「こんにちわー!」
「叔父さん、叔母さん、今日はいるの?おいしそうな饅頭あったから買ってきたんだけど!」
まるで長年通い詰めている家のような様子で彼が入ってくる。
「お客さんいないんだったら、みんなで食べようよ!」
「俺、お茶飲みたいな。」
彼の言葉には、何故か周りの人の顔がほころばせるものがある。
「じゃー、そうしよっかー。」
笑顔で顔を見合わせ、叔父夫婦も応える。
4人でお茶を囲んだ。
彼の名まえは雄輔といった。役者だった。
子供のいない叔父夫婦にとって彼はもう息子同然の存在となっていた。
「ねえ、雄輔、今度はいつこれるの?」叔母が尋ねる。
「おいしい中華の店があるから今度みんなで行きましょうよ!」
「あ、行きたい!俺、中華、好きなんだ!」
「行ったらエビチリ食いてえな!」
笑顔で応えた。
「じゃあ!中華で決まりな!4人で行こう!」
叔父も喜んでる。
私もうれしかった。
このときはまだ、気づいていなかった。
自分の中で彼に特別な感情が芽生え始めていた事を。