星空にまつわるファンタジー
☆ ☆ ☆ ☆
二人で昔よく来ていた夜景のきれいな公園。
小高い丘の上にあって、見下ろすと、港の船の明かりがチラチラ光ってる。
耳が冷たくなる冬の空の下、あなたの運転で久しぶりにここにやってきた。
こちらで仕事に来たみたいだから、少しの間だけど時間が作れた。
コンビニで私が二人分の飲み物を買った。私はミルクティー、あなたはカフェラテ。カイロ代わりにお互いの膝において運転して行った。
「あー久しぶりにやってきた。」
車の中で微笑みながら、両手をめいいっぱいに伸ばすあなた。今日は寒いから星がよく見えるねって話しながら。
私は前日から風邪気味で、くしゃみが出た。
「大丈夫?」
うん、大丈夫よ。
「これ着ろよ。」
来ていたダウンを脱ごうとしてる。
いいよ、大丈夫だから。
「いいから、着とけよ。」
ギュッと押し付けられた。
ダウンを着ると、まだあなたのぬくもりが残っていて、タバコの匂いがした。
ありがとう。
そういって微笑んで、パーカーだけになったあなたに自分のマフラーをはずして
巻こうとした。
「いいからっ!」
いいって! なんか、交換みたい。強引にあなたに巻いて、巻き終わった時にマフラーをちょっと引っ張って、あなたの頬にキスをした。
「何すんだよ!」とビックリしてる。
キスしたかったの!なにビックリしてんのよ。照れてるの?
驚くあなたがかわいくて意地悪言いたくなる。
「覚悟しとけよ。」
あなたがドキリとする瞳で言った。この瞳には逆らえそうになかった。
あなたの唇が触れる。優しく。
カフェラテのキス。耳にも。肩にも。
あなたの肩越しに星空が見えた。
星空だけが見守る中で、
二人の吐息で、車のガラスが白く曇っていった。