昨日、飼っていたコリドラスが死んだ。
コリドラスとは、南米に広く分布するナマズの仲間の熱帯魚だ。
水槽の底を、エサを漁りながら泳ぐ地味で動きも少ない魚だが、よく見るとなかなか愛嬌のある顔をている。
一時は、60センチの水槽に数種類の熱帯魚と水草で、ちょっとしたアクアリウムを作ったりしていたが、ここ数年は、水槽を30センチと小さくしていた。魚も、種類の違うコリドラスを数匹。
そして、この2年ほどは、昨日死んだコリドラス1匹だけになっていた。
コリドラスは群生する魚なので、1匹だと淋しがると言われていだのだが、見た目では1匹になってからとてもノビノビと暮らしているように見えていた。
私が、勝手にそう思っていただけで、本当はコリドラス自身は淋しかったのかも知れないが……。
昨日の夜、嫁さんがエサをやろうとしたら、コリドラスは水槽の手前にじっとしていてピクとも動かない。
「あれっ!」
嫁さんが、水槽の手前を指の背でコンコンと叩いている。
「どうした?」
「死んだかも……」
家に来てから5年以上経っていた。
小魚にしては、相当な長生きだったと思う。
会話もスキンシップもない小魚だが、水槽を片付けた空間を眺めていたら、けっこうな喪失感に襲われた。
布団に入って蛍光灯を消すと、いつも聞こえていた微かなモーターの音と、ぴちょぴちょと言う水が落ちる音が無くなっていることに気付いく。
部屋がとても静かになっていた。
