柔と耕作(松田)の新婚日記 21日目 (午前編第2部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を5分割で表記しています。
部屋に入ると耕作はポットを机の上に置いてベッドに座り、柔はお茶を注ぎコーヒーを淹れて
コーヒーを耕作に渡しながら寄り添って座った。
柔「今日一日が幸せな気分になれる様に願いながら入れたコーヒーだよ~。」
耕作「ありがとね、俺も願いながら飲むとするかな。」
柔「まあ、あたしはあなたと一緒にどこかへ行くって言うだけで幸せな気分なんだけどね。」
耕作「それは俺も同じ気持ちだよ。」
柔「あっ、やっぱりそうなのね~、一心同体だね~。」
耕作「それはそうさ。」
耕作「向こうで色々有ったし、こっちでの事も有るからね。」
耕作「今迄よりも一層、君との結び付きは強くなってると思うよ。」
柔「だよね~、常に同じ考えや思いをお互いに懐いてるし。」
柔「じゃあさ~、今あたしが思ってる事は当てられるかな?」
耕作「う~ん・・、今夜の事とか?」
柔「やっぱり以心伝心でも有るのね~、当たりだよ~。」
耕作「そうだと思った、顔が凄くにやけてたから。」
柔「え?あたしって、にやけた顔してた?」
耕作「うん、俺を見つめて懇願する様な表情をしてた。」
柔「やだ~、そんなに物欲しそうな顔をしてたんだ。」
耕作「君は可愛いから大丈夫だよ、どんな表情をしてもね。」
柔「もう~、あなたったら~。」
柔「あっ、そうだ、この前撮った写真まだ現像してなかったよね?」
耕作「この前撮った?何だったっけ?」
柔「あ~、忘れてる~。」
耕作「・・・、分かった、君がキスを懇願する時の表情のか。」
柔「そう、それ、今日現像する?」
耕作「そうだね、時間も有るから焼き付けまでするかな。」
柔「自分の顔を見るのって少し恥ずかしい気もするけど、どんな表情なのか見たいかも。」
耕作「キョンキョン達も言ってたと思うけど、何を望んでるか誰にも直ぐ分かる表情だよ。」
柔「そう言われると余計に見たくなってきた。」
柔「そうだ、今度の遊園地でも写真撮ろう?」
耕作「え?明後日行った時に?」
柔「そうだよ、あそこで写真とか撮った事無かったしね。」
耕作「そう言われればそうだったか、分かった、遊園地でも撮る様にするよ。」
柔「やった~、これで良い思い出が出来そう。」
耕作「出来そうじゃなくて作らなくちゃ。」
柔「あっ、そうだね、2人の記念になる様にしないとだね。」
耕作「記念って何の?」
柔「えっと、最初はあたしを慰める為に行ったでしょう?」
柔「次に行った時は2人の間に溝が出来ちゃったでしょう?」
柔「だから、今度は2人が結婚して初めて行った記念にするの~。」
耕作「あ~、そういう事なんだ。」
耕作「そう言えば新婚旅行で2人だけで写った写真って無かった気がするな~。」
柔「そうだよ~、だから代わりに2人だけの写真を沢山撮ろうね~。」
耕作「そうだな、そしてそれを子供達に見せるんだね。」
柔「そうそう、そうすればそれを見た子供達も幸せな気持ちになれるんじゃないかな?」
耕作「先々の楽しみに出来るね。」
柔「うん、楽しみが先に待ってるって言うのって良いよね~。」
耕作「確かにね、今夜の事もそうだろうし、明後日の事もそうだね。」
柔「うふふ、あなたも今夜が楽しみなのね~。」
耕作「それはそうさ、君と一緒にする事は何でも楽しいから。」
柔「あたしもだよ~、あなたと一緒にする事は何でも楽しいも~ん。」
耕作「それは向こうの時から言ってたね。」
柔「そうなの、でも、今はあなたも一緒の気持ちって言うのが嬉しいな~。」
柔「ね~、あなた~?」
耕作「何だい?」
柔「お願いが有るんだけど~。」
耕作「分かってるよ、着替えさせて欲しいって言うんだろう?」
柔「相変わらず鋭いね~、良いよね?お願いしても。」
耕作「構わないさ、最近は余りやって無かったからね。」
柔「わ~い、久しぶりのお着替えだ~。」
耕作「今直ぐじゃないよね?」
柔「勿論よ、出かける前で良いから。」
耕作「分かった、じゃあ、その時に着ていく服を選んで持ってきたら着替えさせてあげるから。」
柔「うふふ、お願いね~。」
耕作「ちょっと聞きたい事が有るんだけど。」
柔「な~に~?」
耕作「妊娠してお腹が大きくなったら大き目の服とか着ないといけないよね?」
柔「そうね、お腹を締め付けるのは良くないから、それ用の服を買わないといけないかな?」
耕作「それ用って?」
柔「マタニティードレスっていう種類の服の事だよ。」
耕作「どんなのが有るの?」
柔「主にワンピース系が多いかな?」
耕作「着易いから?」
柔「それも有るしスカートだとお腹を締め付けて良くないからって言うのも有るのかも。」
耕作「確かに、スカートだとお腹で止めるね、だからワンピースなのか。」
柔「後、着た時が楽だからね。」
耕作「普通のワンピースもそうなんだ。」
柔「そうだよ、フワッとしてるから凄く楽なの~。」
耕作「必要になりそうな時に買いに行かないといけないね。」
柔「その時は一緒に買いに行こうね~。」
耕作「やっぱり、俺も一緒に行かないといけないんだ。」
柔「だって~、あなたも気に入った服が良いでしょう?」
耕作「まあ、君がそう言うなら一緒に行くよ。」
柔「まだ結構先のお話だけどね。」
耕作「それに関してだけど、どの位からお腹の大きさが目立つ様になるのかな?」
柔「6ヶ月辺りになると結構大きくなるみたいよ。」
柔「あなたも富士子さんの時に見てたから分かるでしょう?」
耕作「あ~、そう言えばその位の時は結構目立ってた気がするよ。」
耕作「しかし、今でも君があんな風にお腹が大きくなるとこは想像出来ないな~。」
柔「あたしの方が大きく見えるかも。」
耕作「富士子さんよりも身長が低いから?」
柔「そういう事になるかな?」
耕作「当然、体重も増えるんだよね?」
柔「そうだと思うよ、詳しい事は来週桜お姉ちゃんに聞けば良いんじゃないかな?」
耕作「それもそうか、君も初めてだからそういう事は余り詳しくないだろうし。」
柔「あたしの知識って富士子さんの時に聞きかじった程度だから。」
柔「知ってる事は基本的にはあなたと余り変わらないと思うよ。」
耕作「だよな~、今度桜さんが来た時にでも聞く事にするか。」
柔「明後日の午後にここに来そうだから、その時にでも聞けば良いと思うよ。」
耕作「来るかな?」
柔「お土産を持って来ると思うよ。」
耕作「そう言えば、この前もお返しを持って来てたね。」
柔「その時に向こうでのお話も聞けるかも。」
耕作「かもじゃなくて、必ず話をすると思うよ。」
柔「そうかな?」
耕作「君がチョッカイ出した件も有るからね。」
柔「あっ、そっか、それが有ったか~。」
耕作「気になってるんでしょう?」
柔「そうね~、一応は気にしてるかな、どうなったのかとか。」
耕作「やっぱり、そうだろうと思ってたよ。」
耕作「そろそろ出掛けようか?」
柔「わ~い、お着替えだ~。」
耕作「あっ、それが有ったか。」
耕作「じゃあ、着ていく服を持って来て。」
柔「うん、直ぐ選んで持って来るね~。」
柔は立ち上がってカップを机の上に置き服を選びに行くと悩んだ末に選び出し
耕作の元に戻ってきた。
柔「これで良いかな?」
耕作「少し派手過ぎない?」
柔「そうかな~?でも、これ位のを着たい時も有るのよね~。」
耕作「そうなんだね、じゃあ、これでも良いか。」
柔「簡単に許してくれるんだね~。」
耕作「君が望む事は何でも叶えるって言ったしね。」
柔「あ~、向こうに居た時からずっとそう言ってたね。」
耕作「それはそうさ、君と一緒になったのもそれが有ったから。」
柔は耕作に持ってきた衣類を渡しカップを受け取ると机の上に置いて耕作の前に立った。
柔「じゃあ、早速着替えさせて貰えるかな?」
耕作「勿論さ、ところで今日も着けないままにするつもり?」
柔「この服を見てそう言う事を言うかな~。」
耕作「あっ、そうか、これって胸元が開いてるんだった。」
柔「それにちゃんとブラも持って来てるのに分かってて聞いたの?」
耕作「いや、持って来てても着けないのかなって思ったから聞いたんだよ。」
柔「な~んだ、気を遣ってくれたのね、ありがとう~。」
柔「でも、あなたに嫌な思いはさせたく無いから今日はちゃんと着けるよ。」
耕作「君こそ気を遣ってくれたんだね。」
柔「うふふ、じゃあ、お願いね~。」
柔は耕作に背中を向けた。
耕作「じゃあ、両手を挙げて。」
柔「は~い。」
柔が万歳の格好をすると耕作は上着の裾を持って一気に脱がせた。
柔「きゃ~、襲われる~。」
耕作「こらこら、人聞きの悪い事は言わないの。」
柔「えへへ、一寸言ってみたかったの。」
柔はそう言いながら上体を前に少し倒すと耕作はブラを着けた。
柔「ね~、あなた~?」
耕作「うん?どうしたの?」
柔「あなたに盛るのをやって欲しいな~。」
耕作「盛るって何を?」
柔「やだ~、分かってるくせに~。」
耕作「もしかして胸を盛るって事?」
柔「それ以外に盛るって無いと思うんだけど。」
耕作「まあ、良いけど、君は恥ずかし・・・い訳はないか。」
柔「ね~、早く~。」
耕作「分かったから動かないでよ。」
柔「分かってま~す。」
耕作は柔の脇に手をやると前の方に手を動かした。
柔「あ~ん。」
耕作「これこれ、変な声を出さない。」
柔「うふ、やり難かった?」
耕作「それはそうでしょう?着せてるだけなのにそんな声を出されるとね。」
柔「ごめんね~。」
柔は耕作の方を向いた。
柔「ね~、少しは大きく見えるかな?」
耕作「胸の谷間がかなり強調されてるよ。」
柔「ほんとに~?」
耕作「本当だって、凄くセクシーだよ。」
柔「嬉しい?」
耕作「勿論さ、君のそういう姿を拝めて嬉しくないはずないじゃないか。」
柔「良かった~、あなたに喜んで貰えて。」
耕作「じゃあ、上を着せるから。」
柔「は~い、お願いね~。」
耕作は柔に上着を着せるとボタンを留めた。
耕作「じゃあ、次はスカートだけど、何時ものよりも短めだね。」
柔「駄目かな?」
耕作「大丈夫だよ、この位の丈なら。」
柔「良かった~、あなたが了承してくれて。」
耕作「それじゃ、脱がすから。」
柔「は~い。」
耕作は柔が履いているスポーツウェアを脱がせるとスカートを穿かせてジッパーを閉めた。
耕作「太腿の半分位の丈なんだ。」
柔「これなら良いよね?」
耕作「うん、それなら大丈夫だよ。」
耕作「でも、上に何か羽織った方が良いかも。」
柔「じゃあ、薄手のカーディガンを羽織るね。」
耕作「それで良いと思うよ。」
柔「あなたも着替えないと。」
耕作「そうだね、直ぐ終わるから。」
柔「待ってるね~。」
耕作は着ていく服を選んで素早く着替えた。
柔「相変わらず着替えるのが早いのね~。」
耕作「まあ、男性は皆そうだと思うよ。」
柔「あなた?今朝は顔を洗ってないでしょう?」
耕作「あ、そうだった、出掛ける前にやっても良いよね?」
柔「勿論よ、待ってるから。」
耕作「じゃあ、下に下りようか。」
柔「そうだね。」
柔と耕作はポットとカップ2つと急須を持つと下に下りて行った。
柔と耕作は台所へ行き耕作はポットを流しの横に置くと顔を洗いに風呂場へ向かった。
その間に柔は急須とカップを洗って所定の場所に直した。
耕作「お待たせ。」
柔「早かったね~。」
耕作「何時もこんなもんだよ。」
柔「それもそうね、じゃあ、行きましょうか。」
柔と耕作は奥に向かって声を掛けた。
柔「出かけてきま~す。」
耕作「行ってきます。」
奥から玉緒が返事をした。
玉緒「気を付けて行ってらっしゃ~い。」
柔と耕作は玄関を出て木戸を潜り外に出ると大通りへと歩いて行った。
途中で柔が腕を組んできた。
耕作「最近は何時もそうするね。」
柔「あっ、駄目だった?」
耕作「いや、駄目な訳無いじゃない?」
柔「うふふ、良かった~。」
表通りに出ると柔達はタクシーを止めて耕作の会社へ向かった。
タクシーが耕作の会社の目に停まると2人はタクシーを降りて会社のビルへ入っていき
編集部を目指して上に上がった。
編集部の前に来ると耕作はドアを開けて柔を先に入れて後に続いた。
中に入った2人は編集長の席へ向かった。
耕作「おはようございます、持ってきました。」
柔「おはようございます。」
編集長「おはよう、今朝はゆっくりだったな。」
編集長「ところで柔さんが着飾ってるがどこかへ行くのか?」
耕作「そのつもりです、この後行く所が有るので、今の時間になりました。」
編集長「そうか、デートと言う訳なんだな。」
耕作「まあ、そんなもんです。」
編集長「良い事だと思うぞ、結婚した後でもそうやって2人で出歩くのは。」
耕作「やっぱり、そうですか。」
柔「ほら~、編集長さんもこう言ってるんだから~。」
編集長「柔さんもそう考えてたんですね。」
編集長「2人だけで出歩く様にした方が良いですよ。」
耕作「編集長にも言われたら、そうするしかないか~。」
耕作「あ、そうそう、今回の分はこれです。」
編集長「何時もすまんな、一寸確認するぞ。」
耕作「どうぞ。」
編集長「なるほど、今回も柔さんの意図は示さずに富士子さんが自主的にやってる様に書いてあるな。」
耕作「中々苦労しました。」
編集長「そうだろうな、だがそれも今日の分までだな。」
耕作「そうですね、明日書く分は柔の意図も書けますから。」
編集長「そういう事だ、今日までの纏めみたいな感じに仕上がりそうだな。」
耕作「そのつもりにしています。」
編集長「これからどこかへ行くんだったな。」
耕作「はい、でも、その前に現像したい物が有るのでやっても構いませんか?」
編集長「記事に関する物なのか?」
耕作「そういう訳じゃないんですけど、駄目ですか?」
編集長「本来は駄目なんだが、他でもないお前だから使って構わんぞ。」
耕作「ありがとうございます。」
耕作「それでは失礼します。」
柔「失礼します。」
編集長「柔さん?しっかり楽しんで来て下さい。」
柔「はい、ありがとうございます。」
耕作と柔は暗室の中へ入っていった。
柔「あたし、ここに入るのって初めてだけど、ほんとに暗いのね~。」
耕作「そうだよ、この中で現像焼き付けするんだ、」
柔「待ってるね。」
耕作「直ぐ終わるよ。」
耕作はフィルムを出すと現像して焼き付けを済ませた。
耕作「終わったよ、写真を見るのは帰ってからでも良いよね?」
柔「うん、その方が落ち着いて見られるから。」
2人は暗室を出ると編集部を後にして下に下りるとビルの外に出た。
耕作「先に買い物に行くんだったよね。」
柔「そうだよ~、お揃いのペンダントを買わないとだからね~。」
耕作「じっくり見てから決めようか。」
柔「そうだね、気に入る物を買わないとだしね。」
柔はまた耕作と腕を組むと体を密着させた。
耕作「今度はやけにくっ付いたね。」
柔「この方がより親密そうに見えるでしょう?」
耕作「そうだね、少し恥ずかしい気もするけど。」
柔「駄目そうなら止めるけど?」
耕作「大丈夫だよ、俺も君にそうされて嬉しいから。」
柔「うふ、あなたも嬉しいのね、良かった~。」
2人はそのままの体勢でショッピングモールへ向かった。
途中、通行中の人から声を掛けられる度に2人は会釈して応じた。
柔「着いたよ~。」
耕作「どこに売ってるのかな?」
柔「貴金属類は1階に売ってると思うよ。」
耕作「そうなんだ、ところで、この体勢で店内は流石に不味くない?」
柔「それもそうね。」
柔は腕組みを止めて手を繋いだ。
柔「これなら良いよね?」
耕作「うん、手を繋ぐ程度なら良いよ。」
2人は中に入ると貴金属コーナーへ向かった。
耕作「ネックレスは~・・。」
柔「あそこに有るよ。」
耕作「結構種類が多いな~。」
柔「どれが良いかな~?」
耕作「余り派手じゃないのが良いかもね。」
柔「じゃあ、これなんかどう?」
耕作「それ良いね、派手じゃないけど地味って言うほどでも無いから。」
柔「じゃあ、これにしましょう。」
耕作「君だとまた色々聞かれそうだから俺が買うよ。」
柔「そうだね、お願いね~。」
耕作が店員の所へ行く間に柔は少し離れた場所へ移動した。
耕作と店員がやり取りして同じネックレスを購入すると耕作は柔の元へやって来た。
耕作「プレゼントだと思ったのかリボンを付けて貰ったよ。」
柔「ある意味お互いへのプレゼントだから、それで良いんじゃない?」
耕作「それもそうか、じゃあ、そのままにしとくよ。」
耕作「この後はどうする?」
柔「あれこれ見て回ろうと思ったけど、喫茶店でゆっくりしたいから。」
耕作「分かった、俺もその方が良いと思うから行こうか。」
柔「そうしましょう~。」
2人はショッピングモールを後にすると以前行った喫茶店へ向かった。
柔「早く帰りたいのも有るけど、少しゆっくりして戻りましょう。」
耕作「慌てる事も無いからね。」
喫茶店に着くと耕作はドアを開けて柔を先に入れ自分も後に続いて入った。
店員「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
耕作「俺達2人だけです。」
店員「畏まりました。」
店員は柔達を窓際の二人掛けの席へ案内した。
店員「ここでよろしいですか?」
耕作「はい、結構です。」
店員「それではご注文が決まりましたらお呼び下さい。」
柔「分かりました。」
店員は所定の場所へ戻って待機した。
耕作「今日は何にする?」
柔「何にしようかな~。」
柔「あなたは?」
耕作「俺は何時ものブレンドで良いかな。」
柔「あなたは何時もそれだよね~。」
耕作「それで君は何にするの?」
柔「う~ん・・・、お洒落にジャスミンティーにしようかな~。」
耕作「良いんじゃないかな。」
柔「分かった、じゃあ、頼むね。」
柔が手を挙げると店員がやって来た。
店員「お決まりでしょうか?」
柔「えっと、あたしはジャスミンティーで主人はブレンドをお願いします。」
店員「畏まりました、少々お待ち下さい。」
店員はオーダーを伝える為に厨房へ向かった。
耕作「もう君を見ても声を掛けなくなったね。」
柔「前回の時からそうだったけどね。」
耕作「他の場所でも徐々にそうなるだろうね。」
柔「妊娠の発表をしたら、また声を掛けられ始めそうだけどね。」
耕作「それは仕方ないと思うよ。」
耕作「君に何か有る度に報道されるからね。」
柔「分かってはいるけど、相変わらず、それに関しては慣れないな~。」
耕作「でも、以前に比べると余り動じて無い様に見えるよ。」
柔「それはね~、あなたが一緒に居てくれるからね~。」
柔「あなたが一緒だと落ち着くのよね~。」
耕作「まるで柔道の試合の時みたいな事を言うんだね。」
柔「あは、そうだったね。」
店員がオーダーした物を持ってきた。
店員「お待たせしました。」
店員はブレンドを耕作の前にジャスミンティーを柔の前に置いた。
店員「ご注文の品は以上でよろしかったでしょうか?」
柔「はい、これでかまいません、ありがとうございます。」
店員「それではごゆっくりどうぞ。」
柔と耕作は店員に軽く会釈すると店員も2人に対して軽く会釈して所定の場所へ戻っていった。
柔「良い香り~。」
耕作「そうみたいだね、こっちにも香りが漂ってきてるよ。」
柔「あなたのコーヒーも良い香りだね。」
耕作「うん、インスタントでは出せない香りだよ。」
柔「家で淹れるのもインスタントじゃない方が良いかな?」
耕作「いや、家ではインスタントでも構わないさ。」
耕作「こういう場所へ来る楽しみも有るから。」
柔「それもそうだね。」
柔「美味しいな~。」
耕作「コーヒーも美味しいよ。」
柔「来週からはこういう時間も余り持てなくなるんだね~。」
耕作「それは仕方ないよ、今迄が普通と違う状態なんだから。」
柔「だよね~、あたしばかり優遇され過ぎな気がしてる。」
耕作「それは君が一応は会社に貢献したご褒美みたいなもんだから。」
柔「復帰したらしっかりお仕事をしなくちゃいけないな~。」
耕作「今やってる記念ツアーだけど、今度は懐妊記念とかでやっても良いんじゃないかな?」
柔「どうなんだろう?」
柔「あたしとしては恥ずかしい気もするけど会社がするって言うなら構わないかな?」
耕作「何かに託けて記念ツアーをやった方がお客様も誘い易いだろうから。」
柔「確かに、何々記念ってするとお客様を呼び易いのはあるね。」
柔「復帰して妊娠が確定して発表するタイミングで会社の方にお話ししてみるよ。」
耕作「それが良いと思うよ、それでまた君が会社に貢献出来る訳だし。」
柔「うふ、あなたには何時も良いアイデアを提供して貰えるから助かるわ~。」
耕作「それは君っていう存在が有ればこそだけどね。」
耕作「皆に喜んで貰えるものなら良いんじゃないかな。」
柔「皆に祝福されるって凄い事だよね。」
耕作「それに対する感謝の気持ちを忘れない様にしないといけないね。」
柔「うん、あたしもそう思う。」
柔「感謝の気持ちを皆に示す事があたしにとっては柔道で勝つ事になるんだよね?」
耕作「そういう事になるかな。」
耕作「でも、それ以前に無事に出産をする事も大事だよ。」
柔「分かってま~す、それは家族に対してもそうだし。」
柔「あたし達を支えてくれてる皆に対してもだって思ってる。」
耕作「良く分かってるね、その通りだと思うよ。」
耕作「それじゃ、そろそろ戻ろうか。」
柔「そうね、早く写真を見たいのも有るし~。」
2人は席を立つと耕作が会計を済ませて店を後にして通りでタクシーを止めると
乗り込んで柔の実家へ戻っていった。