柔と耕作(松田)の新婚日記 20日目 (午前編第2部)
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上に上がると耕作はポットを机の上に置きベッドに座った。
柔達は持って来た物を机の上に置き、柔がコーヒーを淹れようとしたが富士子に止められた。
富士子「柔さんは座ってて良いわよ。」
柔「え?でも・・。」
キョンキョン「たまには私達に入れさせて下さいね。」
舞「さあ、さあ、座ってて下さいね~。」
美咲「そうですよ、どうぞ座って待ってて下さい。」
柔「分かった~、任せるね~。」
柔は耕作に寄り添って座ると見詰め合って微笑んだ。
耕作「ふふふ、仕事、取られたね。」
柔「うふふ、そうだね~。」
キョンキョンと富士子が手分けしてお茶を注いでコーヒーを淹れた。
それを舞が柔にお茶を渡し美咲がコーヒーを耕作に渡した。
耕作「ありがとね。」
柔「舞さん、ありがとう~。」
富士子達はカップを持つとクッションに座った。
柔「皆、急にどうしちゃったの?」
キョンキョン「昨日寝る時にお話してたら、何時も淹れて貰ってるから、今度は私達で
淹れようって事になったんですよ。」
柔「なるほどね~、でも、そこまで気を遣わなくても良いのに~。」
美咲「そう言う訳にはいきません、たまには私達にも淹れさせて貰わないと。」
舞「そうですよ~、何時も何時も柔さんばかりって言うのは駄目で~す。」
富士子「柔さんは余りにも気を遣い過ぎだと思うわよ。」
柔「そうなのかな?あたしはこれで当たり前って思ってるんだけど。」
キョンキョン「そこが柔さんの良さなんですけど、私達にも何かさせて貰わないと
恐縮しちゃうんですよ。」
柔「そんな事を思ってたのね~。」
柔「今度からお願いする様に心掛けるね。」
舞「そうして下さ~い。」
美咲「そうして頂ければ、私達も気が休まりますから。」
柔「あ、そうだ、富士子さん?昨日言ってたキョンキョンの事分かった?」
富士子「何でしたっけ?」
柔「ほら~、色々成長してるって。」
富士子「あ~、それね、分かりましたよ。」
キョンキョン「富士子さん?それ以上は松田さんも居るから言わないでね。」
富士子「キョンキョン、分かってるわよ~。」
耕作「席外そうか?」
キョンキョン「あ、大丈夫ですよ、そこまでしなくても。」
富士子「松田さんはそのまま居て下さい。」
富士子「キョンキョン達には寝る前にその事については話しましたから。」
耕作「そう?それなら良いけど。」
柔「キョンキョン?主人は何の事か分かって無いから気にしなくて良いよ。」
キョンキョン「そうでしたか、それなら安心ですね。」
舞「私は以前の先輩を知らないから、富士子さんから聞いて驚きましたけど。」
美咲「私もかな?」
美咲「先輩と一緒にお風呂に入ったのは秋田に行った時が初めてだったので。」
柔「そうだったんだね、でも、これ以上お話すると主人にも分かりそうだから。」
柔「このお話はここまでにしましょう~。」
キョンキョン「それが良いですね。」
柔「ところでキョンキョン達はお昼に何か食べたい物が有ったら考えておいてね。」
美咲「どうしてですか?」
柔「この後、皆で富士子さんを見送ってから買い出しに行く様にしてるの。」
舞「あ~、そこで食べたい物の材料を買うって事ですね。」
柔「そうそう、だから今のうちに考えておいてね。」
キョンキョン「そう言う事なら考えておかないといけませんね。」
富士子「良いな~、私も家事さえ無かったら残れたのに~。」
柔「富士子さん、それは仕方ないよ、やらないといけない事が有るんだから。」
富士子「そうなのよね~、何もして無いと花園さんに怒られそうだし。」
耕作「またまた~、花園君は富士子さんを怒ったりしないでしょう?」
富士子「まあ、そうなんですけど、花園さんに悪いって思っちゃうんですよね。」
柔「富士子さんらしいね、花園君に気を遣う辺り。」
キョンキョン「私もそう言う風に考える様にしないといけませんね。」
柔「そうだね~、彼に気を遣う様には心掛けないとね。」
舞「それは私も同じかな~。」
美咲「そうだね、お相手に気を遣う様にしないとね。」
耕作「そうして貰うと男性としては嬉しい事だから、是非そうしてやってね。」
キョンキョン「そうなんですね、分かりました。」
富士子「私はそろそろお暇します。」
柔「もうそんな時間なの?」
富士子「早目に済ませておかないと大学に行くのが遅れそうなので戻ります。」
柔「分かった~、じゃあ、見送るね~。」
キョンキョン「私達も見送りますよ。」
舞「は~い、分かりました~。」
美咲「じゃあ、下りますか?」
柔「そうね、カップとかはそのままで良いよ。」
富士子「私の分はどうします?」
柔「後で一緒に持って下りるから、そのままにしてて。」
富士子「分かりました。」
耕作「じゃあ、俺はタクシーを呼んだ後に会社に電話するよ。」
柔「よろしくね~、私達は表に出て待ってるから。」
柔達は下に下りて行った。
下に下りると耕作は電話を掛け始めて、柔達は玄関を出ると木戸を潜って表に出た。
柔「タクシーが来るまで少し待たないといけないかな?」
富士子「柔さん、昨日と今日はお世話になりました。」
柔「良いのよ、気にしないでね。」
柔「それよりも練習内容を考えておいてね。」
富士子「分かってますよ、帰って家事をしながら考えておきますから。」
柔「期待してるからね~。」
富士子「それに応えられるかどうか分かりませんけど、出来るだけ頑張ります。」
柔「大丈夫、富士子さんなら。」
耕作が木戸を潜って出てきた。
耕作「タクシーはもう直ぐ来るはずだよ、それと会社には理由を説明しておいたから。」
柔「ありがとう~、あなた。」
舞「柔さんって必ずと言って良い程旦那様にもお礼を言われるんですね~。」
柔「そうね、親しい人でもお礼は必ず言う様にしてるよ。」
美咲「親しき中にも礼儀有ですね。」
柔「うん、それは大切な事だと思ってるからね。」
キョンキョン「そう言うとこも見習わないといけませんね。」
舞「先輩の言う通りですよ、私も見習わないと。」
美咲「私もそうしないと。」
タクシーが来て柔達の前に停まった。
富士子「それじゃ、これで失礼します、後程大学で。」
キョンキョン「はい、大学で会いましょう。」
舞「また、大学でお会いしましょう。」
美咲「お気を付けて、家事頑張って下さい。」
富士子「ありがとう~、頑張るよ~。」
柔「大学で会おうね~。」
耕作「気を付けて帰ってね、また後で。」
富士子はタクシーに乗ると自分の家に帰って行った。
富士子を見送ると柔達は買い出しする為にスーパーへ向かった。
柔「さてと、買い物に行くけど、食べたい物か作りたい物って決めた?」
舞「は~い、私、肉じゃがを作ってみたいで~す。」
美咲「あ~、舞~、それ、私も作ってみたい。」
柔「じゃあ、2人で作ると良いよ、調理が大変だから。」
舞「分かりました~、美咲、一緒に作ろう?」
美咲「そうだね、2人で作ろうね。」
キョンキョン「私は何を作ろうかな?」
柔「何か食べたい物とか無いの?」
キョンキョン「ニラ玉作ってみたいです。」
柔「あ、それなら卵焼きにニラ入れてみたら?」
キョンキョン「それ、良いですね、それ作ります。」
舞「柔さんは何か作るんですか?」
柔「和風、中華風と来れば洋風かな?」
美咲「洋風ってどういう物なんですか?」
柔「簡単だよ?シャウエッセンを油で炒めるだけ~。」
キョンキョン「なるほど、確かに簡単ですね。」
舞「半分、私にも炒めさせて下さ~い。」
柔「良いよ、色々するのは良い事だからね。」
耕作「ビールが欲しくなる様なメニューだな~。」
柔「そうなの?」
耕作「うん、凄く合いそうだよ、ビールに。」
柔「そうなんだ、でもお昼からビールは駄目だよ?」
耕作「分かってるって、夜まで我慢するよ。」
柔「そうだ、今ので思い出した、買い置きしておかないとね?ビール。」
耕作「よろしく頼むよ、持つのは俺が担当するから。」
柔「分かった~。」
柔「あそこだよ、入ろうか~。」
キョンキョン、舞、美咲「は~い。」
柔達が中に入るとスーパーの人が声を掛けてきた。
源太「いらっしゃ~い、おや?柔ちゃんじゃないの、それに大勢で。」
柔「また、お邪魔しに来ました。」
源太「注文してくれたら持って行ったのに。」
柔「良いんですよ、この子達に買い物の仕方も慣れて貰いたいのも有ったから。」
源太「そうかい、じゃあ、適当に見て買っておくれ。」
柔「分かりました、皆行こう?」
キョンキョン、舞、美咲「は~い、お邪魔します。」
源太「はいな、自由に見て選んどくれ。」
柔達は籠を手にすると見て回りながら材料を籠に入れていった。
キョンキョン「このスーパーって結構品揃えが多いですね。」
柔「でしょう?無い物は無いって言う位の品揃えなのよ。」
舞「多過ぎて目移りしそうですね~。」
美咲「探すのも大変そうです。」
柔「でも、キチンと種類毎に分けて置いて有るでしょう?」
キョンキョン「そうですね、これ整理するの大変そうですよ。」
舞「ですよね、覚えるのも苦労しそうですよ。」
柔「ところがさっきの方、ここに置いて有る物がどこに有るのか覚えてるんだよ。」
美咲「本当ですか?凄いですね。」
柔「そうだよね、あたしは覚えきれないよ。」
舞「私も無理で~す。」
柔「どうかな?材料は全部買えた?」
キョンキョン「私は終わってます。」
舞「私のも終わりで~す。」
美咲「柔さんは終わったんですか?」
柔「あたしはシャウエッセンとビールだけだし。」
美咲「あ、そうでしたね。」
柔「じゃあ、お会計済ませて戻りましょうか。」
キョンキョン、舞、美咲「分かりました~。」
柔達は源太の所へ籠を持って行き耕作が会計を済ませると袋に入れて貰った材料を持った。
源太「どうも、ありがとうございます、またの御贔屓を~。」
柔「ありがとう~、また何か有ったら来ますね~。」
キョンキョン、舞、美咲「お邪魔しました~。」
耕作「すみませんでした、騒がしくて。」
源太「いやいや、これ位賑やかな方が良いですって。」
柔「それじゃ、失礼します。」
柔達はスーパーを後にして帰路に着いた。
耕作「袋は俺が持つから。」
柔「ごめんね、お願~い。」
柔は材料の入った袋とビールの入った袋を耕作に渡した。
キョンキョン「松田さん、済みません。」
舞「旦那様、すみません。」
美咲「申し訳有りません、お願いします。」
耕作「気にしない、気にしない、こう言う事の為に俺が付いて来てるんだから。」
キョンキョン「男の方って松田さんの様な考え方なんですか?」
耕作「う~ん、全員がそうとは限らないから、相手の人には確認した方が良いと思うよ。」
舞「そうなんですね、今度、佐藤さんに聞いてみよう。」
美咲「私も聞いてみます。」
キョンキョン「私も確認しておきます。」
柔「あたしは感謝してますよ~、何時もこうして持って貰ってるから。」
キョンキョン「なるほど、感謝の気持ちも忘れない様にしないといけませんね。」
舞「そうですね、私も忘れない様にしないと。」
美咲「柔さん、さすがです、そう言う事も見習います。」
柔「まあ、皆、真似るにしても程々にね。」
舞「は~い、分かってま~す。」
柔「ところでお昼までは時間が有るから、また上で時間を潰しましょうか。」
キョンキョン「そうですね、でも肉じゃがが時間掛かりそうだから。」
キョンキョン「少し早めに準備を始めましょうか。」
柔「そうだね、材料の調理に時間は掛かるね。」
舞「ジャガイモの皮をむくのに時間が掛かりそう~。」
美咲「舞?その練習も兼ねてるから良いのよ?」
舞「そうだね、中々ジャガイモとか使わないしね。」
柔「手だけは切らない様に注意してね。」
舞「は~い、気を付けま~す。」
柔「到着~、入ろうか~。」
美咲「分かりました。」
舞「は~い。」
キョンキョン「そうですね。」
柔達は木戸を潜って玄関に入り上に上がると台所へ向かった。
台所に着くと柔が耕作からビールを受け取り冷蔵庫に入れて
材料を袋から出しながら同様に冷蔵庫に入れていった。
柔「じゃあ、上に上がってお話でもしましょうか。」
キョンキョン、舞、美咲「は~い。」
柔達は上に上がって行った。
上に上がって部屋に入ると耕作はベッドに座った。
柔がコーヒーを淹れ様とするよりも早くキョンキョン達がコーヒーを淹れお茶を注いで
舞と美咲が耕作と柔にコーヒーとお茶を渡した。
耕作「ありがとね。」
柔「うふ、ごめんね、ありがとう~。」
キョンキョン達も自分のカップを持つとクッションに座った。
キョンキョン「もう~、柔さんったら~。」
柔「ごめん、ごめん、習慣で直ぐ淹れ様としてしまうよね~。」
舞「そうみたいですね~。」
美咲「体が自然とそう言う動きをしてしまうんですね。」
柔「そうなのよ~。」
キョンキョン「私もその位出来る様にならないといけませんね。」
舞「私も習慣になる様にしないと~。」
美咲「そうだね、何時もそうする様に心掛けないと。」
柔「一緒に住むと大変だよ~、お食事を作らないといけないでしょう?」
柔「それにお掃除やお洗濯もだからね~。」
キョンキョン「専業主婦じゃ無かったらかなり負担になりますね。」
柔「働いていると平日はお食事を作る事だけしか出来ないと思うよ。」
柔「だから、お掃除とお洗濯は週末にするしかないかもね。」
キョンキョン「そうですね、平日は時間的に無理だと思います。」
キョンキョン「それ以前に慣れる事から始めないといけませんけど。」
舞「私も先輩と同じ様にそう言うのに慣れないといけないな~。」
美咲「私もかな~、今はお洗濯位しかキチンと出来てませんから。」
柔「今はまだお食事は余り作らないだろうから。」
柔「お掃除とお洗濯に慣れる様にすれば良いんじゃないかな?」
キョンキョン「そうですね、まずはそれからかな~。」
舞「なるほど、お掃除とお洗濯ですか~。」
美咲「私はお掃除をきちんと出来る様にしないと。」
柔「今はまだ余り深刻に考えなくても良いと思うよ。」
柔「出来る事から慣れる様にして、それが出来たら次って言う感じですれば良いよ。」
キョンキョン「それが良いですね、そうします。」
舞「私もそうしま~す。」
美咲「確かに、あれもこれもって言うのは無理ですね。」
美咲「私も一つずつ慣れていく様にします。」
柔「あたしも正直に言うと、ここに戻ってからはお食事のお手伝い位しかやって無いのよね。」
キョンキョン「同居してるとそう言う利点が有るんですね。」
柔「アメリカに居た時は全部やってたんだけどね。」
舞「そうなんですね~、そこで出来てただけでも凄いと思いますよ~。」
美咲「全部出来てたって言うのは感心します。」
キョンキョン「向こうで初めて一緒に住んでたのに出来るなんて凄いですよ。」
柔「まあ、向こうに居た時は専業主婦みたいな感じだったから出来てたんだけどね。」
キョンキョン「なるほど、向こうでは働くとか無かったんですね。」
柔「一応、休暇で行ってたからね。」
舞「休暇で行ってるのに、そう言う事をするって言うのが柔さんらしいですね~。」
美咲「舞の言う通りだと思います、休暇なら普通だと何もしませんしね。」
柔「あたしは向こうでは主人と一緒に暮らしてるって言う感じで、結婚後の予行のつもりで
色々するって決めてたからね。」
キョンキョン「そうだったんですね、それなら納得出来ます。」
舞「結婚後の予行ですか、だから全部やってたんだ。」
美咲「柔さんの考え方は見習わないといけないですね。」
柔「ところで舞さんも美咲さんも一人住まいだったよね?」
舞「はい、そうで~す。」
美咲「そうですけど?」
柔「絶対無いとは言えないから聞くけど。」
柔「佐藤さんと先生が東京に出て来た時は自分の部屋に泊らせるの?」
舞「私は佐藤さんがOKなら泊まらせます。」
美咲「私は今の状況だと無理かな?」
柔「なるほど、美咲さんは婚約してたらOKなの?」
美咲「そうですね、そこまで進展してたら喜んで泊まって貰います。」
舞「そうか、婚約か~、私もそう言う状況になるまでは止めておこうかな~。」
柔「そうだね、その方が良いと思うよ。」
柔「あたしの場合は絶対一緒になるって決めてたから渡米したんだけど。」
柔「そう言う覚悟がない限りは部屋に泊めるのは止めておいた方が良いよ。」
舞「まだ、そこまでの覚悟は出来ていないかもですね~。」
美咲「そうだね、まだ付き合い始めたばかりだし。」
キョンキョン「皆、良いな~、私は実家だからそう言う事が出来ないのよね~。」
柔「キョンキョンはそう言う事よりも早く結婚式の日取りを決めないと。」
舞「そうですよ~、先輩~、お相手の方もそれを望んでるかもですよ?」
キョンキョン「そうだね、そっちを先に決めないと何も先に進まないよね。」
美咲「そうそう、先輩のウェディングドレス姿を早く見たいですよ。」
キョンキョン「そう言う言葉が出てくると早く結婚式を挙げないとって思うわね。」
柔「結婚式場だと結婚式は和装で披露宴がウェディングとかじゃない?」
キョンキョン「そうでしたね、どちらも着れるって言うのは良いかも。」
耕作「結婚式は身内だけだから、舞さんと美咲さんが見られるのはウェディングの方だけだね。」
舞「それだけでも十分ですよ~。」
美咲「私もウェディング姿だけで十分です、早く見たいです。」
柔「お互いのご両親も交えてとなるとお休みの日か夜しかお話出来ないね。」
キョンキョン「やっぱりその方が良いでしょうか?」
耕作「片方ずつだと調整するのに時間が掛かるから、一度に済ますつもりなら一堂に集まって
話し合いをした方が時間が掛からなくて良いよ。」
キョンキョン「それもそうですね、彼と話してみて、そうする様にします。」
柔「彼とお話するのは大事な事だから必ずそうしてね。」
キョンキョン「はい、それは柔さんからも念押しされたから、必ずそうしますよ。」
耕作「そこで大事な事はどちらかが譲るんじゃなくてどちらも譲歩する事だから。」
キョンキョン「お互いが納得出来る様にするって事ですね。」
耕作「そうそう、そうして初めてお互いのご両親に話せば了解を得易くなるから。」
舞「柔さん達もそうやったんですか?」
柔「あたし達はどうだったかな?」
柔「あなたが譲歩した方が多くなかった?」
耕作「俺達の場合は特殊過ぎるから参考にはならないかもしれなけど。」
耕作「俺自身は柔をお嫁さんに出来れば他はどうでも良いって言う感じだったかな?」
美咲「他って言うのはどう言う事なんですか?」
耕作「俺がここに同居する事とか・・。」
柔「結婚式はここで挙げるとか、新婚旅行は皆も知ってる通り主人の実家とか。」
柔「主に、あたしが決めて主人に了解を貰ったよ。」
柔「一番大事なのは子供が2人以上出来た時は猪熊家に養子に出す事かな?」
耕作「そこは2人で話し合ったと言うか納得してた事だったね。」
柔「まあ、そうしないとおじいちゃんが納得してくれそうに無かったってのも有るけど。」
キョンキョン「柔さんが主導権を握ってたって事になりますね。」
柔「違うよ?必ず主人には聞いて納得して貰ったからそうしただけだよ。」
キョンキョン「なるほど、二人で良く話し合ったって言うのは、そう言う事も
含まれてたんですね。」
柔「そうなの、だからお話し合いは大事だって言ったのよ。」
舞「そう言う事だったんですね~。」
美咲「今迄のお話を聞いてお互いに良く話し合うって言う事の重要性を再認識出来ました。」
柔「そう思って貰えれば、あたしがお話した事も無駄では無かったって事になるね。」
キョンキョン「その通りです、無駄になったお話とかは無いですよ。」
美咲「そうですよね、全て今後の参考になる様な事ばかりです。」
舞「美咲の言う通りですよ、柔さん。」
柔「皆がそう思ってくれてるなら、これからも色々なお話をしても良いのね。」
舞「はい、色々な話を聞かせて下さい。」
美咲「お付き合いする時の事とか、一緒になってからの事とか、凄く参考になりますから。」
キョンキョン「私は一緒になってからの事が参考になりました。」
柔「キョンキョン?自分を曝け出してね。」
柔「そうしないと、あたしがやった事って普通の人は引いちゃうから。」
柔「自分はこう言う事もしますよって、先に宣言してても良いと思うよ。」
キョンキョン「そうですね、でも、この前その事に関しては既にお話してますから。」
キョンキョン「具体的な事は言ってませんけど、一応は彼も納得してましたから。」
耕作「その時、彼って少し驚いてなかった?」
キョンキョン「凄い、どうして分かったんですか?」
耕作「電話で話した時、真面目で誠実そうだったから、柔がやった様な事をキョンキョンも
するって聞いたら驚きそうだって思ったんだ。」
キョンキョン「さすがは松田さんです、人を見る目と言うか話しただけで
そこまで分かるなんてさすがです。」
耕作「取材で色んな人の話を聞いてると相手の人柄とかが分かる様になったんだ。」
柔「あ~、って事は、あたしの事をお話してる時に分かったんだ~。」
耕作「そうなんだけど、君の場合は出会ってから再び柔道を始めるまでと
今とではかなり性格的に変わったと思うよ。」
耕作「主に俺に対してだけど。」
柔「そう言われると、確かにそうなんだって思うね。」
舞「以前はどんな感じだったんですか?」
耕作「俺の口からは言えないから、柔、頼んだ。」
柔「え~、あたしが自分の事を説明するの~?」
耕作「俺が言うと、君、怒りそうだからね。」
柔「そんな事は無いよ~。」
柔「でも、仕方ないか、確かにあなたの口からは言い難いでしょうしね。」
柔「えっと、以前のあたしは主人に対しては突っ慳貪な話し方しかして無かったの。」
柔「裏を返すと気になってるのを知られたくないって言うのが有ったんだけどね。」
舞「つまり、素直じゃ無かったって事ですよね?」
柔「舞さん、ズバリ言うね~、まあ、その通りなんだけどね。」
キョンキョン「そんな柔さんが素直になったのはどうしてなんですか?」
柔「一言で言えば、主人があたしの事をずっと支える様に見守ってくれてたのが
分かったからなの。」
柔「柔道を止めてたのも主人に会いたくないって思ってたからなんだけどね。」
美咲「どうして会いたくないって思ってたんですか?」
柔「やっぱり、そう聞かれるよね。」
キョンキョン「あ、もし、話し難かったら理由まではお話しなくても良いですよ。」
柔「話し難い事は無いけど、お話しても恐らく半信半疑じゃないかな。」
美咲「もしお話出来るなら伺いたいです。」
柔「どうする?あなた?」
耕作「君が言いたく無ければ話さなくても良いよ。」
柔「何で素直になれたかって言うのはさっきお話したから良いんだけど。」
柔「どうして会いたくなかったかって言うのはお話しないと分かって貰えないと思うから
正直にお話するよ。」
耕作「君がそうしたいなら俺は止めないよ。」
柔「分かった、じゃあ、お話するね。」
キョンキョン「何だか深刻そうなお話みたいですね。」
柔「一応はそうかもね。」
柔「えっと、家っておとうさんがずっと居なかったのよ。」
舞「え?そうだったんですか?」
柔「うん、柔道の武者修行をするとか言って飛び出しちゃったんだって。」
美咲「柔道に人生を掛けていらっしゃったんですか?」
柔「まあ、それも有るけど、あたしの為でも有ったのよ。」
舞「柔さんの為?」
柔「そうなの、あたしの練習相手をする為にはそうしないといけないって思ってたみたいなの。」
キョンキョン「もしかして柔さんの天賦の才って言うのに負けない為にですか?」
柔「そう言う事になるかな?」
柔「それで、あたしは柔道が憎かった時期が有ったの。」
舞「お父様と一緒に居られなかったからですか?」
柔「そうだね、家族団欒って言うのに憧れてたのかもしれないね。」
美咲「なるほど、柔道の所為でお父様が家に居ないって思われてたんですね。」
柔「その通りなの、だから、高校の時から余り柔道には熱心じゃ無かったんだ。」
柔「そう言う時に主人と偶然出会ったのよね。」
柔「それ以降ずっと主人に付き纏われてて。」
キョンキョン「その件は向こうでも聞きましたね。」
柔「そうだったね、どう思ってたかは向こうでお話したから省くね。」
舞「はい、構いませんよ。」
柔「そこから一気にあたしが会社には行ってからになるけど。」
柔「その時におとうさんがあたしのライバルのコーチをしてるって言うのが分かったのよね。」
柔「その事を主人は既に知ってたって言うのが分かって、あたしとしては主人に
欺かれてた気がしちゃったのよね。」
耕作「補足しても良いかい?」
柔「うん、その方が良いと思う。」
耕作「俺は虎滋朗さんに以前直接会って色々と話を聞いてたから、修行をしてる理由とか
知ってたんだよ。」
耕作「その時に虎滋朗さんから今はまだ柔には会えないって言われてたんだ。」
耕作「俺としては会って話をして貰いたかったけど、虎滋朗さんの決意は固くて
それは実現しなかったんだ。」
耕作「柔に話さなかったのは、そう言う事が分かってたから話すに話せなかったんだ。」
キョンキョン「確かに、何故会えないかって事まで分かってたら話せないですよね。」
柔「今なら主人の取った行動は十分に理解出来るんだけど、その時のあたしは
おとうさんに会いたい一心だったからね。」
柔「その事は主人も知ってたのに何でおとうさんの事を話してくれなかったの?
って思っちゃって裏切られた気持ちになってしまったのよ。」
柔「だから、もう主人の顔も見たくないって思ってしまったの。」
柔「それも有ったし、あたしが柔道を続けてる限り間接的だけどおとうさんと対峙する事に
なるから柔道を止めようって思い込んじゃったのよね。」
舞「なるほど、そう言う事だったんですね。」
美咲「つまり、柔道を止めれば旦那様に会わなくても良い、それにお父様とも間接的にしろ
対峙しなくて済むって思われてたんですね。」
柔「そう言う事なのよね、今考えるとその時に主人と良くお話していれば、そう言う事態は
避けられたんじゃないかって思うよ。」
キョンキョン「それで良くお話しないと駄目だって言われてたんですね。」
柔「そうだね、その事も有ったし、アメリカに居る時に良くお話してお互いを
良く理解出来たからって言うのも有ったからね。」
舞「柔さん、ごめんなさい、辛い事を思い出させちゃったみたいで。」
柔「ううん、今ではそう言う事も含めて良い思い出だから、気にしなくて良いよ。」
美咲「柔さんは色んな経験をしてるから言葉に重みが有るんですね。」
柔「あたしも色々と振り返って反省するとこは反省したからね。」
柔「そう言う手助けをしてくれたのが主人なのよ、アメリカでね。」
キョンキョン「柔さんがアメリカに行った事は正解だった訳なんですね。」
柔「そうだね~、もし行って無かったら、今、主人とこうして一緒に居なかったかもね。」
耕作「恐らく以前のままだったと思うよ、お互いに。」
耕作「前も言ったけど、ほんとに渡米してまで会いに来てくれて良かったよ。」
柔「あたしもそう思ってるよ、会いに行って良かったって。」
舞「改めて、良く話す事が大事なんだって分かりました。」
美咲「私もそう思います。」
キョンキョン「それと思い切りも大切なんだって言うのが今のお話で良く分かりました。」
舞「そうですね、思い切って会いに行った訳ですしね。」
美咲「私もそこまで情熱的になれるのかな?」
柔「そこは相手を思う気持ちを大事にしてれば、そう言う行動も出来る様になるよ。」
キョンキョン「柔さんの実体験から出る言葉はやっぱり違いますよね~。」
美咲「私もそう思いました。」
舞「以前も同じ事を言った気がするけど、本当にそう思います。」
柔「あ~、いっけな~い、もう作り始めないと間に合わないかも~。」
舞「もうそんな時間ですか?」
キョンキョン「肉じゃがは時間が掛かるって言ったじゃない?」
美咲「そうでした。」
柔「じゃあ、下に下りようか。」
キョンキョン、舞、美咲「はい、分かりました~。」
耕作「急ごうか。」
耕作がポットを持つと柔達は手分けして急須とカップを持って下に下りて行った。