柔と耕作(松田)の新婚日記 23日目 (夜編

            文書量(文字数)が膨大な為、一日を分割で表記しています。
           訂正:日付を間違えていましたので修正しました。



下に下りた2人は台所へ行くと耕作はポットと急須を流しの横に置いてテーブルの椅子に座った。
柔はカップ4つと急須をきれいに洗ってカップを食器棚に直し、急須に新しい茶葉を入れると
お茶を2杯注いで1つを耕作に渡しながら横に座った。

柔「今日は良い事が沢山有ったね~。」

耕作「そうだね、皆が幸せになってくれると良いね。」

柔「上手く行きそうな気はするけど。」

耕作「また、何か手助け出来ないかって考えてるんじゃないよね?」

柔「うふ、良く分かったね~、手助け位は良いでしょう?」

耕作「要請が有ればね?お節介は駄目だよ?」

柔「分かってますよ~、その事はあなたに何度も言われてるからね~。」

柔「あっ、そうだ、あなた?原稿はどうするの?」

耕作「晩ご飯を食べ終わって書こうかと思ってるけど?」

柔「なるほど、その方が時間を気にしなくて済むって言ってたね。」

柔「ね~、あなた~?」

耕作「うん?どうしたの?」

柔「今、フッと思ったんだけど編集長さんって何時お休み取ってるの?」

耕作「何でまた急にそんな事を聞くんだい?」

柔「単純に疑問に思ったからなんだけど。」

柔「ほら、何時会社に行っても居らっしゃるじゃない?」

耕作「あ~、そういう事か。」

耕作「俺が知ってる限りじゃ、纏って休みを取った事は無いかな?」

耕作「午前中だけ出社して午後は休みとかにしてるっぽいよ。」

柔「へ~、大変なんだね~。」

耕作「だと思うよ、俺みたいな型破りな記者が多いからね。」

柔「あなたって型破りなの?」

耕作「俺だけじゃなくて、殆どの記者は取材であっちこっちに出て回ってるし。」

耕作「帰ってくる時間も不規則なんだよな~。」

耕作「そう言う意味での型破りって事なんだ。」

柔「そうなんだ~、でも、今はあなたはそんな事して無いよね?」

柔「あたしに付きっ切りになってる訳だし。」

耕作「今迄の俺が特殊な事をしてただけなんだよ。」

柔「あたしの密着取材の事?」

耕作「そうだよ、普通はここまでする密着取材が無いのは君にも一度話したよね?」

柔「あ~、聞いた覚えは有るね、普通は時間を区切っての密着だったよね?」

耕作「そうそう、だから、俺のは特殊って言う事なんだ。」

柔「そうなんだね~、でも、それも今日までだよね?」

耕作「形式的には今日までになるかな。」

柔「形式的って?」

耕作「君が通常通りに会社に出勤するから、俺が一日中は一緒に居る事が出来なくなるって言う事ね。」

柔「何で、それが形式的って事になるの?」

耕作「最初はどういう風にする予定だったか覚えてるよね?」

柔「えっと、あなたはあたしの会社に付いて来てずっと一緒に居る事になってたかな?」

耕作「そうだったよね?でも、俺が居辛いだろうって事で会社には行かない様にしたよね?」

柔「うん、だって、あなたに辛い思いをさせてまで一緒に居たいとは思わなかったんだもん。」

耕作「君の気遣いには感謝してるよ。」

柔「気遣いなら、あなたも沢山あたしにしてくれてるけどね。」

耕作「そう言う訳で俺は午前中は君と一緒に居ないって言う形を取る事になったんだ。」

柔「それが形式的って事になるの?」

耕作「君は俺の何だったっけ?」

柔「うふ、あたしは~、あなたの~、奥さんで~す。」

耕作「だから、形式的って言ったんだ。」

柔「良く分からないんだけど?」

耕作「明日からも午後は一緒に行動するよね?」

柔「そうだよ~、あなたは柔道の取材に来るんだし。」

耕作「その時に午前中に有った出来事を君に聞けるじゃない?」

耕作「勿論、それに付いて君は教えてくれるでしょう?」

柔「それはそうだよ、あなたに聞かれたら答えない訳にはいかないもん。」

耕作「でしょう?って事は、俺が一緒に居なくても君の行動は分かる訳なんだよね。」

柔「あ~、そういう事なんだね。」

柔「あなたが一緒に居なくてもあたしの行動は把握出来るから、一緒に居るのと同じだって事ね。」

耕作「そう言う事だよ、だから、形式的って言ったんだ。」

柔「漸く理解出来ました~、あなたってほんとに説明上手だよね~。」

耕作「君に分かって貰えて俺も嬉しいよ。」

柔「うふふ、あなたが嬉しいならあたしも嬉しいよ。」

柔「ね~、明日からは会社に行くのにあたしと一緒に出掛けるのよね?」

耕作「そうした方が君も良いでしょう?」

柔「勿論よ~、あなたと一緒にここから出勤するって素敵じゃない?」

耕作「君にとっては素敵な事になるんだ、一緒に出勤する事って。」

柔「そうよ~、アメリカに居た時はあたしが見送ってばかりだったし。」

柔「ここを一緒に出る時におかあさんに『行ってきます』って2人で言えるでしょう?」

耕作「もしかして、そう言うのも君の夢だったの?」

柔「そうなのよ~、夢というか憧れ?あなたと一緒に出勤する事が。」

耕作「何か大袈裟な気もするけど、君が喜ぶんなら俺も嬉しいよ。」

玉緒がやって来た。

玉緒「今日子さん達はもう帰ってしまったのかしら?」

柔「うん、さっき帰ったよ。」

玉緒「あら、そうだったのね、ご挨拶もせずに申し訳なかったわね。」

柔「それは気にしなくても良いと思うけど、また来るって言ってたから。」

玉緒「それなら、今度来た時に今日の事は謝っておくわね。」

玉緒「ところで、何か嬉しい事でも有ったの?」

柔「あっ、また聞こえてた?」

玉緒「耕作さんが嬉しいとか言ってたのは聞こえましたよ。」

柔「特にどうって事は無いよ。」

柔「明日からここを出掛ける時に一緒って言うのが嬉しいってだけだから。」

玉緒「そうだったわね、あなたも明日からは普通にお勤めに行くんでしたね。」

柔「うん、その時途中までは一緒に行けるしね。」

玉緒「それが嬉しかったのね。」

柔「あたしって単純な所が有るから、それだけでも嬉しいの。」

玉緒「それも有るけど、あなたって思い込みが激しい所も有りましたね。」

柔「あ~、確かに、以前はそうだったかも。」

柔「でも、今は、あたし達2人の事に関しては良くお話するから大丈夫だよ。」

玉緒「そう言ってたわね、それなら何も心配しなくても良いわね。」

玉緒「それじゃあ、そろそろ晩ご飯の用意を始めましょうか。」

柔「そうだね、手伝うから。」

玉緒「お願いね。」

柔は立ち上がると玉緒と一緒の晩ご飯の用意を始めた。

耕作「(さすが、母親だな~、柔の事を良く理解してる。)」

耕作「(親子だけあって、お互いを良く分かってるみたいだし。)」

耕作「(いよいよ明日からの3日間は10時から柔の会社に行く事になるんだったか。)」

耕作「(何度も顔を出してるから、皆分かってくれてると思うけど。)」

耕作「(それでも他所の会社だからお互いに気は使うんだろうな。)」

耕作「(なるだけ邪魔にならない場所に居る様にしないといけないか。)」

耕作「(そして4日後から午前中は別々になるけど、アメリカでも最初はそうだったんだよな。)」

耕作「(あの時は早く会いたい気持ちが強かった気がする。)」

耕作「(今は結婚してるから、その気持ちよりも心配が先に立つかも。)」

耕作「(その気持ちは妊娠が確定したらより強くなるんだろうな。)」

耕作「(しかし、柔が俺と一緒にここから出掛けるのに憧れてるって言ってたけど。)」

耕作「(そう言う所は乙女心を今でも持ってると思うと愛おしく感じてしまう。)」

耕作「(おっと、いけない、そろそろ食器を用意しておかないと。)」

耕作は立ち上がって食器棚の所へ行くと柔に確認した。

耕作「柔?どんな食器を出せば良いの?」

柔「あっ、ごめんね~、えっと、一番大きいお皿を1つとそれ用の取り皿を4つ、後は
  小鉢と何時も使う皿を4つと茶碗とお椀を出してくれないかな。」

耕作「分かった、出しておくね。」

耕作は柔が言った食器を食器棚から出すとテーブルの上に並べて行った。

耕作「これで良いんだよね?」

柔「うん、ありがとう~。」

柔「もうどんな食器がどこに有るか分かってるみたいだね。」

耕作「さすがにね~、何度も用意してるから自然と覚えてしまったよ。」

耕作は再び椅子に座って柔と玉緒が話しながら料理する姿を眺めた。

玉緒「何時も思うけど、あなた達は本当に仲が良いわね~。」

玉緒「私も虎滋朗さんが帰ってきたら手伝って貰おうかしら?」

柔「おかあさんが言えば、おとうさんはきっと手伝ってくれると思うよ。」

玉緒「そうかしら?」

玉緒「ここに居る時はそういう事は殆どやってくれた事が無かったのよね。」

玉緒「まあ、柔道に支障が出るといけないから、頼んだ事も無かったんだけど。」

柔「そうだったんだね。」

柔「でも、今なら大丈夫だと思うよ。」

柔「今のおとうさんならやってくれるんじゃないかな。」

玉緒「あなたがそう言うなら、やってくれるかもしれないわね。」

玉緒「それとなく頼んでみようかしら。」

柔「あたしもそれとなく言う様にしてみるね、その時はあなたも手伝ってね。」

耕作「分かった、出来る限り手伝うよ。」

玉緒「出来上がったわね。」

柔「盛り付けするね。」

柔と玉緒はそれぞれに用意された食器に料理を盛り付けしていった。

玉緒「それじゃあ、居間に持って行きましょうか。」

柔「分かった~、あなたもお願いね~。」

耕作「分かった、行こうか。」

3人は料理が盛り付けられた食器をお盆の上に載せると居間へ持って行った。



今に着くと滋悟朗が既に座って待っていた。

滋悟朗「さっきからここまで匂ってきて堪らんかったぞ。」

玉緒「直ぐに並べますから。」

滋悟朗「慌てんでも良いからの。」

柔達3人は座卓の上に料理を並べて、それが終わるとそれぞれの場所に座った。

滋悟朗「それぢゃ、いただくとするかの。」

4人「いただきます。」

滋悟朗「今日は酢豚ぢゃったか。」

滋悟朗は酢豚を取り皿に取ると食べ始めた。

滋悟朗「美味いのう、こりゃご飯がすすむわ。」

玉緒「お替りして構いませんからね。」

滋悟朗「柔よ、明日からよろしく頼んでおくぞ。」

柔「任せて、おじいちゃんが鍛えてた以上に鍛えるから。」

滋悟朗「余り鍛え過ぎんようにな。」

柔「分かってるってば~、冗談よ?それ位鍛えるってだけなんだから。」

滋悟朗「お前の事ぢゃて、本当に鍛えそうでな。」

柔「基礎体力を付けさせるのは良いでしょう?」

滋悟朗「そうぢゃな、その位はやった方が良いかもしれんわい。」

滋悟朗「玉緒さんや、お替り良いかの?」

玉緒「はい、今日は何杯でも構いませんよ。」

滋悟朗「いや、さすがに何杯もはむりぢゃわ。」

玉緒は滋悟朗が差し出した茶碗を受取るとお替りをよそって滋悟朗に渡した。

滋悟朗「すまんのう。」

滋悟朗「本当に美味いのう、玉緒さんが作ったのかの?」

玉緒「味付けは柔に頼みましたわ。」

滋悟朗「そうぢゃったか。」

滋悟朗「柔も立派に主婦しとるんぢゃな。」

柔「あ~、前からおじいちゃんに食事は作ってたじゃな~い。」

柔「結婚してから作り始めた様な言い方するかな~。」

滋悟朗「おお、そうぢゃったな、こりゃすまんかった。」

柔「分かってくれれば良いのよ~。」

滋悟朗「しかし、少し以前と味付けが違う気がするんぢゃが?」

柔「それはね~、主人に合わせてるから~。」

滋悟朗「こいつ、惚気おってからに。」

柔「おじいちゃんもおばあちゃんのお話する時は惚気てたじゃない?お相子だよ。」

滋悟朗「そう言う事は良く覚えておるんぢゃな。」

柔「それ以外の事も覚えてるけどね~。」

滋悟朗「いらん事は覚えんで良いわい。」

柔「はい、はい、何も覚えてませんよ~。」

滋悟朗「相変わらず、小憎らしい事ばかり言いおるのう。」

玉緒「おとうさん?お替りは?」

滋悟朗「何でか、お腹が一杯になったからもう良いぞ。」

玉緒「分かりました、耕作さんは如何ですか?」

耕作「俺もこれで十分です。」

玉緒「おかずも無くなってますし、お食事はもうよろしいですわね?」

滋悟朗「良いんぢゃなかろうか。」

4人「ごちそうさまでした。」

柔「お粗末様でした。」

柔「おかあさん?」

玉緒「お願いね、私はお風呂の用意をしてくるわね。」

滋悟朗「少ししたら入るとするかの。」

玉緒「そうして下さい。」

滋悟朗は自分の部屋に帰って行き、玉緒は風呂の用意をしに風呂場へ行った。

耕作「じゃあ、持って行くよ。」

柔「いつも、ごめんね~、ありがとう~。」

耕作が食器の大半を持ち、柔も残りの食器を持つと一緒に台所へ行った。



台所に着くと耕作は食器を流しに置き椅子に座った。
柔はお湯を沸かしてお茶を注ぎ耕作に渡して流しに置いてある食器の後片付けに取り掛かった。

耕作「お茶、ありがとね。」

柔「どう致しまして、一寸待っててね。」

耕作「この後、上に上がって原稿を書いても良いかい?」

柔「勿論、良いに決まってるじゃない?お風呂まではまだ結構時間有るし。」

耕作「じゃあ、そうさせて貰うかな。」

柔「今日は今迄の纏めだと時間掛かりそうだよね?」

耕作「そうでも無いよ、要点だけ書いていくから。」

柔「なるほど、あなたの腕の見せ所な訳だね。」

耕作「どっちかって言うと腕じゃ無くて頭かな?」

柔「あ~、そうだった~、何か作るんじゃないんだった~。」

柔「じゃあ、上がろうか?終わったから。」

耕作「そうしようか。」

柔が沸いたお湯をポットにれると耕作がポットを持ち、柔は急須とカップ2つを持って
一緒に上に上がって行った。



上に上がると耕作はポットを机の隅に置いて椅子に座った。
柔も急須とカップを机の隅に置くと耕作の首の辺りに抱き付いて覗き込む様にした。

耕作「何時もそうしてるけど、きつくない?」

柔「きついなんて無いよ?あなたと触れ合えてるんだし。」

耕作「そう言う意図も有ったのか、そうしてるのって。」

柔「そうよ?暑苦しいなら止めようか?」

耕作「そんな事無ないよ、君にそうされてるのは嬉しいからね。」

柔「うふ、あなたも喜んでくれてたのね、良かった~。」

柔「あっ、もう書いてたのね。」

耕作「そうだよ、君にそうされてると不思議と文章が頭に浮かんでくるんだ。」

柔「それって凄い才能だよね?」

耕作「どうなんだろう?君にそうされて無い時は直ぐには浮かんでこないんだよな~。」

柔「あたしのお陰って事になるのかな?」

耕作「そうじゃないかな、君の存在を身近に感じてるからだと思う。」

柔「じゃ~・・。」

耕作「脱がなくて良いからね?」

柔「・・・、何で分かったの?」

耕作「君が考える事は直ぐに分かるよ。」

耕作「恐らく、身近に感じる→素肌を連想→脱げば良いんだって考えるだろうって思っただけ。」

柔「恐るべし以心伝心・・。」

耕作「この場合は以心伝心じゃなくて、君の考え方を熟知してたからだと思うよ。」

柔「そうなんだ・・、あ~、もう何も考えられな~い。」

耕作「そんな事は無いよ。」

耕作「だって、遊園地のお昼の食べ方は分からなかったんだし。」

柔「なるほど、まだ考える余地は残ってたんだ、良かった~。」

耕作「今君が考えた事は・・。」

柔「お風呂でやるのは良いんだね?」

耕作「ふふ、君も俺の言いたい事を直ぐに分かってるじゃない。」

柔「それはね~、あなたが言いたい事は分かるよ~。」

耕作「この場合が以心伝心って事になるよ。」

柔「そうなんだね~。」

柔「早、もうそんな所まで書いてるんだ。」

耕作「ここまではアメリカでの事だからね。」

耕作「向こうでは余りやり方は変えて無かったでしょう?」

柔「確かに、基本は変えなくて、中身を少し変えてただけだったね。」

耕作「戻ってきてからは色々なやり方をしてたし。」

柔「それはね~、教える対象者のレベルがかなり違ってたから。」

耕作「そこが君の凄さだと思うよ、少し見ただけでそれが分かるって事は。」

柔「あたしも自分では良く分かって無いかもね。」

耕作「なるほど、感覚的に把握出来てるって事になるのか。」

耕作「益々、凄過ぎる才能だって再認識したよ。」

耕作「それと指導者を育成する能力もね。」

柔「そこまでの能力なんてあたしには無いと思うんだけど。」

柔「あたしは、ただ、他の人達を教えられる様になって欲しいって思ってただけだよ?」

耕作「それが指導者を育成するって事なんだけどね。」

耕作「君も言ってたと思うんだけど?」

柔「指導者にする為って言った事有った?」

耕作「俺が記憶してる限りでは富士子さんはそうだよね?」

柔「富士子さんはね~、お礼の意味も有ったし。」

耕作「他は指導者云々とは言って無かったけど、教えられる様にとは言ってたかな?」

柔「あ~、そうだったね。」

柔「話は変わるんだけど、今夜はどうするつもりなの?」

耕作「今夜って?今夜は何もしないんだよね?」

柔「そうなんだけど、お風呂はどうするの?。」

耕作「君はどうしたいの?」

柔「洗いっこだけでもしたいかな~って。」

耕作「それやって、その気になったりしないなら良いよ。」

柔「うっ、自信が無いかも~。」

耕作「じゃあ、普通に洗いっこするだけにしようか?」

耕作「何時もやって貰ってるあんな感じじゃ無くて。」

柔「あなたがそう望むんなら、あたしもそれで良いよ。」

耕作「俺は普通に洗って貰うだけでも十分満足だから。」

柔「分かった~、普通に洗いっこするだけにしようね。」

柔「でも、寝る時はバスローブを着ただけで寝ても良いよね?」

耕作「それは構わないよ。」

柔「良かった~、普通に寝間着でって言われなくて。」

耕作「寝間着もバスローブも下に何も着なかったら一緒じゃない?」

柔「あなたは一緒って思ってる?」

耕作「う~ん・・、厳密には違うか。」

柔「ほら~、そうでしょう?」

耕作「バスローブって浴衣と同じか。」

柔「だよね、前が開けない様に紐で結んでるって事は下手すると・・。」

耕作「言いたい事は分かった、下手したら起きた時、前が開けてる可能性が有るって事か。」

柔「うふふ、そうなの~、今朝は開けて無かったけどね。」

耕作「もしかして、開けるのを期待してたの?」

柔「そんな事は無いよ?ほんとだよ?」

耕作「なるほど、期待してたんだね。」

柔「最初から分かってたなら聞かなくても良いじゃない?」

耕作「ほら、さっき言ったでしょう?」

柔「あ~、あたしが困ってる顔を見たかったんだ~。」

耕作「そう言う事だよ、困った顔も可愛いけど。」

柔「もう~、あなたったら~。」

柔「楽しんでたのね。」

耕作「バレたか、でも可愛いって言ったから許してよ。」

柔「仕方ないな~、許して・あ・げ・る。」

耕作「ふふ、許してくれて、ありがとね。」

耕作「ふぅ、終わった~。」

柔「何時の間に・・。」

耕作「さっきだよ、お風呂云々言ってた時。」

柔「何にしてもお疲れ様でした、コーヒー淹れるね。」

耕作「お願いしたいな~。」

柔は抱擁を解いてコーヒーを淹れて耕作に渡しながらこう言った。

柔「松田 耕作殿、あなたは原稿を書くのに大変頑張りました。」

柔「それを讃えて、このコーヒーを進呈致します。」

耕作「また、変わった渡し方だね、ありがたくいただきます。」

柔「うふふ、ほんとは~・・。」

耕作「ふふ、その先は言わなくても分かるよ。」

耕作「でも、今日はお互いにその気が無いからね。」

柔「あは、また言いたい事を先読みされちゃった~。」

耕作「君がしたい事は、お互いその気になった時にしよう?」

柔「分かってま~す、次の金曜の夜辺りかな?」

耕作「具体的な日は言わなくて良いよ。」

柔「それもそうね、その前にその気になる可能性も有るし。」

耕作「ちょっと聞いても良い?」

柔「何を聞きたいの?」

耕作「今日さ、やけに夜に関する事を話してるけど、もしかして・・。」

柔「そんな事は無いよ?」

柔「もし、そうなら何時もみたいに率直に言ってるよ~。」

耕作「言われてみれば、今迄は露骨に誘いを掛けてたね。」

柔「露骨って言い方はちょっと酷いと思うんだけど~。」

耕作「ふふ、それなら、遠回しに言った事は無かったね。」

耕作「これで良いかい?」

柔「うん、それなら良いかな。」

階下から玉緒が声を掛けてきた。

玉緒「あなた達~、お風呂空いたわよ~。」

柔「は~い、直ぐ入るから~。」

耕作「何時も思うんだけど、玉緒さんって下で会話を聞いてるんじゃないのかな?」

柔「タイミングが良過ぎるから?」

耕作「まあ、考え過ぎとは思うけど、余りにも絶妙なタイミングだからね。」

柔「仮に聞いてたとしても、この位の声の大きさだと、そこまで来ないと聞こえないと思うよ。」

耕作「それもそうか、で、入るの?」

柔「入らないの?」

耕作「いや、何で否定形で聞き返すんだい?」

柔「あは、つい何時もの癖で。」

柔「入りましょう~。」

柔「これで良い?」

耕作「うむ、良しとしよう。」

柔「もう~、偉そうに~。」

耕作「ふふ、早く入ろう?」

柔「うん、行こう~。」

2人はバスローブを持って下に下りて行った。



2人は下に下りると風呂場へ向かい脱衣場に入ると着ている物を全て脱いでタオルで前を隠し
風呂場に入って湯船の傍に行きタオルを外して掛け湯をすると湯船に浸かった。

柔「あは~、気持ち良いな~。」

耕作「ゆったりした気分になれるな~。」

柔「そうね~、元気が出るよね~。」

耕作「疲れも取れる気がするよ。」

耕作「ちょっと聞いても良い?」

柔「良いよ、何を聞きたいの?」

耕作「前から胸を片手で隠してたっけ?」

柔「やだな~、あなたがそうした方が良いって言ったから、こうしてるんだけど。」

耕作「そうだったんだ。」

耕作「でもお湯に浸かってる時位は隠さなくて良いと思うよ。」

柔「良いの?じゃあ、隠さないで浸かる様にしま~す。」

柔はそう言うと胸を隠していた手を下ろした。

柔「これで良いの?」

耕作「いや、確認する為には見ないといけないでしょう?」

柔「もしかして、恥ずかしいの?」

耕作「君は恥ずかしく無いの?」

柔「あなただからね~、少し恥ずかしいけど。」

耕作「それを聞いて安心したよ、それで俺は見て確認した方が良いのかな?」

柔「あなたはどうしたいの?」

耕作「それはね~、君のきれいなバストを見るのは嬉しいよ。」

柔「じゃあ、見て確認して欲しいな~。」

耕作「えっと、俺を誘ってる訳じゃないよね?」

柔「もう~、あなたったら~、さっき、その気は無いって言ったじゃない。」

柔「それなのに誘ったりする訳無いよ~。」

耕作「分かった、じゃあ、見るけど怒らないでよ。」

柔「何であたしが怒るのよ~。」

柔「あなたが喜ぶ事なら、あたしは嬉しいって何度も言ってるでしょう。」

耕作「そうだったね、じゃあ、見るよ。」

耕作は柔の胸辺りを見た。

柔「これで良いんだよね?」

耕作「うん、お湯の中だからね、でも、ほんとにきれいだよ。」

柔「うふ、褒めてくれて、ありがとう~。」

耕作「心なしか大きく見えるのは気の所為じゃないよね?」

柔「水の中に有る物は少し大きめに見えるとか言われてなかった?」

耕作「そうだったかな?でも、以前より大きくなってる気がする。」

柔「それなら嬉しいけどね~。」

柔「来週検査の時に計って貰おう~っと。」

耕作「前もそう言ってたね、やっぱり確認したい?」

柔「実際にどうなのか知りたいかな~。」

柔「ね~、あなた?」

耕作「どうかした?」

柔「あなたに見られるのは嬉しいんだけど、何時まで見てるつもりなの?」

耕作「あっ、ごめん、余りにも均整がとれたバストなんで見とれてた。」

柔「あたしとしては、あなたが満足するまで見てても良いんだけどね。」

耕作「そうしたいけど、そろそろ体を洗った方が良いかも。」

柔「そうだね、余り長湯をするとまた逆上せるといけないし。」

柔と耕作は湯船から出るとお互いの体を交互に洗った後きれいに流し再び湯船に浸かった。

柔「今みたいな感じで洗えば、その気になったりしないよね?」

耕作「そうだね、君はどうだった?」

柔「あたしも平気だったよ、少し擽ったかったけど。」

耕作「擽ったいのは俺も同じかな。」

柔「やっぱり、自分の手じゃないと擽ったいよね~。」

耕作「でもさ、何で君は俺の大事な所ばかりを入念に洗ってたのかな?」

柔「だって~、大事なんでしょう?そこは~。」

耕作「まあ、そうなんだけど。」

柔「だったら入念に洗った方が良いんじゃないの?」

耕作「分かった、君がしたい様にして良いって言ったし、気の済む様にして良いよ。」

柔「怒ってる?」

耕作「ううん、怒って無いよ。」

耕作は柔の肩に手を掛けて抱き寄せた。
柔もそれに応える様に耕作の腰に手を回した。

耕作「君がそこまでしてくれるのは嬉しいよ。」

柔「ほんと?」

耕作「勿論さ、凄く丁寧に洗ってくれたし。」

柔「それはあなたも同じだったよ、優しく洗ってくれてたじゃない。」

耕作「それは、君のきれいな肌に傷を付けたくなかったからね。」

柔「うふ、やっぱり、あなたって優しいのね。」

耕作「君も同じく優しいよ。」

柔「ね~、あなた~。」

柔は耕作の方を向いて見上げると目を瞑った。
耕作はそれに応える様に優しく長めのキスをした。

柔「はぁ~、素敵なキス、ありがとう~。」

耕作「君も素敵だったよ。」

柔「うふふ、あたし達裸で抱き合ってるんだね。」

耕作「そうだね、まあ、ここは風呂だから当然だけど。」

柔「2階でもそうだったよ?」

耕作「それはね~、以下略。」

柔「うふ、略しても分かっちゃうよ?」

耕作「そう思ったけど、一応ね?」

柔「そろそろ上がろうか?」

耕作「そうだね、十分温まったし。」

2人は抱擁を解くと抱き合ったまま湯船を出ると抱擁を解いて軽く体を拭き
脱衣所に行って新しいタオルで入念に体を拭いてバスローブを着た。

柔「じゃあ、上に行きましょう。」

耕作「分かった。」

2人はどちらからともなく互いの腰に手を回し寄り添って風呂場を後にした。
途中台所に寄ると柔が冷蔵庫から缶ビールを出して耕作に渡した。

耕作「ありがとね、上に行ったら頂くよ。」

柔「そうしてね。」

2人は上に上がって行った。



部屋に入ると2人は腰から手を放し耕作はベッドに座って缶ビールの蓋を開け一気に飲み干した。
柔はそれを見ながらお茶を注いでコーヒーを淹れると耕作にコーヒーを渡し缶ビールを
受け取ると机の上に置いて寄り添って座った。

柔「いよいよ、明日から会社か~。」

耕作「不安かい?」

柔「そこまで無いけど、暫く居なかったからね。」

耕作「でも、偶に顔は出してたじゃない?」

柔「そうね、だから余り不安には思ってないよ。」

耕作「それなら良いけど、もし不安に思ったら・・。」

柔「大丈夫~、あなたを思い浮かべるから。」

耕作「ふふ、そう言いたかったんだ。」

耕作「そろそろ明日に備えて寝ようか?」

柔「別に備えなくても、あたしは普通に朝練してるんだし。」

耕作「そうだったね、でも、早く寝るに越した事は無いんじゃないかな。」

柔「あなたがそう言うなら、言う通りにするね。」

耕作「ふふ、相変わらず、素直だね、大好きだよ。」

柔「うふ、あたしも~、大好き~。」

柔は立ち上がって耕作からカップを受取り机の上に置くとベッドに横になった。
耕作も柔の直ぐ傍に横になると柔が抱き付いてきたので耕作も優しく抱き締めた。

柔「あなたに抱き締められると凄く安心するな~。」

耕作「俺も同じ気持ちだよ。」

耕作は柔の頭を撫でるとそれを続けた。

柔「凄く安らぐ~。」

耕作「寝ても良いからね。」

柔「そうされてると直ぐに眠れそう。」

柔は目を瞑って暫く頭を撫でられるのを堪能していたが何時の間にか寝てしまった。

耕作「ゆっくりおやすみ。」

耕作は柔の額にキスをして目を瞑ると自分の頭を柔の頭にくっ付けて目を瞑った。

耕作「(寝顔は何時見ても可愛いな。)」

耕作「(俺も寝るとするか。)」

耕作は柔の寝息を聞いているうちに眠りに落ちていた。