帰りのタクシーの中で色々と話をした。
雄輔はわたしの海外に行ったときの話を聞きたがった。
私が話してると、こちらに体を傾け、熱心に「うん、うん、」と頷いてくれた。
雄輔はいつも、そうだった、叔父夫婦と話すときも椅子を話す人の方に傾けて
聞いてくれる。自分の話ばかりをするタイプではなかった。
こんな無意識の仕草が彼の品性なのだろうと、好ましく感じた。
私が地中海で見た海の話を聞いて、彼はこう、応えた。
「海、最近言ってねえーなー。あ、今度、海に行こうよ!いい場所知ってるからさ!」
「もっと海外の話も聞きてーし!」
私は笑顔で承諾した。
「じゃあ!決まり!今度迎えにいくから!。」
私の家の前でタクシーを止めて笑顔で別れた。
秋の夜だった。