23日、川越の氷川神社。氷川会館の一階にあるフロワベールというケーキ屋さんで、ブッシュ・ド・ノエルを買った。私の中で、今、一番美味しいケーキ屋さんだ。
ケーキを買いながら、私が小学校5年生のクリスマス前日、家族で長崎屋に買い物に行った時の事を思い出した。
前年、大洋デパートが火災でなくなり、当時熊本には、他に鶴屋と岩田屋伊勢丹と言うデパートがあった。長崎屋は少し寂れた感じで、少しずつ客足が落ちていて、数年後には完全閉店になる。
そのとき何を買ったのかは忘れたが、長崎屋は衣料が専門だったので、恐らく新年に着る服でもかったのだろう。買い物のあと福引き券を数枚貰ったので、福引きのコーナーに向かった。何故か、それは1階と2階の間の階段の踊り場にあった。子供心に、もっと目立つところでやれば良いのに……と思ったことを覚えている。
弟と私が2回ずつ引くことになった。先に弟が2回ガラガラを回し、両方ハズレ。次に私が回し、1回目はハズレ。2回目を勢いをつけて回したら、ハズレの赤い玉ではない、違う色の玉が受け皿を外れて飛んで行った。
係のお兄さんが探しに行って、帰って来るとハンドベルを持って何回も振り鳴らして、
「特賞、大当たり~~!!」
と、大声で言った。お兄さんは金色の玉を持っていた。その瞬間私は嬉しいと言うよりも、他人の注目を集めるのが恥ずかしくて、早く止めて欲しいと思って俯いていた。目立たない場所で本当に良かった。
特賞は、直径30センチの特大ショートケーキだった。
何が当たるのか考えていなかった私は、何がなんだか分からない内にずっしりとしたケーキの箱を持たされていた。
そして、『特賞』と書かれた紅白の紙に、デカデカと書かれた私の名前が眩しかった。
ケーキと言えばバタークリームだった当時、生クリームのショートケーキは本当に美味しかった。
今はもっと美味しいケーキがいっぱいあるのだろうが、その時のケーキはダントツで美味かった。
フロワベールのケーキは、想い出の味に負けないくらい美味しかった。
