きしめられた。
あなたから香水とタバコの匂いがした。懐かしい匂いだった。
抱きしめる腕、肩のライン、体ごと覚えていた。
忘れられる訳が無かった。
押さえきれずに涙がこぼれた。
泣きながら、彼の背中に手を回し抱きしめた。
彼が言った。
「お前を一人にさせて悪かった。」
「俺、決めたから。」
「何があってもお前をずっと守ってく。周りにはなんも言わせねえ。」
「今度はもう絶対に離さない。これからも大変かもしれないけど、着いて来てくれるか?」
あなたの目を見て頷くのが精一杯だった。
夜の空の下、部屋に掛けられたひまわりの絵も微笑んでいた。
二人で過ごす冬が再び始まった。
終わり