ロスト・エコー | おむすび書店 リターンズ

おむすび書店 リターンズ

まだまだハード・ボイルド!

そして、高血圧&脳梗塞!
ハイ・プレッシャー!!

男のハードなダイエット!!!

  ロスト・エコー』    ジョー・R・ランズデール

    <ハヤカワ・ミステリー文庫


 子供の頃、お多福風邪をこじらせて、右耳か聞こえなくなったハリー。膿が耳の中で破裂して、突然耳が聞こえるようになった。それをきっかけに、過去の暴力的な出来事があった場所の音を聞くと、その暴力を追体験できるようになってしまった。
 大学生になり、初恋の女性ケイラと再会した。彼女は警察官になり、彼女のお父さんの自殺の真相を探り出そうとしていた。
 子供の頃ハリーを理解してくれていた彼女は、ハリーの能力で事件を解明して欲しいと頼んでくる。


 ランズデールは、以前読んだボトムズの作者。ボトムズも暗めの作品だったが、『ロスト・エコーも、なかなか鬱屈していた。基本的には暗さが全面に出ている作品は好きじゃないが、ボトムズもロスト・エコーも私には、丁度いい暗さだ。
 主人公が子供だったり、本作は青年だったりで、微妙な恋愛感情や、人気者じゃない普通の男の普通の弱さが、嫌味なく描かれていてなかなか良かった。
 サスペンスもきちんと盛り上がって行って、ボトムズのときより、ハリウッド的に盛り上がっておもしろかった。
 東洋の格闘技を身につけたアル中の賢者は、ご愛敬の設定だが、あまり押しつけがましくなくて、これも際きわで面白かった。

おむすび書店 リターンズ