その日は彼のよく行く会員制のバーへやってきた。
狭い裏路地にひっそりとその店はあった。一見営業してるのかさえわからない店だった。
マスターとは顔馴染みで、プライベートも守ってくれるらしい。
個室で二人で楽しく飲んだ。店を出たのは明け方近かった。
店を出て狭い裏路地を歩いている時だった。
一瞬の事だったのでわからなかった。
路地の十字路になっている所に差し掛かった時、バイクのエンジン音が聞こえた。そして私たちの前に猛スピードで突っ込んできた。
彼が咄嗟に前に出ようとしたが遅かった。
私の目の前にバイクが見えたので避けた拍子に体が滑ってしまった。
スローモーションのようにそのまま地面に肩から落ちた。
その時見えた光景は、二人乗りのバイク、同乗者の持っていたカメラのフラッシュが連続で光っていた事だった。
肩に激痛が走った。