先生にまつわるファンタジー


☆  ☆   ☆  ☆


ゆうチャンセンセ、





国語教師 29才独身、背が高くて、黒縁メガネ





ゆうチャンセンセの授業は型破りだ。時には課外授業なんかもある





この間は近所の運動公園にいって、新緑の下で授業をした




他の先生はあまりよく思ってないみたいだけど、私は先生の教えかたが大好き。

形どうりの教え方ではなくて、ホントに大切な物は何かを教えてくれるような気がするから。

本が苦手だった私も今は大好きになった。並行するように、国語の成績も上がって行った。





他の生徒達にも人気があるみたい、昼ご飯の時の先生は引っ張りだこ。必ず生徒達とご飯食べてるの。私も何度か食べた事あるけど、先生と食べるとなぜかご飯がおいしい。




お昼休みには男子生徒に誘われて、野球やバスケやってる、スポーツはなんでも得意みたい。




他の先生に注意されたらむかつく事も、ゆうチャンセンセならなぜだか素直に聞き入れられる。




なんだか同級生みたいな感じ、





ゆうチャンセンセはいたずらもよくされる、嫌いでされるそれとは違ってみんなセンセに自分を見て欲しい見たい。

それになんといってもリアクションがおもしろいの。センセには悪いけど、目を丸くして、身振り手振りが物凄いオーバー!
「お前ら、やめろよ-」って顔をクシャクシャにして、何か小動物を見てるみたいで、微笑んじゃう!センセごめん。




だからみんな親しみを込めて「ゆうチャンセンセ」って呼ぶ、センセは「ちゃんと苗字で呼べ-!」っていうんだけど。





放課後、ゆうチャンセンセを見かけた、センセの驚く顔が見たくなった私は後を付けて行った。





センセは音楽室に向かって行く。なんでだろ?とりあえず後ろを歩く。




音楽室に入ったセンセ。よし、ここで驚かしてみよ!と私も中にゆっくり入る、誰もいない?あれ?




すると準備室からセンセが出てきた。




とっさにグランドピアノの下に隠れる。




センセは一人でカーテンを閉めだした。いつもやってるみたいに慣れた感じで




そしてメガネを外しながらグランドピアノへ向かってくる!




やばい、見つかった?!


息を殺す。



しかしセンセは私に気付いた様子はなくピアノの椅子に腰掛けて、ゆっくりとピアノを弾きはじめた。




センセの弾くピアノはプロには程遠いけど、なぜか落ち着く感じがした。




例えるなら夜の海。




波が寄せては返す砂浜




月も星も泣き出す位の甘い旋律





センセが閉めたカーテンの隙間から西日がさしてる。




西日に舞い上がる埃が照らされて、金色に光っている。




天使が降りてきそう。




ぼーっとそれを眺めていた時だった。
私のポケットに入れていた携帯がなった。




ピアノの音が止まる、




一瞬で空気が張り詰める




「誰?」




どうしよう?隠れてたのがばれちゃった、もうここは、明るく出て行って紛らわすしかない!




脳裏を沢山の思いが駆け巡った。




じゃーん!私でした-!




椅子の横から顔を出した




「お、お前、こんなとこで何やってんだよ-!」

驚きを隠せないセンセ。




センセをびっくりさせようと後を付けたら音楽室で、そしたらセンセがピアノ弾き出して・・。それにしても、センセ弾けるんだ-。すごいね-!




「あ-!誰にも言うな-!大人になって始めて、家にはでっかいピアノないし!」




「どうしよっかな~♪」




「た、頼む~!」




必死で、両手を合わす先生。リアクションが大きくて私の顔に当たりそうになる、思わず避けた。

背後に壁がなくて体がよろめく。



その拍子に鍵盤に手を付いた。




不協和音が鳴り響く。




「大丈夫か?!」




慌てたセンセが急いで腕を掴んて引き戻す。




引き戻す力が強すぎて、センセの間近に来てしまった。




思わぬ至近距離、

動揺する。





センセをこんなに間近で見るのが初めてで。




近くで見るセンセは以外とがっちりしていた、

やっぱり男の人なんだ、と呆然と感じていた。




「おい、大丈夫か?」




心配そうにこちらを伺うセンセ、メガネかけてないのは初めて見た




大きく、潤んだ瞳。心配そうに私を見つめる。




どうしよう、




私の胸が騒ぐ。




なぜか動けない。




先生も目を逸らそうとしない。




時が止まりそう。




おもむろに、センセの大きな手が近づいて来た。




もう緊張の限界、瞳を閉じてしまう。




頭に大きな手のふわりとした感触がした。





ぽんぽんと優しく叩かれた





「暗くなるから、早く帰れよ」




センセの優しい声がした。