バスルームにまつわるファンタジー


☆ ☆ ☆ ☆



誰もいないアスファルト、LED がぼーっと点滅している真夜中、




忙しさに心奪われる事なく毎日を走っているあなたに出来る事は何だろう?と思いついたのが、私がいつも美容院でやってもらっているヘッドマッサージだった。




乳白色のアロマバスに浸かりながら大きな腕をバスタブから出してる。私は外から部屋着の白のプリントワンピを着たままマッサージ。


カラーで犬の毛のように固くなった髪の毛に、トリートメント付けながらマッサージ。耳の横から頭頂部へ両指をながし、襟足から親指で持ち上げる。

「すげー気持ちいい、」

「お前、うまいな-。」って喜んでくれてる。


湯気に包まれながら今日一日あったことをぽつり、ぽつりと話してくれる。ゆっくりとした時間が流れた。




トリートメントを流そうと蛇口を捻ると、間違えてシャワーからお湯が出てきた。

よけた拍子によろめき、小さな悲鳴を上げて足を滑らせそうになる。
あなたが身体を素早く起こして支えてくれた。



少し浴びたシャワーとあなたが支えてくれたからワンピはヒタヒタになってしまった。

服が濡れちゃったわ。

「お前、危ね-じゃん、ってかびしょ濡れじゃん。」
って大笑い 。

笑い事じゃないでしょっていい終らない内に、


「じゃあしょうがねぇなあ」
って体に手が回りバスタブに入れられてしまった。

何すんのよ!

「だってもう一緒じゃん!」
笑って取り合ってくれない

服が重いよ。

「その方が色っぽいよ」

いたずらな眼で言わないで 。


服着て入ったのなんて初めてよ!

私の言葉に答えずにあなたは、
「眼に何か付いてる」
って瞼に指を向けて来た。
「眼つぶってみ?」
眼をつぶると両手が肩に置かれた。




睫毛に触れるか触れないかのキスをされる。


右にも、左にも。


頬にも。


首筋にも。



何度もゆっくりと優しく続いてく。



眼を開けると濡れたあなたは人魚みたいで。



シャワーは出たままで。



でも、温かい雨みたいで。


二人を優しく包み込んでる。




こんな雨ならしばらく降り止まないで。