ライヴにまつわるファンタジー



☆  ☆  ☆  ☆
とても楽しいライヴだった。みんなで盛り上がって、ひまわりを付けてるあなたを見た。楽しんでいる姿が何よりだった。



だから寂しくなかった。ライヴが終わって帰り道の渋谷を一人で歩いても、渋谷のホームであなたの大きな写真を見ても。



なのに、なんでだろう。新幹線のホームで待っていたら、急になみだが込み上げてきた。
今日まで近かったのに、これに乗るとまたあなたと遠くに離れてしまうと思うと、悲しくなってきて、ぽたぽたとなみだがこぼれ落ちていった。


一人泣いているとあなたの着信が入った。
帰る時間は言っていた。
忙しいのがわかっていたし、来てもらおうなんて思ってもいなかったから。


近くにいるからと言われて指定された場所まで歩く、どんどん道ゆく人が消えてゆく。ひっそりとした場所にその扉はあった。


「みんなに迷惑掛かるから出入りはここになったんだ。」
とあなたが言っていた、


その扉は有名人らが駅を移動する際に混乱を防ぐ為に使われるらしい。



扉を開けるとあなたがいた。手を引かれて歩く、誰もいない角まで。



びっくりしたよ
って笑ってごまかしたけど、私はさっきまでホームで完全に泣いていた。



あなたの目はじっとこちらを見つめていた。



何も言わずに抱きしめられた。きつく、きつく。
あなたの胸元で。



「ごめんな」ってつぶやいた。
あやまらないで



あなたがポケットから何かを取り出した。



昨日のライヴで手首にしてたひまわりだった。



私の手首に通してくれた。少し微笑みながら。


少しの時間でも煌めくような二人だけの再会だった。