柔と耕作(松田)の新婚日記 26日目 (午後編第2部

            文書量(文字数)が膨大な為、一日を分割で表記しています。




道場へ向かう車中では何時もの様に皆で話していた。

柔「良いな~、運転出来て。」

温子「柔さんは車の免許は持ってないんですよね?」

柔「そうなのよ~、柔道、柔道で免許を取りに行く暇も無かったからね~。」

由紀「取りに行かないんですか?」

柔「行くつもりだけど、まだ、先になるかな~。」

恵美「そう言えば、後数か月で大会が有るから行けないですね。」

柔「まあ、それも有るけど、他にも色々と事情がね。」

美香「どんな事情なんですか?」

柔「詳しくは今度の親睦会でお話するから、それまで待っててね。」

雅「分かりました、お待ちします。」

美香「陽子先輩、さっきから黙ってらっしゃいますけど、どうされたんですか?」

耕作「多分、運転に集中してるから、そんな余裕は無いんじゃないかな。」

美香「そうでしたか、すみません、陽子先輩。」

陽子「気にしなくて良いよ、何とかなってるし。」

温子「陽子先輩、結構安全運転で安心出来ますよ。」

陽子「そう言って貰うと嬉しいな。」

柔「そろそろ着くんじゃない?」

耕作「柔?良く道を覚えてたね。」

陽子「そうですね、あそこです。」

柔「何かを覚えるのは得意だからかな?」

耕作「いや、普通は道を覚えるって苦手な人が多いよ。」

柔「そうなんだ。」

陽子「旦那様の言う通りですよ、私も余り得意じゃないです。」

陽子「着きました、駐車場に止めます。」

陽子が車を駐車場に止めると柔がドアを開けて先に降りて耕作を降ろした。
耕作が後部ドアを開けて皆を降ろす間に陽子は運転席から降りてドアに鍵を
掛け耕作の傍に来て助手席と後部ドアにカギを掛けてキーを耕作に渡した。

耕作「お疲れ様、大変だったね。」

陽子「はい、ありがとうございます、結構緊張してました。」

耕作「何度か運転すれば、それも無くなると思うよ。」

陽子「そうなると良いですけど。」

柔「あなたはまた鴨田さんを待って一緒に来るのよね?」

耕作「そうだよ、先に入ってて良いよ。」

柔「そうするね。」

柔「皆、取り敢えず柔道着に着替えましょうか。」

陽子達「はい、分かりました。」

柔と陽子達は道場に入る前に一礼して中に入ると更衣室に入って行った。

柔「昨日、インナーは買ったのよね?」

陽子「はい、皆、それぞれに買いました。」

柔「帰ってから着てみた人~。」

陽子、雅、恵美「はい、着てみましたよ。」

美香、真紀、由紀「同じくです。」

温子「私は既に持ってたので着てないです。」

柔「着た感じはどうだった?」

陽子「ピッタリとフィットして動き易いと思いました。」

雅「どんな動きをしても大丈夫だと思いました。」

恵美「私も2人と同じ事を思いました。」

美香、真紀、由紀「私も先輩達と同じ事を思いました。」

柔「そうだよね、じゃあ、着替えようか。」

陽子達「はい。」

柔達は着ている服を脱ぐとバスタオルを体に巻き器用に下着を脱いでインナーを着た後に
バスタオルを外して柔道着を着た。

柔「皆、初めての割には器用に着れたね。」

陽子「このやり方は水着を着る時にやってたから慣れてますよ。」

雅「皆もそうだと思います。」

柔「そうなんだね。」

柔「改めて、今動き易いって感じる?」

恵美「凄く動き易いです。」

美香「動きに余り制限が掛からないのが良いです。」

由紀「これならどんなにハードな練習でも出来そうな気がします。」

柔「それは良かった、今日から少しハードになるからね~。」

温子「望むところです、頑張ります。」

柔「とは言っても、まだ休憩時間が残ってるから少し休んでから始めるけどね。」

柔「昨日と同じ様に道場で少し話してから始めようか。」

陽子「そうですね、行きましょう。」

柔達は更衣室を出ると道場の真ん中で車座に座った。

温子「トレーニングは具体的にどう変えるんですか?」

柔「そうね、昨日、一昨日と見てたけど。」

柔「鍛え方が偏ってるみたいなので万遍無く鍛えるやり方に変えて貰います。」

陽子「私達って鍛え方が偏ってました?」

柔「そうだよ、全員がそんな感じだった。」

柔「腹筋背筋もだけど足も腕もどちらか一方の鍛え方が多くなってたかな。」

由紀「どちらかって言うのはどういう事なんですか?」

柔「足と腕に関しては表と裏を均等に鍛えて無いって言う感じかな。」

温子「太腿とか腕の表と裏って言う事ですか?」

柔「そうそう、偏ってる感じなのよね。」

恵美「それを均等に鍛える方が良いんですか?」

柔「均等に鍛えてると、手足を素早く動かし易くなると思うよ。」

真紀「なるほど、分かりました。」

陽子「技の速さを上げる事が出来易いって事に繋がるんですね。」

柔「そう言う事ね。」

柔「具体的にどうやるかはトレーニングを始める前に教えるね。」

陽子「それで構いません、お願いします。」

温子「今日も乱取りして頂けるんですか?」

柔「どうするかな~。」

由紀「是非、お願いします。」

由紀「昨日のだけでは、まだ良く分かって無いので。」

柔「分かった、1人でも分かって無い人がいるなら、あたしが相手をするね。」

柔「その際は一人一人に少し時間を取るけど良いかな?」

陽子達「それで良いです。」

陽子「指導を見てるだけでも為になりますから。」

温子「やり方を見てるだけでも参考になります。」

柔「分かった、じゃあ、1人ずつどこを如何すれば良いかを教えながらやるね。」

恵美「それは凄く助かります。」

真紀「昨日ので今一分かり難かった事が解消されるので助かります。」

柔「あ~、やっぱり、昨日のやり方だと良く分かって無かったのね。」

美香「柔さんにはそれが分かってたんですか?」

柔「合同練習の時の皆の動きを見てたら、そうかもって思ってたのよ。」

雅「やっぱり、柔さんは凄いですよ。」

雅「昨日の練習を見てるだけで、それが分かるんですから。」

柔「それだけが取り柄みたいなもんだしね~。」

陽子「またまた、ご謙遜を、他も凄いじゃないですか。」

柔「他って?あたし何か凄い事してた?」

温子「昨日、私達のトレーニングを見てて注意されてましたよ?」

柔「あ~、あれね、あたしは練習中は皆から目を離した事は無いよ。」

恵美「合同練習の時もですか?」

柔「勿論よ、他の人が指導してたとしても皆の動きはずっと見てるから。」

由紀「そうだったんですね、真面目にやってて良かった~。」

陽子「由紀?何時でも真剣にって滋悟朗先生も仰ってたでしょう?」

由紀「そうでした。」

柔「そう言われてたのね。」

柔「ちなみに、あたしも皆には常に真剣にやって欲しいと思ってるよ。」

柔「真剣にやらないと怪我をする恐れが有るから。」

温子「柔さんが今仰った事に似た様な事を滋悟朗先生も仰ってました。」

柔「そうなのね、やっぱり、似てるのかな。」

陽子「柔道の練習方法は違いますけど、取り組む姿勢は同じだと思います。」

耕作と鴨田が中に入って来た。

柔「一寸行ってくるから、皆だけで少し話してて良いよ。」

陽子「分かりました。」

温子「行ってらっしゃい。」

柔は立ち上がって陽子達から離れると耕作達の所へ向かった。

柔「鴨田さん、いらっしゃい。」

鴨田「お世話になるっす。」

柔「あなた?」

耕作「何だい?」

柔「今日トレーニングのやり方を変える為に皆に教えるんだけど。」

耕作「そう言ってたね、それでどうかしたの?」

柔「その様子を写して欲しいかな~って。」

耕作「練習内容を教えてる所を写せば良いんだね?」

柔「そうなの、後で、皆に写真を配りたいから。」

鴨田「配ってどうするんすか?」

耕作「皆に忘れない様にして貰いたいからじゃないかな。」

柔「そうなの、忘れた時に写真を見て思い出して貰う為なの、良いよね?」

耕作「勿論、構わないよ。」

耕作「写真をそう言う風に活用するのは珍しいけど。」

鴨田「そう言う事なら人数分焼き増ししておくっす。」

柔「鴨田さん、よろしくお願いします。」

鴨田「任せて下さい、明日にでも持って来るっす。」

柔「そうして貰えると凄く助かります。」

耕作「鴨田、忘れるなよ?」

鴨田「忘れる訳無いっすよ、柔さんの頼みっすから。」

柔「それじゃ、皆の所へ行って一緒に柔軟した後にトレーニングを始めるから。」

耕作「その時に写せば良いんだね。」

柔「うん、そうしてね。」

鴨田「了解っす。」

柔は陽子達の所へ行って声を掛けると全員立ち上がって二人一組になり柔軟を始めた。

耕作「(柔があんな事を言うなんて、珍しい事も有るもんだ。)」

耕作「(それだけ、皆に早く上手くなって貰いたいんだろうな。)」

耕作「(柔、陽子さんと組んでるのか。)」

耕作「(そう言えば、自分の代わりを~とか言ってたな。)」

耕作「(今からそう仕向けるつもりなのかな?)」

鴨田「松田さん?」

耕作「どうかしたのか?鴨田。」

鴨田「トレーニングは全部撮るっすか?」

耕作「そうだな~・・。」

耕作「柔は忘れた時の参考にと言ってたから・・。」

耕作「そうだとすると、トレーニングを開始した時と途中の2枚有れば十分だと思うぞ。」

鴨田「了解っす、開始の時と途中の2枚を柔さんが指導した分だけ撮るっす。」

耕作「そうしてくれ、柔にも後でそう言う風に撮って有る事を伝えておくよ。」

鴨田は柔達がトレーニングに移行するまでの間に撮影の用意を済ませた。

耕作「(さて、今から皆に新しいトレーニング方法を教える訳だが、どうするつもりなんだ?)」

耕作「(なるほど、陽子さんをモデルにしてやり方を教えるのか。)」

耕作「(陽子さんに実際にやらせる事で柔が居ない時でも陽子さんが皆に教えられる様にする為か。)」

柔が陽子に話し掛ける度に陽子は新しいトレーニング方法を皆に見せていった。

耕作「(これは・・、そういうことか。)」

耕作「柔が自分で以前からやってたのと復帰後にやってたのを組み合わせてきたか。)」

耕作「(皆にとっては、どれもかなりハードな内容だな。)」

耕作「(その証拠に皆の表情に驚きが見て取れる。)」

耕作「(でも、驚いてはいるが丸っきり出来ないという感じじゃないか。)」

耕作「(この調子なら皆もやってくれそうだ。)」

耕作「(柔もそれが分かってるのか微笑んでるな。)」

耕作「(一通り教え終わったから、皆にやって貰うつもりか。)」

柔が皆に話し掛けた後、号令と伴に陽子達全員が新しいトレーニングを始めたが、柔だけは
別メニューのトレーニングを始めた。

耕作「(柔は別メニューか。)」

耕作「(今は仕方ないな、例の件が有るから今教えた中で出来ないのが有るし。)」

耕作「(うん?最初に教えたのはやらなくて良いのか?)」

耕作「(・・・、あ~、そういう事か。)」

耕作「(徐々にハードにすると言ってたから、今はやらなくても良いのまで教えたのか。)」

耕作「(道理で教える時間が長かった訳だ。)」

耕作「(柔が以前俺の母校で教えてる時に言ってた事をここでも実践してるんだ。)」

耕作「(最初に話し掛けてたのは自分のペースでやる様に話してたのか。)」

耕作「(柔の奴、自分のトレーニングをしながらでも全員を隈無く見てる。)」

耕作「(基礎体力の差がここで出るから、それもチェックしてるんだな。)」

耕作「(そう言うとこまで考えてやってるのか、ほんとに先の事を考えてるんだな。)」

耕作「(やっぱり、今年入った組は以前から居る組とはかなり差が有るか。)」

耕作「(温子さんは皆の中で一番基礎体力は有りそうだ。)」

耕作「(おっと、温子さんは別格だった、皆よりも柔道歴は長いとか言ってただけは有るな。)」

耕作「(さすがだ、柔はもう終わったか。)」

耕作「(各トレーニングが終わるのはまちまちだけど、始まりが一緒なのは柔の指示かな?)」

耕作「(違うか、全員が陽子さんを手本にしてるからそうなってるだけか。)」

耕作「(終わりがまちまちなのは個々の早さが違うからだな。)」

耕作「(そろそろトレーニングが終わりそうだ。)」

陽子達のトレーニングが終わったので柔が陽子達に話し掛けると皆は倒れ込んでしまった。
柔はそれを確認して耕作の元に戻って来た。

柔「何とか、皆もトレーニングが終わったよ。」

耕作「君もお疲れさんだったね。」

柔「あたしもだけど、皆の方がかなり疲れたかも。」

耕作「それは仕方ないよ、昨日までに比べるとかなりハードになってたし。」

柔「そんな中でも、温子さんはさすがよね~。」

耕作「それは俺も見てて気が付いてたよ。」

柔「あなたも分かってたのね。」

耕作「次が陽子さんかな、温子さん程では無いけど皆とは差が有るのは分かった。」

柔「そうね、陽子さんにはもっと頑張って貰わないとね。」

耕作「君の代わりを務めて貰わないといけないからだろう?」

柔「そうなのよね~、あたしが来れ無くなった時は頑張って貰わないといけないから。」

耕作「恐らく大丈夫だと思うよ。」

柔「それはあたしも思ってる、責任感が強いからね。」

柔「今でも皆のリーダー的な存在だから。」

耕作「しかし、次は乱取りだけど、皆があんな状態で大丈夫なの?」

柔「だから、皆には休む様に話したのよ。」」

耕作「それであんな風に横になってるのか。」

柔「そうだよ、回復が早い順に乱取りするつもりだから。」

耕作「え?もしかして、回復する順番まで把握してるの?」

柔「それはね~、見てたら分かるよ。」

耕作「お見逸れしました、俺にはそこまでは分からないな~。」

柔「じゃあ、行ってくるね。」

耕作「もう始めても大丈夫なのかい?」

柔「少しお話するから、その間に回復するんじゃないかな。」

耕作「そうか、頑張れよ。」

柔「は~い、頑張る~。」

柔は皆の所へ行って話し掛けると全員が起き上がって座ったので柔も座って話し始めた。

耕作「(ほんとに先々まで考えてるんだな、感心するよ。)」

耕作「(おっ、もう始めるのか。)」

柔が温子を指名して乱取りを始めた。
柔は乱取りを何度も中断して温子と他の皆にどういった点が悪いのか質問して、
それに対する皆の返答を聞いた後、如何すれば良いかを詳しく説明した。
陽子達は柔の説明に納得してるのか全員が頷いていた。

耕作「(なるほど、こうするから時間が掛かるって言ってたのか。)」

温子に対して指摘する箇所が無くなるとそこで終了した。
次に陽子と乱取りを開始して温子の時と同様に中断すると皆に質問してその返答に
対してどうする事が良いのかを詳しく説明した。
柔は同様の事を残りの全員に時間を掛けてやった後に皆で車座に座り話し始めた。

耕作「(やっぱり、全員をあのやり方でやったから、かなり時間が掛かったな。)」

耕作「(それにしても、全員の指摘する箇所を良くあれだけ判別したもんだ。)」

耕作「(俺が判別出来たのは柔の判別出来た箇所の5分の1も無いや。)」

耕作「(改めて、柔は柔道の申し子なんだって思うよ。)」

耕作「(今日はやけに皆熱心に柔に話し掛けてるな。)」

耕作「(色々と新しい事を経験したからなのか?)」

耕作「(柔もそれに応える様に熱心に説明してるな。)」

耕作「(偶に皆が笑ってるのは柔が冗談めかして話してるからなのか?)」

耕作「(しかし、柔って以前に比べると話が上手くなったよな~。)」

耕作「おっと、そうだった。」

耕作「鴨田?そろそろ滋悟朗さんを迎えに行ってくれないか?」

鴨田「そうでした、直ぐに迎えに行って来るっす。」

鴨田は急いで外に出ると滋悟朗を迎えに行った。
柔達が立ち上がって更衣室へ向かったので耕作は外に出て車の傍で待つ事にした。

更衣室に入った柔達は談笑していた。

柔「ところで、インナーって1セットしか買って無いの?」

陽子「いえ、最初は皆1セットだけ買おうとしてたんですけど。」

陽子「温子が2セット有った方が何かと便利ですよって言ってくれたので、皆2セット買いました。」

柔「さすがね、今日はトレーニングで汗かいたから着替えないといけないから良かったね。」

陽子「温子に感謝です、こんなに汗かくとは思って無かったので。」

温子「私も2つ目を買って正解でした。」

柔「柔道着ももう一着持って来てるの?」

陽子「はい、今日からハードになると聞いてたので全員持って来てます。」

柔「柔道着も着替えないとね。」

恵美「そうですね、汗びっしょりだから着替えます。」

柔「柔道着はここで洗濯出来るのかな?」

雅「洗濯機は無いですけど洗剤は有るので手洗いは出来ます。」

柔「じゃあ、ここで洗って干しておけば、明日もここで着替えられるね。」

由紀「そうですね、でも、出来ればもう一着あれば良いかなって思いました。」

柔「そうだね、私は3着あるから良いけど、皆の分、課長経由で社長にお願いしてみるよ。」

陽子「そうして頂けると助かります。」

恵美「1着は頂いたんですけど、もう1着は皆自腹だったので。」

柔「そうだったんだ、なら、必ずもう1着手配して貰うよ。」

雅「よろしくお願いします。」

柔「じゃあ、シャワーを浴びて着替えましょうか。」

陽子達「はい。」

柔達は交互にシャワーを浴びて新しいインナーに着替え柔道着を洗って干した。

柔「ついでにインナーも洗ってここに干してたらいいんじゃない?」

美香「それ良いですね。」

真紀「ここに着替えを置く様なもので荷物が減って助かります。」

陽子達は着ていたインナーも洗剤で洗うと更衣室の中に干した。

由紀「柔さんは洗わないんですか?」

温子「由紀?柔さんは沢山持ってるからここで洗って干したりしないよ。」

由紀「あっ、そうでした。」

柔「洗って干しても良いんだけど、家で洗濯してるからね。」

陽子「私ももうちょっと買い足さないといけないかな~。」

雅「陽子?あなただけじゃなくて皆そう思ってるよ。」

陽子「近いうちに、また、皆で買いに行きましょうか。」

雅、恵美「そうしようか。」

温子、美香、真紀、由紀「私達もその方が良いと思います。」

陽子「今日は昨日買ったばかりだから、来週早々にでも買いに行こう。」

雅、恵美「そうだね。」

温子、美香、真紀、由紀「それで良いと思います。」

柔「じゃあ、皆、外で主人が待ってると思うから急いでいこうか。」

陽子達「はい、分かりました。」

柔達は更衣室を出て道場から出る際に一礼すると戸締りした後に耕作が待つ駐車場へ向かった。



柔「あなた、お待たせ~。」

耕作「早かったね、もう少し係るかと思ってた。」

陽子「柔さんが早く行かないと旦那様が待ってるって仰ったので、早目に来ました。」

柔「陽子さ~ん、あたし、待ってるとは言ったけど早くとは言わなかったよ?。」

陽子「ふふふ、冗談ですよ~。」

柔「あ~、引っ掛けられた~。」

耕作「まあ、柔の場合は居合わなくてもそう思ってるから、強ち間違ってはいないと思うよ。」

柔「もう~、あなたまで言うかな~。」

由紀「本当に仲が良いですね~、羨ましいです~。」

耕作「ほらほら、早く乗らないと滋悟朗さんが先に着いてたら何か言われるよ。」

柔「そうだった、皆、早く乗って。」

陽子達「分かりました。」

柔と陽子が助手席に乗り他の全員が後部座席に乗ったのを確認して耕作はドアを閉めると
運転席に座り西海大へ向けて車を出した。



西海大へ向かう車中では柔達が談笑していた。

陽子「それにしても、柔さんって本当にタフですよね。」

柔「そうなのかな?あたしはあれで当たり前って思ってるんだけど。」

雅「いえいえ、あれだけ乱取りして汗一つかいてないんですから。」

恵美「そうですよ、息切れすらして無いんですよ、相当にタフじゃないと出来ませんよ。」

柔「今日、皆に教えたトレーニングをやって行けば、皆もあたしみたいになれるよ。」

温子「そうかも知れませんが、かなり先の事になりそうです。」

柔「それは仕方ないかな、あたしはあれに似たトレーニングを小さい頃からやってたしね。」

由紀「え?本当にやられてたんですか?」

柔「そうだよ、毎日飽きもせずにやってたかな~。」

美香「飽きもせずって、本当に飽きなかったんですか?」

柔「やるのが当然って思ってたからね~。」

真紀「恐るべし、柔さんですよ。」

柔「そう仕向けてたのは、皆を教えてた祖父、滋悟朗なんだよ、酷いと思わない?」

陽子「そうだったんですか?」

柔「ほんとの事だからね、嘘は言ってないよ。」

陽子「そう聞くと、滋悟朗先生の私達への教え方にも納得してしまいます。」

雅「確かに、半端無い位きつかったですからね。」

柔「でも、合同練習の時はそこまで無かったでしょう?」

温子「確かに、言われてみれば、以前に比べるときつくは無かったです。」

柔「他の人達も居たから加減してたんだと思うよ。」

陽子「西海大の方が居たからですか?」

柔「そうかも知れないね。」

耕作「そろそろ、その西海大に着くよ。」

柔「こっちの方が早く着いたかな?」

耕作「そうだと思うよ、向こうからの方が距離が有るからね。」

柔「良かった、先に着けて。」

陽子「滋悟朗先生より遅れると何か有るんですか?」

柔「何か・・、そうなの、家に帰ってから絶対に何か言われるのは目に見えてるのよ。」

車が西海大の駐車場に入った。

柔「良し、来てないな。」

由紀「何か言われるのが嫌なんですね。」

柔「それも有るけど、負い目を感じたくないからね。」

恵美「そう言うもんなんですね。」

柔「そうなのよね~。」

耕作「じゃあ、止めるよ。」

柔「は~い。」

陽子達「はい、お願いします。」

耕作は車を駐車場に止めて先に降りると助手席のドアと後部ドアを開けて皆を降ろした。

柔「皆、着替えだけは持って行ってね。」

陽子達「はい、持ってますよ。」

耕作「先に行っても良いけど、待った方が良いかな。」

柔「勿論よ、先に行ってたら行ってたで、帰って何て言われるか。」

耕作「それもそうか、何か言われるのが分かってて先に行く事も無いね。」

陽子「旦那様も同じ事言ってる。」

柔「主人も色々言われた事が有るから、良く知ってるのよ、祖父の性格を。」

温子「お二人とも滋悟朗先生に何か言われてたんですね。」

柔「そうなのよね~、皆も気を付けた方が良いよ。」

恵美「私達は柔道に関する事以外は滋悟朗先生から他の事を言われた事は無いですよ。」

柔「それでも気を付けてね、気心が知れてきたら危ないから。」

美香「柔さん~、脅かさないで下さいよ~。」

耕作「柔?その辺で止めておいたら?」

柔「は~い、分かりました~。」

由紀「旦那様の言う事は素直に聞くんですね。」

柔「そうよ~、だって・・。」

耕作「はい、そこまで、それ以上は言っちゃ駄目だよ。」

柔「分かってま~す。」

鴨田の車がやって来て耕作達の傍に止まった。

滋悟朗が鴨田の車から降りてきた。

滋悟朗「おお、お前達の方が早く着いたんぢゃな。」

柔「昨日もそうじゃなかった?」

滋悟朗「そうぢゃったかな?まあ、良いわ、行こうかの。」

柔「皆、行こう。」

陽子達「はい。」

柔達は柔道場へ向けて歩いて行った。