地図でだけ知っていた、歩きだとちょっと遠い公園まで散歩。
梅雨の晴れ間、久しぶりに長く歩いた。
小さな公園が幹線道路の下にこぢんまりとあり、木漏れ日の中、木製の遊歩道が心地よくくねっている。
小さな池に近づくと、大きな音を立てて蛙が水に飛び込んだ。水は澄んでいて、水底の泥の中を泳いでいく蛙の航跡が池の中心に向かって逃げて行った。
蛙の姿は見えなかった。
公園の奥の方へ行くと、石垣に囲まれた小さなプールに二筋の水が落ちている。
『仙波の滝』と言うそうだ。
丁髷をした人が、石垣の横にある団子屋の前に立っている古い写真が貼ってあった。写真は雨と陽に晒されてぼろぼろになっている。
昔は旅の途中、足を洗って一服する場所だったのだろう。
目を上げると龍神様が祀ってあって、その裏手に細い丸太で土止めされた急な階段があった。
上がりきると国道254号のすぐ脇に出る。
そこからまた『愛宕神社』へ登る石段を上がってお参りをした。
愛宕神社の裏に回ると、雷で焼けた立木があった。
ぞくっとするほどの静かさに、背筋の汗が冷えた。
ふと目を上げるとクロアゲハが飛んでいる。初夏のアゲハは、春先のものよりちょっとだけ大きい。
何度も上を通り過ぎるアゲハを、私は暫く黙って見ていた。




