「いかがでしたか。何か温かいものでもお持ちしましょうか?」
そういうと彼は答えた。少し高めのハスキーな声だった。
「いえ、結構です。実は外をぷらっと歩いてたら、なんかここ感じがいいなーと思って、入ったんです。」
「そしたら夢中になっちゃって!俺、絵のことなんかまるっきりわかんねーけど、
書いたり見たりすんの好きだから。」
と笑顔で答えた。
なんて快活な話し方なんだろうと感じた。
この人は人に対する、誰でも始めは少しはある、警戒心や疑心が無いのだろうか。
でも、それを隠していい人をしている様でもない。
突然私の中で浮かんだのは青空だった。
大きくて、心の中まで澄み渡っているように見えた。
彼の瞳を見てそう思った。
「また、よかったらいらしてくださいね。」
そう言うと
「ありがとう!また来ます」
と笑顔で応えてくれた。
青空の人は去っていった。
それから彼は、度々、訪れるようになった。